アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

連れの人

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(2017年6月17日  アルツハイマー認知症の診断から約10年4ヶ月)

 

チャーコも腰痛で診察。

前回の記事の続きです。


   私、昨年秋から左腰からお尻と太腿の付け根に痛みがあったのですが、最近酷くなりました。それで、おママの後に診察を受けようと決心しました。

 

  私の診察中におママが待合室に1人になるのは不安です。

オネコにおママを迎えに来てもらう手筈でしたが、

その前に私が呼ばれてしまいました。😱 どうしよう〜!

 

「オネコが来るまで座って待っていてね。」

おママは頷くのですが、私はそれでも安心できません。
受付のスタッフに縋るように頼みました。

 

「母は認知症です。姉が迎えに来ますが、もし、1人で出て行きそうになったら、私に声をかけて下さい。」

私の診察が始まった直後にオネコは来てくれたので、ホッとしました。

 

オネコから後で聞いた話では

  オネコが整形外科の待合室に入ったら、おママは怪訝な顔をしていたそうです。

(私が誰だかわからないのだろうな~。)

オネコはそう思ったそうです。
受付から
「お連れの人は診察中です」
と言われたオネコはおママに声をかけました。
「チャーコさん診察中ね。」
するとおママは困惑気味だったそうです。
「チャーコさん誰?わからない…。」

オネコはお会計を手伝って、帰りにおママと買い物をして帰りました。

 

おママにとって「連れ」とは?

  おママにしてみれば、オネコと私は娘という実感はありません。

それは、こちらとしても織り込み済みです。
ただ、ふと気になるのは、

おママにとって「連れの人」とはどういう基準なのでしょう。

 

家からずっと同行している人物は絶対に「連れの人」でしょう。

 

今回、最初に「連れの人」だった私が見えなくなると、おママは私の存在を忘れてしまいました。


しかし、「ここで待っていてね」という私の言葉だけは覚えていようとしたのでしょうか?じっと1人で座っていたのです。


「連れの人」が見えなくなり、自分がどうしてここに居るのか分からない。それでも取り乱したりしないのは、すごい事をだと思います。
もしかしたら、経験則から誰かが迎えにきてくれると漠然と思うのかも知れません。

 

そして、途中から見知らぬ新しい「連れの人」(オネコ)が現れると、初めは怪訝な顔をしますが、「お母さん」と言われると「連れの人」と認識してしまう。

 

以前も似たような事を考えたことがありますが…。
初めて会う第三者が、今回のオネコのように新しい「連れの人」として現れたら、おママは付いて行くのでしょうか?


おママにとって、オネコと私は娘ではないかもしれませんが、

何となく家族かも知れないと思えるから、

素直に「連れの人」と認識できる…。それは私達の希望的観測でしょうか?

 

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   因みに、余計な事ですが…。

私は腰椎のズレからくる坐骨神経痛でした。😭悲しい。

何が悲しいかって…?

夏なのにコルセットをすることになりました〜。

 

おママの貼り絵を見てくださり、有難うございます。

びょういんにて

 

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(2017年6月24日 アルツハイマー認知症の診断から約10年4ヶ月  

元の紙は何であったか不明です。和調の綺麗な紙だってのでしょう。これを含めて4枚の連作があります。)


骨粗鬆症の検査をしました。(今週の水曜日の続きです。)

   おママは骨密度を測るために血液検査とレントゲン検査をしました。


  レントゲンの方は白い板の上に手を乗せてX線をかけます。
これは手の骨と厚さの異なるアルミニウム板とを同時に撮影し、骨とアルミニウムの濃度を比べる測定方法だそうです。


  そのアルミニウム板に手形が書いてあるのです。

おママはそれに興味津々。手型に自分の手をぴったりに合わせようと拘りました。

何時迄も手を動かして遊んでいるので、整形外科のお医者さんは仰いました。


「手型に合わさなくて良いから、手をしっかり開いて動かさないで下さいね〜。」


どだい手型とは大きさが違うのです。

おママの手を上に合わせれば下がズレます。その逆も然り。
しかし、お医者さんに言われてもどこ吹く風です。

 

ご注意は数度にわたったのですが、止める気配はありません。


手を開くの意味が分からないのか?
それとも、端から聞く気がないのか?(笑)


  埒があかないので、私はレントゲン室に乱入し、間近でアドバイスしました。


「お母さん、絵に合わせないで、指と指をしっかり開いてね❗️」


なんとか無事にレントゲンを撮ることが出来ました。

 

童心に返ったか?
  最近のおママを見ていると、本当に思った事に真っ直ぐです。

子供に返っているのではないか?そう思う事も多くなりました。


  貼り絵もそうです。

色彩や構成は考えるのが楽しいから、ある程度気を配っています。

でも、感じたまま思いついたままの勢いが優っているようです。


症状が進んでいるのは確実ですが、

おママの暮らしに笑顔があるから良いのかなと思うこの頃です。

 

⬇️この記事と同じ日のエピソードです。

harienikki.hatenablog.com

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おママの貼り絵を見てくださり、有難うございます。 



シャンプー

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(2017年6月21日  アルツハイマー認知症の診断から約10年4ヶ月)

 

美容院はやはり嬉しい?

