アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

めぐり

     お風呂に入ると血の巡りが良くなると言われますが…。おママも風呂上がりはサッパリして、全身活性化するようです。

   いつものように1人でお風呂に入ったおママは、洗っているかどうかは定かではありません。しかし、よく温まったのでしょう。血の巡りは確実に良くなったようです。(笑)

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                         (2017年1月25日  診断から約10年) 

 

  その風呂上がりに、おママはテーブルの上を見て、偶然ハガキを1枚見つけました。
この日の昼間からずっとテーブルの上にあったのに…。

目にも入らず気にも止めてなかったのに!

それは銀行から送られてきた、貸金庫の年間使用料を口座振替するお知らせです。
字を書くのも難しくなっているのに、この夜は妙に内容が読み取れてしまいました。

「何よ、これは⁉︎」

ジジが風呂から上がるのを待ち構えて、問い詰めました。

「何でこんなものが送られてくるのよ!」

   ジジがその説明をしたのですが、なかなか納得しません。2人は何十年も前から、その銀行の支店にある小さな金庫を借りていて、大事なものを入れていたのです。

おママだって長年使ってきているのに。

「金庫を借りるだけで、こんなにお金が掛かるなんて、勿体無いわ!」
「必要ないわよ。私がたいてい家にいるのよ。家に置いておけば良いじゃないの!」

説明が終わる頃には、説明された事を忘れます。

手にしたハガキを見て、最初の質問に戻ってしまいました。

堂々巡りの口撃が2時間続いたそうです。

「いや、参ったよ。それから眠れなくなってさ〜。ハガキを取り上げるのも大変だったよ。」

ジジ…、災難だったわね。

この件、オネコに話したら、
「まともに付き合わないで、『そうだね、勿体無いから明日解約してくるよ。だからハガキを貸して』と言えば2分で終わったわよ。嘘も方便でしょう。」
と的確なご指摘。
結局、堂々巡りが始まると、お互い心身ともに消耗戦になりますから。うまくかわして回避するのがベストでしょう。

 

  そんなこんなをジジ、オネコと話しながら、私はふと別の事を思いました。
今年に入って、やけに素直でジジを悩ますことがなかったおママ。
ついに自らの感情も薄れてきたのか?

私はそれが認知症の一歩進んだ状態かも知れないと思っていました。
ところが、今回のジジの災難です。

もともと診断の時に、脳の萎縮より血流低下を指摘されていたのです。
やっぱり、血行が良くなると、症状は良くなるんだ〜。そりゃぁ、嬉しい!

せっせと入浴してもらいたいわ!

でも、風呂上がりはジジにとって、確実に要注意の時間帯になりますね〜。(笑)