アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

謎です

f:id:harienikki:20171204231951j:plain

(2017年11月8日  アルツハイマー認知症の診断から約10年9ヶ月)

お掃除をしていたら

  今日、私は実家で掃除をしました。

いつもは私が掃除機をかけていても、「あら、すみません」と言うだけなのですが、

今日のおママはちょっと違いました。

掃除をしている私にピタッとくっついて一緒に動き回っていたのです。

「あら、悪いわ。私がああしなければいけないのに、あなたにこんな事までしていただいて、すみません。」

「いいんですよ。」

この会話はいつもの通りですが、おママは掃除機の動きに合わせて、障害物になる椅子や床に置いている物を退かしてくれるのです。

(なんて気が効くんだろう‼️)

 

今日のおママは冴えています。さすがは長年の主婦経験が今も残っているのだわ。

自分で掃除機をかけなくても、体が覚えた事は残るのだと感心しました。

そして、ちょっと動くたびに、

「悪いわ。あなたにこんな事までしていただいて、すみません」

を繰り返すのは致し方ないですね。

 

掃除機をかけ終わったら、次はトイレ掃除です。

  2階のトイレから先に始めますと、やはりおママは私の背後に居ます。

「あら、悪いわ。あなたにこんな事までしていただいて、すみません。」

「いいんですよ。気にしないでください。」

 

これも終えたら、あとは1階のトイレだけです。

 

  その時、ジジは1階でパソコンを開いているし、私が階下へ降りるとおママ2階で1人になってしまいます。それで、忘れるのは織り込み済みでも、一応おママに伝えておこうと思いました。

「2階のトイレ掃除が終わったから、今度は1階のトイレをやってくるわね。」

トイレクリーナーを手に私がそう言ったら…。

おママったら…。

「あら、あなた、居眠りしないでね。大丈夫かしら?」

「…………。」

 

  一瞬、私の頭の中は硬直しました。声も出なかったわ。

割とおママが何を言わんとしているのか、理解できる方だと思うのです。

でも、この時は、全くダメでした。(^。^)

 

その言葉の意味が知りたい

  今まで、おママを見てきて思うのですが、アルツハイマー認知症で記憶障害が酷くても、その一瞬一瞬では、おママの中では言動に筋道が通っていたりします。

 

しかし、「トイレ掃除→→居眠り」はどのような関連性があるのでしょうか?

 

えっ…⁉️(笑)もしかして?

おママ、「掃除」の部分を飛ばして

「トイレ→→居眠り」ですか⁉️(爆笑)

私、居眠りするほど長くトイレに居たりしないと思いますが…。

あまり深掘りしない方が良いのでしょうか。(笑)

今日は謎の解けない日でした。

 

本日の貼り絵について

中央部分は千代紙です。水色のストライプとカーブのパーツは⬇️のティッシュボックスです。赤いパーツは不明です。

f:id:harienikki:20171205012756j:plain

おママお気に入りのティッシュボックスですね。

 

おママの貼り絵を見て下さりありがとうございます。

 

 

 

きびだんご

f:id:harienikki:20171204002005j:plain


(2017年11月11日  アルツハイマー認知症の診断から約10年9ヶ月)

 

  オネコが出張していた旦那様のお土産を実家に持ってきてくれました。

包み紙も可愛くて、おママが喜びそうですね。

懐かしいような親しみを感じるイラストですね。

 

案の定、おママは目を輝かせて、

「あら、頂いていいの?」

と言っておりました。

 

さあ、みんなでおやつにしましょう❗️

 

「ん……⁉️」

ふと私が見ると、おママは食卓でハサミを手に、包装紙を広げて分割中でした。

f:id:harienikki:20171203231741j:plain

しばらく様子を見ていましたが、全くやめる気がないようです。

「あの…、きびだんごを頂きましょうよ。」

「はい。」

少し経って、またお願いしてみました。

「あの…、きびだんごを頂きましょうよ。」

「はい。はい。」

目の前に美味しそうなきびだんごが有っても、おママは脇目も振らず包装紙に没頭しておりました。

その包装紙はこちら⬇️

f:id:harienikki:20171204002034j:plain

f:id:harienikki:20171203232318j:plain

  この包装紙は「月末企画❗️今月のイチ押し‼️(2017年11月版)」にも登場しております。

小さな可愛いお顔のイラストは頻繁に登場して、11月制作貼り絵を楽しく彩ってくれました。

 