   昨日の続きです。

 

   入浴拒否にも通じる事だと思いますが…、

おママを美容院に誘うと必ず一度は拒否します。

天気が悪ければ絶対行きません。

天気が良くても何のかんの言って少しは拒否って見せます。

しかし、一緒に行く連れがいて、楽しい雰囲気作りをすれば、OKしてくれます。

「びよういん」は現在のおママにとっても、キレイになる所なのでしょう。

やはりママも女性ですね。

   記憶がないから、おママにとって美容院も美容師さんも初めてになります。

でも、カットの時もシャンプーの時も、今までおママは美容師さんを困らせる事は皆無でした。(一応、おママが認知症である事は伝えています。)

楽しげに語らいながら鏡に向かっているおママを見ると、私は本当に連れて来て良かったと思います。

 

もう1つの目的

   ショートカットのおママの髪はすぐに伸びてまとまらなくなります。

だから、カットは1番の目的です。

 

でも、シャンプーも重要です。

現在、おママは1人で入浴しています。(拒否しない時は…)

覗かれるのは嫌なようなので、私達は見守りもできません。

身体は何となく洗えても、洗髪はきちんと洗えていないのではないか?

だから、美容院ではしっかりシャンプーをしてもらっています。

 

シャンプーの後

    昨日は美容院の後で整形外科に向かいました。

その時、おママはこんなことを言ったのです。

「頭が冷えてスースーするわ。なんか変なのよ。私は頭の中がおかしくなったのかしら?」

何を今更…。(笑)

しかし、これでは気持ち良くなったと言うより、まるで違和感ですね。(笑)

かなりカットしたし、念入りなシャンプーをお願いしたから、よほど軽くなって自分でも変化を感じるのでしょう。

それがはっきり分かったので…。

良かった、良かった。(^。^)

 

 

 

 

びよういんとびょういん

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(2017年6月11日 アルツハイマー認知症の診断から約10年4ヶ月)

 

懸案の美容院

   おママの髪型はショートです。仕方のない事ですが、カットしてから1ヶ月もするとまとまりがなくなってきます。
それで、美容院に連れて行ってあげようと月初から様子を見計らっておりました。


今日は暑いが晴れている!

時間に余裕もあるぞ!
午後3時過ぎに、近くの整形外科に骨粗鬆症の検査をするので、その前に行ったら効率的!(これはあくまで私の都合です。)

いざ!

 

でもおママは
「髪の毛?そんなの行かないで良いわよ」
「整形?外科?なに?何しに行くのよ?」
と気の無い反応でした。

それでもやはり女性ですね。

「暑い季節だから、美容院でキレイにしてサッパリしましょう。それから、帰りに骨の検査をしに寄りましょうね〜。」
何度も話せば、その気になって出掛けてくれました。

 

言葉遊びに興ずるおママ


道すがら、おママは私に聞きました。


「どこに行くんだっけ?」
「美容院で髪を切ってから、病院で検査するの。」
「ふ〜〜ん。なんの検査?」


おママの質問が数度にわたると、私も些か面倒になります。


「どこに行くんだっけ?」
「美容院の後に病院に行くの。」
へ〜〜。びよういんびょういん❗️」

 

おママは2つの単語の音を楽しむように笑いました。

でも、単語の意味までは理解できているのかしら?

私にはちょっと分かりませんでした。

 

「それで、どこに行くんだっけ?」

たった7分の行程で、おママは10回もこの質問をしたのです。
答えは本当に忘れしまうのでしょう。

それでも、この質問をすると、私が何か面白い事を言うのだという期待感があるのではないか?
びよういんびょういんの微妙な音の違いが、おママの笑いのツボだったようです。
「それで、どこに行くんだっけ?」
これを繰り返すおママに、私は完全に遊ばれているのかしら?

