このところ現在の暮らしや、貼り絵制作に関する話が続いていました。
でも、過去の事も少しずつ書いていけたら良いなと思います。
おママ自身はどんな思いでいたのか? 私は気になります。
ただ、10年前の心境を現在のおママに聞くのは無意味です。いまや、5分前の記憶も定かではないのですから。
(2007年6月 診断から4、5ヶ月)
あの頃、もっとおママの心に寄り添って、聞いてあげるべきだったのか?
おママはいつ頃から自分の病気について忘れ果てたのかも、今となっては知りえません。
その点、後悔の念もあります。
結局は、当時、娘である私達が何を思い、どう受け止めていたか。
それしか書けないと思いました。
高齢者の範囲に入りますが、80代でお元気な方が多い昨今です。実際、84歳で亡くなったおママの母親は、その前年まで元気に銀座へお買物に出掛けていました。
それに比べても、
早すぎないか?
あんなに診断されてアリセプトを飲んで欲しいと熱望していた私。
実はこの頃、かなり落胆していたし、この先を考えて不安でした。
今振り返れば、おママの人生が終わってしまったような気持ちだったのでしょう。
しかし、この年(2007年)の初夏に、私は考えを改めました。
たとえ、アルツハイマー型認知症の診断を受けても、生きている限り、必ず明日が来て、明後日になります。終わりではないのです。
実際、おママの場合、数ヶ月、半年経っても、ほぼ変わらぬ暮らしが続いていました。
オネコが近くに住み始めても、ジジとの2人暮らしに変わりはありません。
おママは時間の経過とともに自分の病気を忘れていくようでした。
そして、マイペースではありますが、本人はやるのが当然と思って、家事や御三どんをしていました。
(2007年6月 診断から4、5ヶ月)
どこまでいけるか⁉︎
記憶力は非常に危ういが、長年培った家事能力は健在です。本当に出来なくなったり、やりたくないと言い出すまでは…。続けてもらおう。
当時、私の家から実家まで、5路線を乗り継ぎ、所要時間は1時間半以上でした。
落胆だ不安だと思うわりには、手も足も出さない。今思えば無責任な娘でしたわ。
多少罪悪感もあったのですが、電話でジジから貼り絵を毎日やっていると聞き、少しホッとしていました。
貼り絵は家事と同じように、発症以前からおママの日常に組み込まれた活動だったから、続いたのかも知れませんね。