  しびれを切らした私は半ば強引におママを促し、分割した包装紙をまとめて、片付けてもらいました。

 

私は花より団子。

おママは団子より包装紙。

 

廣榮堂本店さんのHPを見ますと、

この可愛らしいパッケージデザインは絵本作家の五味太郎さんだそうです❗️

五味太郎さんの『きんぎょがにげた』『みんなうんち』は、私がアズキ(私の娘)に読み聞かせした絵本です。

どことなく懐かしい気がしたのは、そのせいですね。

きびだんご、美味しくいただきました❗️

 

harienikki.hatenablog.com

 

www.koeido.co.jp

 ⬇️『きんぎょがにげた』『みんなうんち』の表紙が出ています。

www.fukuinkan.co.jp

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

 

昨日からずっとモヤモヤ

 

f:id:harienikki:20171203013634j:plain

(2017年11月3日  アルツハイマー認知症の診断から約10年9ヶ月

ピンクの花弁は8月歌舞伎座で拾った桜吹雪。大変薄くて糊で貼るのも大変です。これまでの何作かは上手く貼れずにちぎれそうになりましたが、この貼り絵はとてもキレイに貼れました。やはり、上達するんですね。)

 

考えだすとキリがない。

昨日、私は焼き芋で悶絶した件を書きました。。

harienikki.hatenablog.com

   焼き芋での胸のつかえは下りましたが、なんかモヤモヤが続いております。

例えば、おママと2人の時、急激な健康上の異変が起きたら…。

(ジジの身に、おママと2人きりの時に、何かあったらという心配への対策です。)

そんな問題を今日はあれこれ考えていました。

ネットで調べて見ると、現在、見守りシステムは様々あるのですね。

 

あれやこれや

    センサーで人の気配を感知するモニターはレンタルのものもあるようです。

しかし、実家は2階建の一軒家です。少なくとも1階と2階でモニターを分けなければなりませんし、トイレ、浴室と考えますと幾つ必要やら…。

   それに家族への通知は日に1回とか設定をするので、緊急を要する場合は間に合わないでしょう。同じ理由で、電気ポットの見守りセンサーも、私が想定している心配には合わない気がします。

例えば…⬇️

www.yasashiite.com

    今のところ、携帯電話を肌身離さず携帯してもらい(これが結構ムズカシイ?)、緊急の場合はなんとか119番をしてもらえれば、たとえ話せなくても緊急通報位置通知サービスで場所を特定してもらえそうです。

www.nttdocomo.co.jp

しかし、果たして緊急時に高齢者が119番できるのか?

短縮ダイヤルに登録しないとダメだろうし、緊急時にはそれすら思いつくかどうか…⁉️

 

民間のセキュリティ会社のサービスで、ペンダント型の緊急ボタンを握るだけで警備会社に通知されるものもあるようです。これはまだ地域限定で現実的には無理かも。

(東急セキュリティのシニア見守り)

 

  今日は忘備録的になってしまいました。それでもモヤモヤは解消できていません。

調べたり勉強したりしなければと思います。

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

 

 

焼き芋

 

f:id:harienikki:20171201234841j:plain

(2017年11月10日  アルツハイマー認知症の診断から約10年9ヶ月)

 

冬到来
今年もさつま芋の美味しい季節がやって参りました。
スーパーの前を通ると、温かい空気とほんのり甘い香りがしております。どうしても素通り出来ずに唆られてしまう。

まさにジジもそうなのであります。
今日も夕方、おママと買い物に行き、
「焼き芋買ってきたから、帰る前に食べたら?」
とのこと。
はい。無論お相伴させて頂きました。
最近はスーパーの焼き芋もねっとりとした餡子のようなサツマイモを使っていて美味しいですね。ジジ、おママと3人で切り分けながら食べました。

 

事件勃発
ポクポク系ではなくネットリ系なので大丈夫とタカをくくっておりますと、
「うっ…‼️」
私、胸がつっかえました。それも息が止まると思うような、激しい詰り方です。

