アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

おママの要介護認定 No.3

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(2015年6月15日  アルツハイマー認知症の診断から約8年4ヶ月)

認定されても…。

  おママは2014年に初めて要介護1に認定されました。
要介護1ってどんなものなのだろうか?
ちょっと考えてしまいますね。


月額166,920円の支給限度額の範囲内で介護サービスを1割負担で受ける事が出来るのです。(この限度額は現在のもの。収入によっては2割負担)

 

  認定を受けてはみたものの、私達はおママのために具体的に何が出来るのかしら?ここが悩ましい所です。

地域包括支援センターの方からデーサービスなどのご紹介を頂いたのですが、なかなか利用するところまでいきませんでした。

例えば、仕事でジジと私が一緒に外出しても、この頃のおママは
1人で留守番が出来ていました。昼食時を挟んでいる場合はオネコが様子を見にくると、1人で有り合わせの物を食べている事もあったそうです。

デイサービスを奨めても
「どうして、1人で行かされるの?」
と拒絶反応を示す可能性も高い…。

例えば…、掃除などの生活支援サービスはどうでしょうか?
しかし、長女は近くに住んでいるし、次女は仕事とは言え毎日実家に通勤しているから、なんか頼みづらい…。
家の中で何とか過ごせるなら、このままの方が良いか…。
ジジもオネコも私もあれこれ悩んでいるうちに1年目の更新時期が来てしまいました。

そのまま月日は流れ…。

  そして、2015年の認定調査の時は前回より若干記憶力が落ちたかなと感じました。

質問の答えが分からないと直ぐにジジの方を見て、
「なんだっけ?」
と助けを求めていました。
結果は変わらず要介護1。

 

  それから2017年6月の更新までの2年間、私達はおママの介護サービスを利用しませんでした。
理由は上記と同じです。
何となく、家庭内で解決して、暮らせてしまっていたからです。

 

  しかし、この2年間でおママの症状は確実に進んでいました。
以前「記憶について No.8〜19家族を忘れて」にも書きましたが、おママの記憶障害は進行し、夫や娘の名前が分からないだけでなく、オネコや私を娘と認知しなくなってきたのです。

 

おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。

おママの要介護認定 No.2

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(2014年6月2日  アルツハイマー認知症の診断から約7年3ヶ月)

 

初めての申請

  2014年の申請の時は初めてということもあり、オネコはまず地域包括支援センターに相談し、役所の保険福祉課で申請書類を貰って記入、提出してくれました。


  申請書に『本人を除いて面談を希望する』という項目があり、オネコはそこにもチェックを付けました。
主治医(このころには東京医大から家庭医になっていました)の意見書は自治体が直接主治医に依頼します。

後日、認定員の方が実家を訪問し、本人や家族から日常の様子や健康状態などの聞き取り調査が行われました。

本人を除いて面談出来たので、この当時の状態を予めきちんとお伝えできたと思います。

 

さぁ、面接調査

  しかし…おママは調査の質問事項に、何とか対応してしまうのです。


  記憶が無くても、それなりに無難な答えを導き出せるのは偉いと思いますが、認定調査の場では如何なものか。(笑)

  当時のオネコのメモによると、調査時のおママの対応はこんな感じだったようです。

 

*姓名と生年月日を聞かれると、それは正確に言えました。

*次に年齢を質問されたら、生年月日を言った直後だったので、計算しようとしている風にみえたそうです。
普段は「70才くらいでしょう」などと言っているくせに、
「70代後半か80くらいかしら?」
とよい線いってました❗️

「今日は何日ですか?」の質問には、スッと新聞を手に取りチェックしてから正しく
「6月17日です」と答えました。

「今の季節は?」
の質問には、
「6月なのだから初夏です」と答えるし…。

 

極め付きは「昨晩何を食べまか?おかずは?」
と聞かれると、うーんと考え込むも、はっとひらめいた様子で、冷蔵庫を見に行き、
「これです、これを作りました。」と昨晩の残りのスープの鍋を持って来ました。

 

とにかく、その場の判断力は素晴らしい。


しかし、調査員の方を最後に玄関で見送る時に、
「今日は何でいらしたのですか?」
と聞いて馬脚を現していました。(笑)

 

