妻がアルツハイマー型認知症と診断された夫はどのように思うのでしょうか?
ジジの場合、
「なんとか元に戻って欲しい。治って欲しい。」
と強く思ったそうです。
この思いは2007年1月末からずっと続き、2016年の夏頃でも、
「今だって、治って欲しいと思ってる!」
と、言っていたのです。気持ちは分かる…。
でも、ジジには非情な事ですが、それは叶わぬ望みです。
(2017年1月14日 診断から約10年)
それで、いまだに、おママに過度の期待をしているのです。
「お米を研ぐように言っといたから、やってると思うよ。」
「お昼にお汁を頼んだから、今頃、出来てるかな〜?」
なんてね。おママは5分と記憶が持ちません。
言えばやってくれるは通用しないのに。
この点、娘はドライなんでしょうか?
どうしようもないと腹をくくれば、女の方が割り切るのは早いかも知れませんね。
姉も私も、診断の日に望んだ事は、次の事です。
おママの進行が緩やかであって欲しい。
1日でも長く我が家で介護状態にならずに過ごせますように。
10年を振り返れば、これは充分に叶えられたし、私達は恵まれていたと思います。
ところで、今日の夕方、嬉しそうにジジが私に寄ってくるのです。
「今、見たらね、言わなくても自発的にお米を研いでたよ〜!」
おママは最近、冴えてると大層な喜びようです。
ごく稀に、おママは自発的にお米を研いだり、お汁を作ることがあります。
夕方になると、50年以上にわたる主婦業の血が騒ぐのでしょうか。
だから、ジジは叶わぬ望みが捨てられないのかも。