おママは2004年の秋に初期の肺ガンが見つかり、手術しました。
それ以前から物忘れはあったのですが、これを機にどんどん酷くなっていきました。因果関係は分かりません。
(2006年頃 診断前)
この頃、おママは可愛らしい図形が型抜けるクラフトパンチに凝っていました。その図形を組み合わせて、ハガキの上に並べて貼り絵にするんです。
娘のアズキはまだ小学生でした。よくおママとクラフトパンチで遊んでいました。
我が家に帰りしばらく経つと、おママから電話が掛かるのです。
「アズちゃんが渦巻き型のパンチを持って行ったんじゃないかしら?無いのよ。」
これは濡れ衣でした。何度説明しても、おママは毎日のようにこの件で電話をしてきました。
同じ文言で同じ口調で、それはリピート再生のようでした。
そこには強烈な拘りがあり、私は随分閉口しました。