(2019年1月21日 アルツハイマー型認知症の診断から約11年11ヶ月)
*完成までには
トップの⬆︎写真を一見すると、ウルトラマリンブルーの背景に赤から黄色系のパーツが配置された、華やかな貼り絵です。
でも、この貼り絵は、今現在のおママが苦心を重ねて、ようやく完成した作品です。
初めておママがこの作品に取り組んだのは1月14日の午後でした。
そして、完成した日は1月21日。丸1週間後です。
この間ずっと、この貼り絵に取り組んでいたわけではないでしょう。おそらく1月14日に一旦諦めた貼り絵を、1週間後に自分で発見して完成したのだと思います。
それでも、ブランクを超えて完成させる事が出来たのは幸いだと思います。
*苦心 その1
1月14日、月曜日の午後。
私が最初に目撃したのは、ちょうど背景を貼り終わったところでした。
夜空には星のように横文字が描かれて、彼方には地平線が広がっている…。
元が何だったのかは不明ですが、おママは1枚の風景写真(絵かも?)をハガキ全面にベタ貼りしていました。
ちょっとビックリしたのですが、おママが悪戦苦闘した名残が顕著に見て取れるのです。
昨年あたりまで、おママはハガキ全面に、紙を平に均一に貼る事が出来ました。
でも、最近その作業が少々難しくなってきました。トップの写真は光の加減で実に背景も綺麗に映っていますが、⬇︎の写真を見て頂くと、おママの苦心のほどが分かります。
私はこれだけでも少々ショックでしたが、
しかも左右の端が均等でない。シンメトリーにこだわっていた人ですから、以前のおママなら、これは容認できないミスだったはず。
でも、おママは画面の下部に地平線を意識して配置していました。
この時、おママが既に貼り絵の構成を決めていたかは分かりませんが、
広大な夜空と大地の境目を生かそうと考えていたようです。
「夜空ですね。素敵ですよ。」
「そうなのよ。」
おママの表情には達成感がありました。もしかしたら、背景を貼るだけで完成にしてしまうのではないか⁉️
(まぁ、それも良いかもね。)
ここまで貼るのだけでも相当お疲れでしょう。
裏面⬇︎です。
*苦心 その2
それから10分後、私はまだ作業机で貼り絵をするおママの手元を覗いてみました。
「あら、面白いですね。夜空に星の光が広がったようですよ。」
「そうなのよ。でも、難しいのよ。」
そう言いながら、おママは夜空に黄色系の鋭角三角形を、扇型になるように配置していました。
「何が難しいの?」
「空に字が書いてあるでしょう。それをいい感じに、これとこれ(鋭角三角形同士の)間から見せたいの。」
鋭角三角形で綺麗な末広がりの扇型を作りたいけど、背景に描かれた文字も見せたい…。私はなるほど❗️と思いました。
おママはその作業に15分ほど没頭していましたが、だんだん堂々巡りをしてしまい、脳味噌を使いすぎたのか、
「頭が痛いのよ。なんだか今日はダメみたい。フラッフラなのよ」
と、断念したのです。
その後、この貼り絵は途中のまま行方不明になり。貼り絵ファイルにも無く、作業机の上にも見当たりませんでした。
(さては、まとまらないまま、どっかにしまい込んだのね。きっとお蔵入り。)
(^_^;)
*苦心 その3
ところが、1月21日(月曜日)になって、行方不明になっていた作りかけは突然姿を現したようです。おママはきっと作業机周辺で発見したのでしょう。
14日の記憶はないと思いますが、おママはあの時と同じ鋭角三角形を扇型に広げる構成を考えました。今度は文字はあまり意識しなかったようですね。
それでも、すべてのパーツが地平線の上に配置しているので、空に広がる光の印象を表しているのかもしれません。
以下は私が実家に着く前の事で、ジジからの伝聞です。
おママが貼り絵を完成させた時、扇型の根元の⬆︎赤丸を付けたパーツ(白とピンクの市松文様)は無かったそうです。
ジジはその箇所を物足りなく感じて、
「ここに何か付けた方が全体が締まって良いんじゃないの」
と、おママに進言しました。(^_^;)
おママは作業に戻り、しばらく悩んで加えたのが、ピンクと白の市松文様でした。
色、大きさ、調和…。おママなりに苦心を重ねたのでしょう。
こんなに悪戦苦闘をして完成させた貼り絵は、最近珍しいですね。
おママ、お疲れ様でした。
今回、書いていて思ったけど…。
これ、1月の『月末企画❗️今月のイチ押し‼️』にしても良かったなぁ。(^O^)
2年前の記事です。⬇︎ベタ貼りの成功例です。
⬇︎おママは扇型、末広がりの構図が大好きです。これも一昨年の記事です。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。