本人はなんとか上手く取り繕ってみても、調査員の方には分かってしまうものですね。

私達は要介護にはならないと思っていましたが、認定は要介護1となりました。

 

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おママの貼り絵を見て下さり有難うございます。

 

 

おママの要介護認定 No.1

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 (2014年5月30日 アルツハイマー認知症の診断から約7年3ヶ月)

 

    以前にも少し書きましたが、先月(2017年6月)、おママは介護保険の更新をしました。

 

  今までの要介護認定を振り返りますと、次のようになります。

最初は2014年で要介護1、
2015年の更新では要介護1、
今年の更新では要介護2になりました。

 

ここで、ふと、疑問に思われる方もいらっしゃるかも知れません。

おママは2007年1月末にアルツハイマー認知症と診断されました。
2014年が最初の認定となれば、その間の7年はどうしていたのかです。

 

予想に反しおママの進行は緩やかだった。

診断の直後、オネコは
「1年後は介護状態か」と考えて、実家の近くに越してきたくらいですし、ジジも私も先々不安でした。

しかし、お薬の服用にも慣れて落ち着いてくると、今までと変わらぬジジとの日常がありました。

 

歩行に問題ない。
自分で着替えが出来る。
食事は自分で食べられる。
徘徊もなく、数時間なら1人で留守番ができる。
物忘れ以外はさほど困る事がなかったのです。

 

1年後はおろか数年後になっても、この現状は変わりませんでした。
これはジジと同居している事が大きいでしょう。

 

申請をしますか。

  この間もオネコは介護保険のことは調べていましたが、まだサービスが必要とは思えませんでした。それで要介護認定の申請をしなかったのです。

  それが2014年になると、少々おママの症状が進んできたなと思うようになりました。

  ちょうどその頃、オネコも私もそれぞれに、高齢の親御さんをみている友人から、認定を受けるよう強く勧められました。

『認定までに1カ月ほど時間がかかるし、たとえ要支援であっても、認定さえ受けておけば、いざ状態が急変した時はすぐに見直しが出来るわよ。』

  今すぐに介護は必要ないけれど、福祉担当の方とつながりを持ち情報を得るためにはよいかも知れない。
そして、おママの症状は緩やかな下り坂だったのですが、いつ急激に悪化するかも知れない。そんな不安もよぎり、私達も重い腰をあげました。

 

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おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。

 

 

ひょっこり

 

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(2017年6月1日 アルツハイマー認知症の診断から約10年4ヶ月)

 

  そろそろ又、シリーズ物を始めようかと思います。

今度は、5月にアップした「家族を忘れて」ほど長くはありませんし、深刻でもありません。(カテゴリー「記憶について」の中にあります)

おママの介護認定について、書いてみようと思ったのです。

 

  それで、2014年から2015年のファイルから抜粋して、貼り絵の写真を撮影していました。

そうしたら、2015年のファイルからひょっこり⬆️上の貼り絵が出てきたのです。

確かに今年小津和紙で買った千代紙が使われているから、裏面の日付は正しいのでしょう。

「なんで、今年の貼り絵が一昨年のファイルに入っているんだろう?」

 

そう言えば思い出したぞ〜。

丁度この6月初旬に、貼り絵を収納していたファイルが1冊終わりました。

私達はそれより1ヶ月くらい前から新しいファイルを用意していたのですが、

おママは新しい空のファイルに、なかなか最初の1枚を入れられませんでした。

「もう、入れ場所がなくなったみたい。もう、作らないわ。」

「ほら、お母さん。 ちゃんとお父さんが買っておいてくれたのよ。これからはこの赤いファイルに入れてね。」

「あらほんと!」

この会話を何日も繰り返したものです。

そんな頃に、おママはこの貼り絵を2015年の作品に紛れ込ませたのでしょう。

 

 アルツハイマーの人はやはり新しい事や物は苦手なんだなと、改めて実感しました。

 

因みに…この貼り絵ですが…。

作業机の上に貯めてある、切れ端を集めてきた作品だと思います。

いろんな要素が盛り込まれていて楽しい作品だと思います。

ひょっこり、出てきてくれてありがとね〜。(^_^)v

 

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 おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。

 

 

分割がお好き

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(2017年7月23日 アルツハイマー認知症の診断から約10年5ヶ月)

