(2018年7月25日 アルツハイマー型認知症の診断から約11年5ヶ月)
作品中央下部に「2018.8月5日」とありますが、それはこの作品の制作日ではないです。ちょっと事情がありまして…。(^_^;)
*文字を忘れる
読めるけど書けないんです…。
私は年齢を重ねるにつれ、この現象が多くなってきました。漢字が書けません。
文章を手書きしないで、パソコンやスマホ、タブレットばかり使っているからでしょうか?いえ、単にボケの始まりだって噂もあります。(こういう事を言うのは大抵、娘のアズキ)
おママはアルツハイマー型認知症歴11年です。昨年あたりから怪しくなっていたのですが、今年に入ってますます字を書くのに四苦八苦するようになりました。読める字も少なくなってきた感じがします。自分の氏名でさえ、冴えていて調子のいい時はスラスラ書けるのですが、見本を見ないとダメな事もあります。
やはり、読む方がマシなようです。
*文字である事を忘れる?
おママの貼り絵の中には文字を含んだ作品が結構あります。
それらを見ていると、時々疑問に思うのです。
①文字を文字として認識した上で使っているのか?
②図形や模様としてデザインに組み込んでいるのか?
もし②の後者であれば、おママはその貼り絵を制作している時に、文字を文字として認識していない。つまり、文字である事を忘れているのでしょう。
私が最初にそんな疑念(笑)を持ったのは衝撃の「ぶどんくぱつみる」を見た時からです。⬇️
そもそも文字とは…
「言葉を表記するために社会習慣として用いられる記号」(goo国語辞書、小学館提供デジタル大辞泉より)です。
この貼り絵の場合は完全に言葉を表記する気は無かったようです。
⬇️ こちらは②の作例で完全に文字を模様と考えてるようです。ただ、印章や屋号のロゴはそもそもデザイン化された文字だから、 文字に見えなくても仕方ないのかも知れません。
⬇️ こちらは①の作例。おママは「福袋」は読めませんでしたが、「夢の」はしっかり読めました。
*アルファベットはどっちですか?
おママが下の⬇️折り紙を見ながら、『ABCの歌』を歌った時、私はちょっと驚きました。アルファベットは模様や図形に見えても不思議ではなかったからです。
長年、おママの日常生活の中では、英語やアルファベットはそれほど使ったり読んだりする環境ではありませんでした。
それで、私はふと考えました。アルファベットが連なって並んでいるから、歌に助けられているから、おママは文字と認識しているのかも知れない…。
それなら、26文字を全てバラバラに切り離して、音の「エー」なら文字の「A」と照合できれば文字として認識しているのではないか?
いつかママにやってもらおうと、私は機会を窺っておりました。(^O^)
7月25日の午後、
おママは「何もやることがない」と言いながら時間を持て余して、ロッキングチェアにもたれかかっていましたから、「あそぼー」と誘ってみました。
バラバラのアルファベットを前に
「エーはどれかしら?」「ビーはどれ?」と順繰りに探してもらいました。すると、おママは『ABCの歌』を歌いながら正解していきました。V 〜 Z は少々怪しかったのですが、他は O と Q を間違えてくらいです。
それだけでなくたまたま D O G が並んでいたら、
「DOG(ドック)ってなんだったかしら?」
というではありませんか⁉️ 犬ですよーーー!
今のおママにとって、アルファベットは紛れもなく文字でした。
それならば毎日読み書きしていた平仮名、片仮名、漢字は文字なのでしょう。
時々おママは「文字が言葉を表す記号」という認識が欠落しているとは思います。でも、まだ基本的には文字を文字として認識できているのではないか?
ここまでが既に私の希望的観測かも知れませんが、この先もなるべく長く、おママにとって文字は文字であってほしいと思います。
(やっぱり、書いてもらった方が良いかしら?)
スパルタ チャーコ は画策中です。
⬆︎せっかく切ったアルファベットなので、順番にハガキの上に貼ってもらいました。
バックに使ったのはこの包装紙です。⬇︎随分前から実家に有ったようです。今回、私が選びました。
⬆︎山梨の澤田屋さんの葡萄讃菓というお菓子の包み紙です。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。