アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

健康診断狂騒曲 前編

f:id:harienikki:20190316000110j:plain

(2019年2月3日  アルツハイマー認知症の診断から約12年)

 

今日いくよ。

2月4日午後の事です。

この日は天気で暖かかったからでしょうか?  ジジはなんだか張り切っていました。

 

「薬はなくなったし、年度末までだから今日、おママと一緒に行ってくるよ。」

 

ジジとおママが住んでいる所では、毎年「ご長寿検診」という自治体が助成する高齢者対象の健康診断があります。これは少しの自己負担で、血圧、血液検査、心電図、レントゲン、尿検査を、近所のかかりつけ医のクリニックで受けられるのです。

ありがたい事ですねぇ。

 

「私も一緒に行きましょうか?」

「大丈夫だよ。」

 

夕食作りをする私を気遣ってくれているようにも見えますが、

ジジは何処と無く軽く考えていないか…?

私は早めに煮物を作って、再度確認してみました。

2人ともレントゲンや心電図があるようです。

 

「お父さんが心電図やレントゲンを撮っている時、おママはどうしているの?」

「一人で待ってるよ。」

「どこで?」

「診察室だったかな?待合室だったかな?」

 

一年前と現在では、おママは大違いです。今はジジが見えなくなって1人になったら不安で不安でおママはどうなるか分かりません。

 

「待合室におママ1人にするのはムリ❗️」

 

それに、おママも着替え等あるのだから、1人でやっていたらものすごく時間がかかるでしょう。

それで、私もお供する事になりました。

 

うっかりチャーコ

出掛ける用意をしていると、何気におママがトイレに行くのが見えました。私はちゃんと済ませるおママを偉いと思いました…。

そして、おママが玄関で再び、「おトイレに行くわ」と言うのを見逃してしまいました。つまり…、健康診断へ行く前に、おママは2度もトイレに行ったのです。

 

「尿検査も有るのに❗️」

 

ジジに言われて大失敗に気がつくんだから、私もヤキが回ったものです。

そこでブツブツ言うおママにコーヒーカップ一杯の白湯を強引に飲んでもらい、出発しました。

 

クリニックに着くと、空いていたので直ぐに始まりました。

まずは…、当たり前のように看護婦さんから紙コップを渡されました。

「芙貴子さん(おママ)のお小水をお願いします。」

私はおもわず目を泳がせていたようです。看護婦さんに怪訝な顔をされました。

 

「あの…、うっかり出掛けに2度もトイレに行きまして…、それで慌ててカップ1杯の白湯は飲ませたのですが…。今は絶対に出ないと思います。」

 

「それならコップはお預けしますので、検査が終わったら採尿して下さいね。」

「は、はい…。」

 

検査終了まで、ものの30分くらいでしょう…。

自分の身体じゃないから何とも言えませんが、飲んだ水分が直ぐにお小水として出るとは思えませんでした。

因みにジジは自分でコップを受け取り、サッサと済ませていました。

 

診察室にて

健康診断はジジから先に受けました。

そして、少し待合室で待機し、直ぐにおママの番になりました。

まずは血圧測定から。

上127下74。

おママは血圧の薬を飲んでいますが、数値的には優秀だと思います。掛かり付けの先生からも 褒められて、嬉しそうでした。(^O^) そして採血。

 

それから先生は言いました。

「太郎さん(ジジ)のことですが…、ここ5年で3キロ痩せました。」

「ほぅ…、5年で3キロですか…。」

(私は5年で3キロ以上は太ったわ。)

 

私は一瞬放心状態になりましたが、気を取り直しました。

「私の印象ではここ数年で、身体が急に小さくなったように思います。3年で3キロくらいかと思いました。結構食べてはいるんですが…。」

 

そうですね。これは筋肉が落ちたからだと思います。それでお二人は食事をどの様に摂ってますか?」

私は先生に聞かれた事が理解できませんでした。どのようにと言ったって…。

 

「2人とも食事は自分で箸を使って食べていますけど…。」

 

明らかに物分かりの悪い私に、先生は呆れているようでした。

「そうではなく、献立など食事の管理はどうしていますか⁉️

本人達に任せて、好きなように食べさせていませんか?」

そういう事か…。

「土日と毎日の朝御飯は本人達に任せていますが、月水金の昼と夜は私が作り、火木の昼はしてデイサービスで食べ、夜は姉(オネコ)が作って届けています。」

「土日くらいなら良いですが、筋肉が落ちないように、日頃から動物性タンパク質を多く摂るようにした方がいいですよ。」

「はい。しかし、同じように食べていると母(おママ)が太ってしまいます。」

「そうなんですよね…。」

 

食べ過ぎちゃいけないおママ。

特にタンパク質を多めに摂らなきゃといけないジジ。

 

実際、盛付け段階であからさまに量や品数に差をつけると、おママは「どうして?」と気になり、何度も私に尋ねるでしょう。しかし、説明を聞いても、たちまちに忘れてしまうのです。そして「どうして?」の無限ループにハマってしまうと、食事どころではなくなりそうです。(¬_¬)

 

そして、次なる検査の前に…。先生は言いました。

 

「太郎さん(ジジ)が先に心電図を取るので、準備が整うまで待合室で待っていて下さい。」

やっぱりね。

案の定です。ジジが心電図やレントゲンを撮っている間、おママは待合室で待機となりました。

うっかり屋の私ですが、やはり付いて来て良かったと思いました。

 

待合室のおママは落ち着きがなく、「なんでここにいるの?」「お父さんは?」を繰り返していましたから。(^O^)

 

何だか波乱含みの健康診断ですが、後編に続きます❣️

 

 

本日アップの貼り絵。 

 以前も登場している、阿部蒲鉾店の包装紙を使いました。

f:id:harienikki:20180814230855j:plain

 

www.abekama.co.jp

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます・