アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

のびたバス

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(2018年7月16日  アルツハイマー認知症の診断から約11年5ヶ月)

 

2人でおつかいに行きました。

暑い日でしたが、運動不足気味のおママは出掛けたいようです。

はいはい、お伴しましょう。お遣いに行くのね。

正午近くの炎天下に、私はおママと買い物に行きました。

暑くて暑くてウンザリしている私をよそに、おママは結構楽しげでした。

(ふぎよぎょ…(°_°))

 

駅前にはバスロータリーがあり、スーパーはその先にあります。

私達がその辺りに差し掛かると、折しもバスがロータリーに入ってきました。

目の前をグルーっとカーブしながら通り過ぎるバスを見て、おママは驚愕の声を上げたのです。

 

 「あらっ‼️ どうしたのかしら⁉️」

「はぁ?何が…?」

「あの車…、どうしてあんなに伸びちゃったの⁉️」

おママはロータリーのカーブに沿って走るバスを指差しながら言うのです。

「えっ…⁉️」

固まっているおママを見て、私は夏なのに凍りつきましたよ…。

「あれはバスよ…。バスはたくさんお客さんが乗るから車体が長いの…。」

「そうなの? あら、私、そんなのがあるなんて、知らなかったわ。」

 

間違いを誤魔化すでもなく知識として素直に受け入れるおママに、私は戸惑いを覚えました。

 

カーブを走行するバスの車体がビヨ〜ンとゴムのように伸びいたのかも知れません。目の錯覚でそう見えるのは分からなくはないです。

 

これはジジに聞いた話ですが…。

おママは存在しない虫が這っていると言い、床を叩きながら追っていた事があるそうです。それも今年の話。

本来ない物(人や生物の場合もある)が見えたり、違う物(人や生物の場合もある)に見えたり…。そのような幻視や錯視はレビー小体型認知症の特徴です。それがアルツハイマーのおママにも極たまにあるようです。

 

冷静に考えると、認知症の症例だと納得できますが、おママの言葉を聞いた直後、私はいつになく動揺してしまいました。

 

おママはわりとバスが好きだったのに。

車窓から町を見ているのが好きだったのに…。

私は子供の頃からよくバスに乗って、おママと都会へ買い物に行ったのに…。

そのバスが分からなくなっちゃうなんて ‼️ (T_T)

 

でも、おママは実際どのように見えていたのでしょうか?

クレーアニメのように、

普通乗用車の車体がビヨ〜ンと伸びてバスに変化するとしたら…。

その変化を私も見てみたいです。(^O^)

 

本日アップの貼り絵

どんだけ甘いものが好きなんだか⁉️

と言ってもおママにそんな意図はないです。その貼り絵のパーツの元なんて記憶にないでしょう。(^。^)a

 

この貼り絵には以前にも登場した「カエルまんじゅう」とお中元に頂いた水羊羹のラベルが使われています。

デザインの肝は透明な水羊羹のラベルを他のパーツに重ねたところにあるのかな…。

「水ようかん三昧」の下にある短冊を何から取ったのかは不明です。でも、 雰囲気ぴったりで高級感が増したようです。(^O^)v

赤い小さな花模様のパーツは、以前他作品の制作時に発生した切れ端です。

おママはこんな小さな欠けらみたいな物も貯めていて、何かの時に使っています。

 

私としては、カエルさんの顔の下に残っている「みんな笑顔で でむカエル」がこの貼り絵のテーマのように感じます。

  

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⬆️ 水羊羹のラベルの使用例です。

 

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 ⬆️ おママ、お悩み中。 

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 青柳ういろう | 青柳総本家 公式サイト

 

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 透明な素材を生かした作例です。「スケルトン丸房露」

 

 おママの貼り絵を見て下さりありがとうございます。