(2017年3月21日診断から約10年1ヶ月)
アルツハイマー型認知症の診断から10年経つおママ。今年に入って言葉や言葉の使い方を失って行く兆しがあります。
しかし、最近ちょっと違うように思います。失うというより、言葉を司る脳の回路が繋がりにくいのではないか。
以前、お話した「背が長い!」も、その後オネコの証言ではち、ゃんと「背が高い」と言っていたそうです。
その時その時、言葉の回路は繋がり易かったり、繋がりにくかったりするのではないのでしょうか。
言葉が出にくくなっているのは確かです。しかしアルツハイマーであっても、それを何とか言い表そうと、結構考えているのですね。
今日、おママと話していて、そんな事を考えました。
◉今日の言葉
ex.1)
貼り絵のファイルを一緒に見ている時、おママは楽しげに言うのです。
「私はもともと、あ〜するのが好きなのよ。あ〜、頭を切るのが好きなのよね〜。」
えっ⁉️
「………。」
まぁ、だいたい分かりますが…。
頭を切る。
⬆️
頭のカミ(髪)の毛を切る。
⬆️
紙を切る。
この時、おママは「紙を切る」と言いたかったのに、「紙」も「髪」と同じ「カミ」としか認識されなかったのでしょう。そして、「カミ」が存在するのは頭です。
考えすぎて回路が混乱してしまったのかしら?
◉今日の言葉
ex.2)
ずらっと並ぶ10何冊ものファイルをながめて、
「私はいったい何万年前から(貼り絵を)やっているのかしら?」
えっ⁉️
縄文時代だって1万5000年〜2000年前くらいよ〜。
おママはもしかして…、原始人⁉️
いえいえ、現代人よね〜。
(何年前からやっているかしら?)➕(何万枚やってるのかしら?)
=「私は何万年前からやっているのかしら?」
貼り絵制作歴は十数年。枚数は約3000枚くらいですよ〜。
今日のおママは言葉の回路が空回りしてしまったようですね。(笑)
でも、おママが言いたい思いを、一生懸命伝えようとしている事。
それは強く感じましたよ〜。