アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母が作った貼り絵たち。

記憶についてNo. 25 お母さんと呼んでも

 

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(2017年10年26日  アルツハイマー認知症の診断から約10年8ヶ月)

 

2017年10月24日の事
  ジジとおママが週1回デーサービスに行くようになって、はや4ヶ月。生活サイクルに馴染んで参りました。

大抵デイサービスの後はジジもおママもお疲れ気味で、買い物には行きません。それで、いつもオネコが夕食を実家に届けてくれます。


  この日もオネコはシチューを電子レンジ用の容器に入れて持参しました。ジジやおママとひとしきり話をしてから、

帰りがけに玄関で、
「おかあさん、またね」

といつものように声をかけると...。


おママが怪訝な顔をして、
「お母さん?」と小首を傾げたと言うのです。


  今までは「おかあさん」と言えば、おママもそうなのかと思ってくれました。

なのに、この時は
(何故、目の前の女性が自分の事を「おかあさん」と呼ぶのかしら?)
と理解できないようです。


「あら、お母さんじゃないの。」
オネコは努めて明るく言うと、それでも半信半疑な表情をしていたとのことです。
「お母さん」と呼びかけて、この反応は初めてだったので、オネコはとても印象に残ったそうです。

 

近い将来を思う

  以前からオネコも私も、おママから娘とは思われていない事は分かっていました。それでも、「おかあさん」と呼びさえすれば、一応その一瞬は、親子関係が成り立っていました。

それが崩れ去る。
遂にそんな時期がきたのか…。


もしかしたら、近い将来、「おかあさん」と声をかけたら、
「あなたはどなた?」
「私はあなたのお母さんではありません」
とか言われてしまう日が来るのかしら?

 

  しかし、その後はオネコや私が「お母さん」と呼んでも、なんら支障はありませんでした。
この日は特別に脳の記憶を司る回路の繋がりが悪かったのかも知れません。

 

進んだ現実

  前からおママを見ていて思うのですが、認知症の記憶障害は一気に進むわけではなく、まだらになっていく印象があります。


  昨日おママが自分のフルネームを忘れていても、今日は名前だけはかろうじて言えたり、今日間違えた文字を、明日はスラッと書けたり。そんな行きつ戻りつの状況を繰り返しているのです。


しかし、この一年を振り返ると、やはりおママの症状は確実に進んだと思います。


以前のおママは忘れた事や分からない事を突きつけられると、混乱したりショックを受けて体調を崩したりしました。(それもじきに忘れるのですが)


しかし、最近は忘れた事自体を瞬く間に忘れてしまいます。
だから、ショックを受けた嫌な気分すら尾を引くことは少なくなりました。

それで、
「まぁ、べつに(どうでも)いいわね〜」
なんて呑気に笑っています。


  記憶を失うという事は、それが進めば進むほど、心が穏やかになるのでしょうか。
おママを見ていて、そんな事を考えるこの頃です。

 

⬇️このころはショックを受けて1時間ほど寝込みました。

harienikki.hatenablog.com

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。