昨夜、その第1回として「ドキュメンタリードラマ 母、立ちあがる」が放送されました。
(2017年3月12日 診断から約10年1ヶ月)
鳥取県にお住いの藤田和子さんは2007年45歳で若年性アルツハイマーの疑いありと診断されました。そして、一年の経過観察の後、アルツハイマー型認知症の初期と診断されだそうです。
それから10年経ちますが、藤田さんは今もお食事を作り、御家族と御自宅で暮らしていらっしゃいます。それだけでなく、若年性アルツハイマーの患者が自ら語る活動をなさって、忙しい日々をおくっておいでです。
認知症の患者が、自ら認知症であると認識し続けるのは、難しい事だと思います。おママには無理でしたね…。
藤田さんは若いうちにごく初期で診断されたから、可能だったのでしょうか…。
私からすると、認知症患者が自らの体験を客観的に語る。それはすごい事です。ケアする御家族にとっては、患者の心に寄り添う手掛かりになるでしょう。
私もおママの気持ちを考える上でヒントとなる言葉を見つけました。
診断前の経過観察中、藤田さんはご自分の症状について、こんな思ったそうです。(ナレーション)
『物忘れとは呼べない違和感。何かをした事、言った事がすっぽり抜け落ちている感覚。』
もしかしたら、おママもこんな感じだったのかしら?
あの頃の私はあまり共感する心がありませんでした。不安だったろうね。
おママ、ごめんね〜。
10年経った現在、活動が忙しい時、藤田さんは次のように感じるそうです。(ナレーション)
『やらなければならない事が次々重なると、アクセルを踏み続けているような、脳が焼き切れるような感覚になります。』
藤田さんとは比べものになりませんが、おママも貼り絵に集中した後は、
「頭がガーッと締め付けられるみたいに痛いわ〜」
と言っていますね。
そして、一度に2つ以上の事を人から言われると、ひどい頭痛を訴えます。
『脳が焼き切れるような…』をヒントにすれば、つまりおママの頭もキャパオーバーになり、ショートしそうなのかも知れない。
診断から間もない頃、藤田さんはこう思ったそうです。
『早期診断、早期絶望。そんな状況でした。認知症になったら何も分からなくなってしまう。そう思い込んでいました。』(ナレーション)
そんな事ないですよね〜。
藤田さんも活動を通してそれを伝えようとしていらっしゃいます。
おママのような高齢者のアルツハイマー型認知症もそうです。診断されたからといって、終わりではない…。
認知症は1人1人症状も進行の度合いも違います。おママが例になるとは思えません。
それでも、診断から10年、おママは記憶力こそ弱くなりましたが、その時その時の判断力を頼りにして、日常をおくっています。
『何も分からなくなってしまう』のは、本当の最末期だと思います。
それに、認知症が進んできても、本人はかなり周囲の状況を敏感に感じ取り、よく見ているのではないかしら?
私が口先だけで貼り絵を褒めると、おママに見透かされそうです。
私の親友はお母様(91歳、4年前に中程度の診断、メマリー10mg服用中)を自宅でみています。
彼女、最近LINEでこのような事を言いました。
「で、認知症を進めないようにするには、会話という愛かな。
本当の意志疎通ってところですかね。」
う〜〜ん。胸に深く刻まれるような言葉ですね。
私は笑顔と会話が大切だと思います。
番組を見て強く感じた事。
藤田さんは笑顔いっぱいでした!
そして御家族や周囲といっぱい対話してる!
その精力的な活動の源はその辺にあるのかしら?
今日は少し長くなってしまいました。読んでくださりありがとうございます。
再放送は4月22日(土)午後4時20分~午後5時10分です。