アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

手作りジグゾーパズル作戦❗️失敗の巻⁉️

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(2019年2月13日  アルツハイマー認知症の診断から約12年)

 

簡単手作り

昨年、デイサービスのスタッフさんが家庭訪問をして下さった時、手作りのジグゾーパズルの作り方を教えてくださいました。

 

①写真や印刷された絵などを用意する。出来ればコピーをしておく。

(私のイメージではB4くらいが良いかしら?)

②裏表の全面に幅広の透明な粘着テープを貼りつめて丈夫にする。

③適当に曲線直線を混ぜて切り分ける。1ピースの大きさや個数は遊ぶ人の能力や好みに合わせる。

④コピーを見ながらパズルをして遊ぶ。

 

高齢の方で認知症があったりすると、市販のパズルが難し過ぎる場合もあります。この手作りジグゾーパズルなら、大して費用は掛からないし、丁度良いパズルができるのです。

「御本人も切るところから参加すれば喜ばれます。ふき子さんの場合は、大きめにプリンターで印刷した太郎さんのお写真を使うのも良いかもしれませんね。」

スタッフさんの言葉に私は膝を打って喜んだのです。

(おママ向きじゃないか‼️)

例えば、壁掛けカレンダーの写真の部分を使っても面白いかも。

 

(おママならパズル遊びの後はピースを貼り絵の材料にしてもらったら一石二鳥。

しかも両面を透明テープで保護する必要もなし❗️

いつか、やってみよっと‼️)

 

 冬の午後に

少し前の事になりますが…。

2月8日の昼過ぎに、寒くておママは全般的に意欲は皆無。まぁ、私もこの頃は脳味噌が凍えて痺れていましたから、人の事は言えませんでした。

しかし、暖かいエアコンの風に当たりながら、ぼーーーっとしているおママを見ると、このまま完全に廃人になるのではと不安にかられました。

それで、私は例の作戦を試みようと決心しました。(大袈裟…。笑笑)

 

良い絵か写真のついたカレンダーはないものか?

見つけたのが⬇︎こちら。電気屋さんから頂いた昨年のカレンダーです。

モイーズ・キスリングの『花瓶のミモザ』ですって❣️

この鮮やかなイエローがおママの好みに合うんじゃないか?

 

私がこのカレンダーを撮影してから、絵の部分だけ切り抜いていると、おママは急に興味を持ったようです。

「なになに?それどうするの?きれいだわ。」

「お母さん、これでジグゾーパズルを作って遊びましょう。」

「へぇ〜。」

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気がはっきりしたのは良いが…。

「ジグゾーパズルって?どうするの?」

「この絵を切り分けてバラバラにするの。それを組み合わせてもう一度、絵にするのよ。」

デイサービスで散々ジグゾーパズルをやっているはずですが、完全にお忘れになっているのは仕方のない事です。しかし、「切り分ける」という言葉におママは反応しました。

「なんで、そんな事をするの?きれいなのに。」

「パズルを作るには切らないと…。」

「どういう風に切るの?」

「お母さんのお好きなように…。」

「どうしても切らなきゃいけないの⁉️」

おママの雲行きがあ怪しくなってきました。

「切るとしたら、お母さんならどう切りますか?」

おママはじっと絵を見つめてから、キッパリと言いました。

「真ん中から真っ直ぐに切る。それしかないわよ。」

思い決めたら、おママは行動が速かったのです。⬇︎半分に切ってる最中。

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 真っ二つに切ったおママは言いました。

「本当にきれいだわ。あなたに半分上げるわね。私はこれ以上切らずに取っておくわ。あなたの分は好きなようにして、持って帰って良いわよ。」

「あ、ありがとうございます。」(°▽°)

ふと思ったのです。おママは「花瓶のミモザ」という絵を絵という認識で見ていないのではないか?

何が描いてあるかではなく、漠然ときれいな色だなとか、きれいな模様だなという風なのかもしれません。

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 その後、私の貰った(⁉️)半分を、私が大まかに切り分けて一応パズルはやってみましたが、おママは余り気乗りがしなかったようです。

そして、この日は貼り絵もしませんでした。

考えてみれば、認知症のおママは私の意図通りに動いてくれるとは限りません。

いえ、思い通りにならない方が多いのですから、最初から私が間違っていたのだと思います。

 

ジグゾーパズルは失敗の巻でしたが、それから5日経ってからおママは上の貼り絵を制作しました。それは私のいない時でした。 

おママは私が切り分けたジグゾーパズルのピースだという事は忘れ果てていたでしょう。それを更に分割して構成したようです。

 

更に7日後に

もう、私もこの『花瓶のミモザ』について思う事もなくなっていたのですが、更に7日後に、おママはもう一枚「ミモザ」で貼り絵を制作しました。

それは、突然引き出しから鮮やかな黄色の四角いパーツを見つけたから、始める気になったようです。

⬇︎ハガキの中央を意識して、おママは定規で測って点を打ちました。(長い辺の中央、上下とも小さい点が見えます。⬇︎)

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(2019年2月20日 アルツハイマー認知症の診断から約12年)

 

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 昨年までは時々定規を使っていましたが、今年に入ってからは珍しいです。

まだ定規で測って中央点を打つということが出来るのですね。感慨深いです。

 

ジグゾーパズル作戦は失敗の巻でしたが、

それなりに貼り絵の材料にはなったようです。(^O^)

 

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この時のイメージを描いたのですが、おママのセーターが全然写真と違いましたね。σ(^_^;)

もしかしたら、私はおママと接する時に、こんな意地悪そうな顔をしているかも知れません。自戒を込めて描いてみました。(^O^)

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。