飲み込もうとしてもがいたら、今度は肋骨の内側が痛みました。
「ぐぅぇ…ぐぅぇっ…。」
その私の様子におママは驚き、
「大丈夫?とにかくお水、お水」
と台所に向かいました。
(おママは冴えてる。助けてくれるのね。)
私は内心嬉しかったです。


ところが…。食卓から台所まで歩いて5歩。

水を汲んでくれたのかと思いきや、シンクの蛇口をスルーしたようです⁉️


戻ってきたおママはティッシュを手に鼻をかんでいるではありませんか‼️

悶絶している私を、初めて見るようにして言うのです。

「大丈夫?」

おママ…。嗚呼…。お水はどうなりましたか?

 

身を以って
おママ…。ものの5歩歩いて忘れたのね…。
『三歩歩いて忘れる』例えもあるが…。
それより少し良いのだが…。
もしも…、ジジとおママが2人だけの時、ジジに健康上の異変が起きたら…。

どうなるのだろう。不安だわ。


「いっぺんに飲み込むから…、気をつけないと…。」
ジジは気掛かりな表情で、諭すように言うのですが、

 

私は今後のジジが心配だわ‼️

 

「うっ…、苦しかった…。」

私は自力で水を飲みました。
でも、焼き芋は美味しゅうございました。

 

本日の貼り絵について

オネコの家にあった福壽堂秀信さんの包装紙を使っています。

上品でありながら、色々な図案があって楽しい包装紙です。

おママは一気に図案を切り抜いていました。

他は東急百貨店のマーク。中央部分のパーツは不明です。

こちら⬇️

f:id:harienikki:20171201235042j:plain


おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

月末企画❗️今月のイチ押し‼️(2017年11月版)

f:id:harienikki:20171130221952j:plain

(2017年11月23日 アルツハイマー認知症の診断から約10年9ヶ月)

 

これなんです。(笑)

「今月のイチ押し」?  何故、これなの?

そう、思いの方、いらっしゃいますか? (笑)

これなんです。

オネコと2人で悩み抜いた末に決めました。

 

2人掛かりで、何故そう悩むのか⁉️

それは11月におママが制作した貼り絵が多かったからです。

昨日途中になっていたものを含めると、今月は52枚です。

しかも、なかなか綺麗だったり、エピソードのある作品が多いのです。

こうなったら理屈で選んでもダメ。直感勝負でしょう。

 

そして、オネコが指差して、言ったのはこれ。

「見れば見るほど、可愛く思えてきた〜。目に焼き付いて離れないわ。」

(これか…。)

 

見るほどに含蓄がある?

この貼り絵をパッと見ますと、中央に黒い上品なバックが目に入ります。

おママはきっと「素敵だな」と思って一生懸命に切ったのでしょう。

取っ手の内側も切り抜いています。頑張りました。

 

その周囲には、黒革と金の留め金が映えるような、絶妙な色彩が配置されました。

 

そして…。

「あーーー!なんだ⁉️このクマは❗️」

クマちゃんの顔は⬇️の岡山土産の写真の中にいます。拡大してご覧下さいませ。

f:id:harienikki:20171130233332j:plain

 数ある小さな顔のイラストの中で、敢えておママは黒いクマちゃんを選んだのでしょう。

 

オネコ曰く。

「まず、バックを貼って、周りを額縁のように配置して、最後に中央上に何か貼りたくなって、クマの顔を貼ったのかもね。」

私は次のように思います。

「バックの取っ手の上に少し被さるようにクマの顔を貼っているから、取っ手部分をクマの身体に見立てているんじゃないか?」

 

真相は分かりません。制作者のおママに記憶がないのですから。

 

ふと、私は思いました。

果たして私がここにクマの顔を貼るだろうか?

絶対に貼らない。

アルツハイマー認知症になって10年以上経つおママだからこそ、

ここに黒クマを貼る事が出来たのではないだろうか?