 

分割するのがお好き❣️

  昨日(8月9日)、午後オネコがやって来ました。

私はそれを見計らって、おやつタイムにしました。

 

  冷蔵庫には9月10日賞味期限の豆大福が…。

ジジがスーパーで買った1袋5個入りです。

「食べなきゃ〜‼️」

私はさっさと1つ頂きました。

ぱくぱく食べていると、おママとオネコが「半分こ」にするようです。

 

  おママは相変わらず、分割するのがお好きです。(笑)

半分ではなく4当分にナイフでキレイに切り分けました。

「あなた、一切れ食べない?」

只今、私はおママの目の前で1個完食しております。

その記憶がない…。(^_^)

「私はいま丸々1個食べましたよ」

「あらそう〜?」

それを食べてしまって直ぐに、おママは「もう少し食べたい」と言い出しました。

これもよくある事です。食べきれないと思うのか、半分づつに食べたがるのです。

 

⬇️こんな過去記事もありました。

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「今度の半分はお父さんに食べてもらってね。」

するとおママはお皿の上に豆大福を乗せてから、

掌でギュッと押さえつけました。

「………⁉️」

それから半分にして片方をジジに上げてから、残りを更に3当分にに切り分けました。(最初から考えると6当分相当の大きさ。)

「な、何でそんなに切り分けているの⁉️」

半分はおママ自身が全部食べるのではなかったか?

私は咎めるような口振りで言ってしまいましたが、オネコは違います。

「私がその一切れを食べてあげるわ。」

優しい長女です。

なんの事はないおやつの風景でした。

 

今日アップの貼り絵を見て、私は思いました。

  大福だけでなくハンバーガーでもおにぎりでも、十字に切り分けたがるおママ。

この貼り絵はそんなおママの行動を彷彿とさせると、私は思います。

十字が重層的に表現されていますもの。

 

多少、歪んでおりますが、むかし自分で染めたマーブル紙を使ったのがこの貼り絵のミソでしょうか。

 

  写真撮影時には

「これって、なんだかホワホワしているわね〜」

と不満げでした。

ホワホワしているって、色のメリハリがないって事?」

私がそう聞くと、おママは頷きました。

「そうなのよ。でも形もね…。」

  恐らくしっかりと斜め向かい側と対称になっていないのも、シンメトリー好きのおママとしては納得いかなかったのかも知れません。

 

  ご不満だとしても、私はこれはこれで面白いと思うのです。

アップしてごめんね。おママ。

 

 

合作‼️ Part2

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(2017年8月18日   アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月)

 

私が合作を試みる時。

「合作‼️」というと、5月24日アップの記事も同じタイトルです。

今回はそのPart2です。

 

   アルツハイマー認知症のおママは若い頃から手先が器用でした。以前は革工芸や製本を趣味としてきましたが、ここ十数年は白いハガキに包装紙、千代紙、雑誌の切り抜きなどを使って、貼り絵を楽しんでいます。

しかし何日かやらずにいると、ハガキのしまい場所も忘れます。

おママは自分がずっと貼り絵をしてきた事自体、忘却の彼方になってしまうのです。

 

  私としては、せっかく上手に切ったり貼ったりする能力が残っているのだから、それは温存して欲しいと思っています。

それで、4・5日間が空いてしまった時、時間が許せば、おママと一緒に貼り絵に取り組んでみます。

 

お盆明け…、暑い…。

  8月18日の午前中、お盆明けに実家に行ってみると、おママは所在無くボンヤリしていました。貼り絵も4日空いているようだし…。

やってみますか…。

 

   私はおママが貯め込んでいる包装紙の切れ端の中から魚と椎茸の絵を見つけました。そして、作業机の引き出しからハガキを出した時点で、おママは気が付きました。

「あら、あなた、何をしているの?」

何か楽しい事でもあるのかと思ったのでしょう。興味津々に近づいてきました。

「貼り絵をしましょうか?」

「あなたはそういう事をも出来るのね〜。」

さも、感心して言いますが、日頃おママがやっている事ですよね〜。

「以前は随分よくやったのですが、最近はもう、あまりやらないんですよ。」

 

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(2017年8月18日 アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月)

 

