(2018年9月25日 アルツハイマー型認知症の診断から11年7ヶ月)
*得意分野でも…。
おママは一昨年の秋頃から料理はできなくなっています。でも、アルツハイマー型認知症になっても、食器洗いはお得意でした。
この、「でした」と言い切れるような、言い切れないような、そこが悩ましいところです。
今まで、洗い上げた食器を濡れたまま食器棚に入れる事はよくありましたが、洗う事自体はキチンと出来ていました。
しかし。2ヶ月くらい前から、それが怪しくなったのです。
*洗わない⁉️
私が昼前に実家に着くと、台所には朝の汚れた食器が置いたまま。そんなことが何回か続きました。
しかし、いつもではなく、ちゃんと出来る日もあるのです。
*油まみれ⁉️
おママが洗った食器を手にした時、妙に滑るような嫌な感じがしました。私は食器と自分の手をよく見ますと、油汚れがべったり残っています。
しかし、いつもではなく、ちゃんと出来る時もあるのです。
*見張っていると
11月はそんなこんなが続いたので、私は昼食後におママが食器を洗う時に何回か側で見守ってみました。おママにしたら見張られるようで嫌な感じでしょう。
(ごめんなさいね。)
1度目の時は、
油でギドギドしていても、おママは洗剤をつける気が全くなかった⁉️
また別の時は、
「油汚れには洗剤をつけてね」
と私に言われたおママは、
「知っているわよ」
と言いました。そして、皿に洗剤を直接ダーッと出して、掌で直にこすり洗いを始めたのです。私がショックを受けて
「お母さんスポンジを使ってよ」
と大きな声を出したら、
おママは平然と言いました。
「あら、私はずっとこうして洗ってきたのよ」
本当はスポンジで洗剤を泡立ててから、こすり洗いしてました。おママは洗剤の使い過ぎには気を付けていましたから。
おママの掌は洗剤と油汚れでドロドロになりました。(°_°)
でもね…。
ちゃんと出来る時もあるのです。(^O^)
この出来る時と出来ない時って、脳味噌の動くメカニズムは、
何がどう違うのか~⁉️ (°_°)
*作戦を立ててみる
つまり、もう、おママに汚れが激しい鍋や、こびり付きや油汚れのひどい食器は任せられないと、私は判断しました。
調理に使用した鍋などは、調理が終わり次第、私が食べる前に洗って仕舞いましょう。食器は昼食後におママが台所に入る前に私が洗ってしまう手もあります。
(おママの仕事を奪うようだけど、仕方ないかな…。)
安直ではありますが、そんな風に思いました。
*やはり折衷案で
そんな事を考えながら、私は昼食後早々、台所に立ちました。
すると追いかけるようにおママもやって来て、
「あら、あなた、そんな事しなくていいのよ。私がしますから、置いておいて、あなた、そんな事、いいのよ」
と言い募りました。
やっぱり…。
おママは自分のやれる仕事はやりたいのね。
まぁ、人として、おママの気持ちは当然の事でしょう。私の思惑は完全に私の都合ですから、少し考え直してみる必要もありそうです。
私は洗剤のついたスポンジでフッ素加工のフライパンを擦りながら思案しました。
(私が洗剤で汚れを落として、おママにはすすぎをしてもらおうか。
ちゃんと洗いたい私と、お仕事をしたいおママ。丁度いい落し所ではないか…。)
「じゃぁ、交代ね。バトンタッチよ。」
「バトンタッチ⁉️」
おママは笑いながら食器についた洗剤を流し始めました。
最近はこのバトンタッチ方式か、鍋などは料理ができてすぐに私が洗い、おママには洗い易い食器だけ、食後に残すようにしています。
少しでもおママが仕事を続けられるように工夫していかないと、結局何も出来なくなってしまいそうですもの…、ね…。
*本日アップの貼り絵
春頃に作業机周辺から見つけた不思議な紙を使っています。
中央の緑色は、おママは認知症になる前に自分で染めた紙を切ったものです。
⬇︎同じ紙を使った仲間です。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。