 

でも、ここにクマの顔があるからこそ、

この貼り絵は面白くて、ちょっと不思議で魅力的なんですね。

 

それで、今のおママだから生み出された『黒いクマちゃんバック』を、

「今月のイチ押し」に決定‼️

パチパチパチ。👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

日付が変わってしまいました。11月中にアップしたかったです。(笑) 

はがき

 

f:id:harienikki:20171130013441j:plain

(2017年11月9日  アルツハイマー認知症の診断から約10年9ヶ月)

 

貼り絵に使うはがき

  ちょいと贅沢なようですが、

おママは手漉き和紙のはがきの上に貼り絵をしております。

 

「はがきを注文してくださいな。」

先日、そのはがきが少なくなってきたので、私はジジに頼みました。

年に2回ないし3回。1箱100枚入りの「越前  耳付はがき」を2箱。

ここ10年ほど、ジジは小津和紙に注文してきました。

 

  昨年あたりから、私はこれをジジに頼む時にふと思うのです。

1度に200枚買ってしまって大丈夫かと。

(おママが貼り絵をしなくなったらどうしようかな。多いかな?

まぁ、いいか。残ってしまったら、私が将来絵を描いてもいいし …。)

それで、いつも通りに 注文するのですが、幸いおママは使い切っています。

 

届いたはがきを前に

  ちょうどおママが出来上がった貼り絵をジジに見せた時、

ジジは届いた「越前 耳付はがき」2箱を前にして、おママに言ったそうです。

「はがきは私がプレゼントしますから、どんどん貼り絵をしてくださいね」

すると、おママったら、

「あら、私はもう止めようかと思っているのに」

ですって…。本当かしらね…。(笑)

 

後でジジは言っておりました。

「でも、満更でもない顔をしていたよ。」

そんな事を言わずに来年も頑張ってくださいね。おママ!

 

本日の貼り絵について

 なんともキレイでお上品なお菓子の写真です。それを大胆に貼っていますね。

これって、今年の『銀座百点』に掲載されていた広告かしら?

銀座菊廼舎さんの冨貴寄、季節商品「ふくろう」だそうです。

私はまだ未経験。食べて見たいですね〜。

あまりに素敵なので、おママは思わず貼りたくなったのでしょう。

 

www.ginza-kikunoya.co.jp

www.ozuwashi.net

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

 

 

お別れなの?(^。^)

 

f:id:harienikki:20171129003245j:plain

f:id:harienikki:20171129003310j:plain

(2017年11月4日  アルツハイマー認知症の診断から約10年9ヶ月)

 

かなり寂しい気分

  この日、おママは久し振りに手毬の千代紙を手にしていました。

5月におママ、オネコと3人で小津和紙に行った時に買った千代紙です。

(⬇️写真の右下)

f:id:harienikki:20170618000908j:plain

  夏頃はヘビーローテションで使いまくっていました。

切り抜くのも楽しく、組み合わせの応用もきいて、おママのお気に入りでしたね。

私も残り少なくなっていた事に気づいていました。

 

  この日(11月4日)ほ昼過ぎに、おママはこの千代紙を手にしたら、一気に全ての手毬を切り始めました。

「あら?全部切っちゃうの?」

私が声をかけると、おママは寂しげに微笑みました。

「もう、これが最後なの。」

「そうなの?それなら少し取っておいたらいかが?」

「いいの。全部切って貼ってしまうの。」

そうなんですか…。

言うや否や、おママはハガキ2枚に一気に貼り終えました。

 

本当にこれが最後なのだろうか?

  おママの「もう、これが最後なの」という言葉がちょっと気になります。

 

最後かどうか、記憶がないと分かりませんよね。

おママが見つけた切れ端が小さかったから、そう思い込んだのでしょう。

 

案外しばらくすると、他の袋に入っている紙の束から、又ひょっこり手毬の千代紙が出てくるかも知れません。出て来ないかも知れません。

 

おママは一度どこかに片付けてしまうと、その記憶が残らないので、

再び見つけられる保証はありません。

 

 あんまりおママが寂しい顔をするから、私も気の毒になりました。

「今度、小津和紙に行ったら似たような手毬の千代紙が有るか見てくるね。」

「あら、あなたにそんな事してもらったら悪いわ。」

少し嬉しそうにおママは笑いました。

 

  色合いもお気に入りだったこの手毬の千代紙。

作業机周辺の紙類の中から、ほんのちょっとでも見つかると良いですね。

いえ、おママ。偶然に出会うように、見つけられるといいな…。

 

手毬の千代紙は過去にこんな作例がありました。⬇️

 

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

 

おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。