「そうですか。でも、これを切り抜いてくださいな。」

私が魚と椎茸の絵を渡すと、おママは嬉々として切り抜き始めました。

 

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その間に、私は千代紙を切り抜き、⬇️の貼り絵にある和風の6角パーツを用意しました。

「切れたわよ〜。」

「それなら、この模様と魚の絵をハガキの上に貼ろうと思うのだけど、お母さんはどうしたらいいと思う?」

「そうね〜。」

おママはすぐに取り組み始めました。

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しかし⬆️の写真の千代紙パーツは私がざっくり切ったので、おママは大層ご不満だったようです。

「周りをきちんと切らないとダメだわ。」

私にそう注意をしてから、周囲を綺麗に整え、貼り始めました。

そして、1枚完成させました。

しかし、おママにはパーツの組み合わせも構成も納得できなかったようです。

 

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1枚仕上げた勢いで、おママはやる気になったのか、すぐに椎茸バージョンに取り組み始めました。

こちらは100%おママが周りのパーツも構成も考えて、満足そうに完成させました。

 

何日も経ってから写真を撮影した時、

おママは椎茸バージョンの方は「良いわ〜」と気に入っていましたが、

私のアイデアが色濃い魚バージョンについては、

「魚が寄っていて(真ん中に無くてという意味)良くないわよね、周りもなんだかね〜

とクソミソ…。

 

  具体的に作った時の記憶はなくても、好みはしっかり確立されているから、本能的に私の手が入ったものは嫌なのかも知れません。

癪に触るけど、感心しました。(笑)

 

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おママの貼り絵を見て下さり有難うございます。

 

 

 

長生きしてね。

 

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(2017年8月11日  アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月)

⬆️の貼り絵の花模様は何かの包装紙から取っていると思います。あくまでこれは私の推測でしかありません。全くこれがどこにしまってあったのか、どこの包装紙なのか。私には分からないからです。

⬇️の貼り絵と一緒に並べて同時進行で制作していました。

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 (2017年8月11日 アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月)

 

 おママの額に湿疹があった。

  水曜日におママの入浴援助をして洗髪をした時、左額に赤い湿疹があるのを見つけました。

「あれ?お母さん、ここ痒い?」

おママは首を横に振ります。

「ここ痛い?」

「大丈夫よ。」

私はシャンプーが肌に合わなかったのかと思いました。しかし、頭皮の他のところはきれいな状態でしたから、一概にそうとも言えないと思います。

 

  今週、私は木曜日と金曜日は実家に行かれませんでした。それで、オネコに気をつけて見てもらうように頼んでおきました。

 

  原因は何でしょうか?オネコが思い当たるのは…。

「ナッツを食べ過ぎてないかな?」

ジジもおママもナッツ類は好きです。テレビなどで身体に良いと聞けば、食べてました。アーモンド、クルミ、最近ではピーナッツが血管を強くしたり記憶力アップに良いと聞いて、よく食べているのを見かけていました。

 

おママの役に立つなら…。健康と長生きの為に…。

ジジも相変わらずいろいろ試して見たいのです。

 

  私はピーナッツが苦手なので食べませんが、1日の適量は20粒から30粒くらいだそうです。

「ピーナッツは食べている…。」

「それの食べ過ぎだな〜。」

オネコの推測はピーナッツですが、本当のところ原因はよく分かりません。

幸い、今日はほぼ治っているようなので、ホッとしました。

 

命日

  今日(9月8日)は私の義父の命日です。

ちょうど一周忌にあたり、夫、義母、義姉とお墓参りに行きました。

  1年前、8月のお盆休みの頃は元気でした。しかし、下旬になって、義父は風邪をひきました。初めは普通の風邪。一週間ほどグズグズしていたようです。でも、それほど重い感じではなかったのに、8月末に呼吸困難となり救急搬送され、そのまま肺炎で亡くなりました。84歳でした。

実家のジジやおママよりも元気そうだったのに、あまりに急な最後に言葉もありませんでした。

 

そう言えば、義父も長生きのために健康に良いと聞けば、取り入れる方だったと思います。

80歳過ぎの高齢になると、いつ何時どうなるか分からないものですね。

そんな事をしみじみ義母と話しながら、義父を偲びました。

 

⬇️この貼り絵も仲間ですね。 

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おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。