アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

苦心の後に

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(2018年5月25日 アルツハイマー認知症の診断から約11年3ヶ月)

 

今月のイチ押し(2018年5月版)ジジセレクト

  前回の記事は5月の「今月のイチ押し‼️」でした。今回はその選定にあたりジジが押していた作品をご紹介いたします。⬆️上の貼り絵です。

  カチッとした幾何学形と曲線のモチーフが組み合わさり、ジジは斬新さ感じたようです。色の組み合わせもいい感じだと思います。それにペイズリー柄のようなパーツは珍しい。

  元になったのは⬇️ こちらのチラシです。オネコさんが何処かで貰ってきたのかしら…。

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切ってみましょう。

   実はこの日(5月25日)の午前中に、おママの事でちょっと気になることがあったのです。その件についてはまた改めますが、何となく私は不安でした。

  午後、あまり意欲がないようで、おママはロッキングチェアに座って、ボンヤリさんを決め込んでいました。

(何か一緒に切って遊んでみるか…。)

おママはハサミで紙を切るのが好きだから、私は常套手段をとりました。 (^。^)

 

   それで選んだのがこのチラシです。ステキなデザインですね。ちょっと勿体無い気はしたのですが、おママも一目で興味を持ったので使ってみました。

  しかし、ハサミ上手ママでも、この図柄は難しかった…。全体を切り抜くのも一苦労です。だからと言ってやめるわけでもなく、

 

「この飛び出しているのはどうするの?」

「大変だから切り落としていいですよ。」

「えーっ、そんな風にしたら、つまんないわよ。」

 

と私に確認しながら、私の意見を完全に却下するおママでありました。(^。^)

 

    全体を切り抜いて、更にその中を大まかに3つのブロックに分割したところで、時間切れ。私は夕食の準備に取りかかりました。おママも根を詰めてしまったようで、相当お疲れでしたから、

(明日にでも貼り絵に利用してくれたらいいな)

と思いました。

 

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無心な背中

   私がジジとおママの夕食を作り終えた時、作業机に向かっているおママの背中が見えました。

「お母さん、お手元が暗くありませんか?」

「あ、大丈夫よ。」

その時の作品がこれです。実はもう一枚姉妹編があるんですよ。

 

  おママは自分が苦心して切り抜いた事は 忘れてしまうでしょう。でも直後は、その達成感が漠然と心に残っていたのかも…。そういう気持ちが貼り絵を完成させる原動力になるのかも知れないなぁ〜と、おママの背中を見て思いました。

 

おママの貼り絵を見て下さりありがとうございます。