 

分かっていたのね、おママ。


そして、ようやく美容院の前に到着した時、おママはキョトンとして言いました。
「あれ?お医者さんのとこに行くんじゃないの?」
「………‼️」

 

びよういん→髪を切る所
びょういん→お医者さんがいる所

 

おママは単語の意味をちゃんと理解していたのですね。


(偉い❗️でも、病院の方だけ記憶に残ったのか…。)

「髪を切ってから、お医者さんの所に行きましょうね。」

 

私は半ば強引におママを美容院に連れ込みました。(笑)

 

リスペクト2

 

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(2017年6月10日  アルツハイマー認知症の診断から約10年4ヶ月)

 

  昨日の記事の続きです。

ステキなネクタイ柄の紙を使った連作は全部で4枚あります。

⬆️上の貼り絵はその最後の作品です。

これらのパーツはネクタイの原型をとどめていませんね。

あら、あら…。

 

 

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(2017年6月8日 アルツハイマー認知症の診断から約10年4ヶ月)

 

 ネタバラシをすれば、

昨日のアップした2枚の貼り絵の他に、⬆️この貼り絵を作ったら、

完璧なネクタイは無くなってしまいました。

あとは外周に配置されているネクタイの部分だけ…。

あまりにステキな紙だったので、おママはきっと全部使いたかったのでしょうね。

 

harienikki.hatenablog.com

 元の紙がとても素敵なのと、おママの貼り絵の中でも珍しい感じなので、

連作を全部アップさせていただきました。

 

実は⬇️の記事の貼り絵に使った紙も、

オネコが同じ時に買った同じ種類のものだそうです。

harienikki.hatenablog.com

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おママの貼り絵を見てくださり有難うございます。

リスペクト

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(2017年6月8日 アルツハイマー認知症の診断から約10年4ヶ月)

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 (2017年6月8日 アルツハイマー認知症の診断から約10年4ヶ月)

 

昨日(7月9日)故障した実家のエアコンの件。

  今朝(7月10日)、オネコがジジとおママの無事をLINEで知らせてくれました。

でも、エアコンは故障したまま。(涙)電気屋さんが来てくれるのは夕方との事。

あ〜。今日も暑い。

 

  おママをエアコンが健在の1階事務所に居るように誘導しても、居着いてはくれません。すぐに慣れたスペース(作業机)のある2階自宅に戻ってしまいます。

その2階のエアコンが壊れて熱帯状態なのだから、暑い日中をいかに過ごしてもらおうか?

そんな事をあれこれ考えながら実家に行ってみると、

 

なんと❗️エアコンが動いているではありませんか❗️

 

午前中にジジがリモコンのリセットボタンを押す事を思い付き、

何とか動く様になっていました。2階も冷や冷や〜。

 

いやはや、動いてくれて本当に良かったです。

夕方、来てくれた電気屋さんから動かなかった原因について、

「リモコンのどっかを誤って押したのかも?」

と言われました。そして、しばらく様子をみることになりました。(ホッ)

 

リセットボタン。

 

若い人なら容易に思い至るのでしょうけれど、89歳のジジですから、よく気がついてくれたと思います。誤作動を招いた事は脇に置いておいて、ちょっと尊敬に値しますわ。

お陰様で、おママは熱中症にならずにすみました。

 

それで、今日の貼り絵は…。

少し前の作品ですが、ネクタイです。

エアコンとの因果関係は特にありません。(笑)

ただ、よく冷えたオフィスではネクタイ着用も苦にならないかも?

 

元の紙は⬇️です。素敵ですね〜。オネコが恵比寿のデパートで見つけたものです。

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ネクタイの美しいデザインそのままに、おママは忠実に切り抜いてハガキの上に並べました。

あまりに元の素晴らしさ心を打たれると、おママは自分の感性を封印します。

そんな時、元の紙そのままをハガキの上にベタッと貼り付けるるのです。

 

harienikki.hatenablog.com

 過去にこんな例もありました。⬆️

 

おママは素敵なネクタイをどうしても切り抜いてみたかったのでしょう。

切り抜いて、元の紙へのリスペクトをハガキの上に再現するとしたら、

やはり、こんな感じになりますかね。

この貼り絵を1番最初に見たときは気が付かなかったのですが、

おママなりに、かなり考えて制作したのかもしれません。

 

おママの貼り絵を見てくださり有難うございます。

 

エアコンが…。

 

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(2017年5月30日 アルツハイマー認知症の診断から約10年3ヶ月)

 

今日の関東地方は猛暑で御座いました。

暑くて、暑くて、外に出ると目が回りました。

 

この暑さの中…、実家のエアコンが壊れたそうです。

日常的に窓開けっ放しでフル回転を強いられたから、

オーバーワークで完全ダウンでしょうか?

ちょっと反抗して故障しているだけでしょうか?

 

⬇️こんな使い方のツケが回ったのでしょうね。

harienikki.hatenablog.com

 ジジとおママは扇風機でしのいでいるようです。

修理するにも、買い換えるにしても、明日すぐに使えるとは思えず、

熱中症が心配です。

 

今度エアコンが使えるようになったら、

負荷のかかりすぎない使い方を徹底してもらおうと、決意も新たにしております。

 

おママの貼り絵を見てくださり有難うございます。