(2017年11月4日 アルツハイマー型認知症の診断から約10年9ヶ月)
*かなり寂しい気分
この日、おママは久し振りに手毬の千代紙を手にしていました。
5月におママ、オネコと3人で小津和紙に行った時に買った千代紙です。
(⬇️写真の右下)
夏頃はヘビーローテションで使いまくっていました。
切り抜くのも楽しく、組み合わせの応用もきいて、おママのお気に入りでしたね。
私も残り少なくなっていた事に気づいていました。
この日(11月4日)ほ昼過ぎに、おママはこの千代紙を手にしたら、一気に全ての手毬を切り始めました。
「あら?全部切っちゃうの?」
私が声をかけると、おママは寂しげに微笑みました。
「もう、これが最後なの。」
「そうなの?それなら少し取っておいたらいかが?」
「いいの。全部切って貼ってしまうの。」
そうなんですか…。
言うや否や、おママはハガキ2枚に一気に貼り終えました。
*本当にこれが最後なのだろうか?
おママの「もう、これが最後なの」という言葉がちょっと気になります。
最後かどうか、記憶がないと分かりませんよね。
おママが見つけた切れ端が小さかったから、そう思い込んだのでしょう。
案外しばらくすると、他の袋に入っている紙の束から、又ひょっこり手毬の千代紙が出てくるかも知れません。出て来ないかも知れません。
おママは一度どこかに片付けてしまうと、その記憶が残らないので、
再び見つけられる保証はありません。
あんまりおママが寂しい顔をするから、私も気の毒になりました。
「今度、小津和紙に行ったら似たような手毬の千代紙が有るか見てくるね。」
「あら、あなたにそんな事してもらったら悪いわ。」
少し嬉しそうにおママは笑いました。
色合いもお気に入りだったこの手毬の千代紙。
作業机周辺の紙類の中から、ほんのちょっとでも見つかると良いですね。
いえ、おママ。偶然に出会うように、見つけられるといいな…。
手毬の千代紙は過去にこんな作例がありました。⬇️
おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。