(2011年3月10日 診断から約4年1か月)
あれは寒い日でした。
朝はそうでもなかったのに、昼前から空はどんより曇りだし、芯から凍えるような日。
午前10時頃、私は実家近くの細い小路を歩いていました。
すると不思議な事に、前の風景がまるで陽炎のように、ゆらゆら揺らめくのです。
一瞬、私はふらつき、
(目眩かな?)
と思いました。悪い胸騒ぎとともに、景色の揺らぎは数秒続いて治ったのです。
後になってみれば、これは予兆ではなかったか?
地磁気の揺らぎではなかったか?(笑)
そう、思います。
しかし、これを言うと家族はまともに取り合ってくれないどころか、
「気のせいだ」
「目が悪いから」
「更年期じゃない?」
と、散々です。
まぁ、気のせいとしても、
この事があったから、私は実家であの時を迎える事になったのです。
あの東日本大地震の日。
金曜日でしたね。
毎年3月後半はとても仕事が忙しいけど、束の間のゆとりを感じていた11日。
私は2時半くらいで早退し、帰りに行きたかったお店に寄ろうかと計画していました。
お買い物をしたかった!
午前中は忙しく業務を片付け、昼食はジジとおママと普段通りに済ませました。
早退しようと思えばできたのですが…。
あの風景の揺らぎと胸苦しさが頭をよぎりました。
「寒そうだ…。5時まで仕事して真っ直ぐ帰ろう。」
私は2時半に決めました。
そして、Wordを開いて新たな文書作成に取り掛かったのです。
おママは機嫌よくしているようです。
ジジは昼食後は仕事をする気もなく、2階の自宅でテレビを見ていました。
そして2時46分…。