アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

合間のひと時

   3月の後半は年度末という事もあり、私はこの2週間、とてもとても仕事が忙しかった…。

その消耗戦のような日々が一段落して、今日はその残務処理のために実家へ行きました。

 

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             (2017年3月19日 診断から約10年1ヶ月)

 

   思えばこの半月…。おママに声を掛けるものの、ゆっくり貼り絵を見たり話をする事は出来ませんでした。
私がそんな状態でも、おママは貼り絵に取り組んでいました。

 

  ところが、昨日の31日は貼り絵はお休み。

低気圧のせいで頭が痛いのかしら…。
それでもお昼ご飯にスープを拵えたりと、目覚ましく活動的なのにね。

 

  そろそろ、今使っている紙類に飽きてきたかしら?
今日も全くやる気配はありません。あらあら…。

 

  今日の午後、私は昼休みを長めに取って、写真撮影をしました。

勿論、3月後半制作の貼り絵です。
全部で21枚❗️これだけ溜めると作業も大変だ❗️


  まず、スマホで撮影して、すぐにトリミング。すかさずメモにコピーします。

そこに制作年月日と、おママのコメントがあればそれを記録します。
これが結構手間で、時間が掛かかる。


  私がやっていると、おママは嬉しそうにあれこれ話しかけてきます。
(こういう時間が大切なのよね…。)
分かっているけど、時間に限りがあると、気が急いてしまいますね。

 

   今日は良い事にオネコもいつもよりゆっくり時間をとって来てくれました。

そして、お宝(おママがしまい込んだまま忘れ果てた紙類)を物色して、目ぼしい紙を発掘してくれました。

「あらっ、こんなのどうかしら?」
「この包装紙はどこのだったのかしら?」
「これは伊東屋で買ったみたいね〜。」
レースのように繊細な和紙を見て、おママは
「使えるかしら?」
と気にしたり…。

  そんな、おママとオネコの楽しげな話を聞きながら、私は順調に写真撮影を終えることが出来ました。

その時、おママが突然言うのです。

 

「ねぇ。これ(薄手の和紙)が上手くいくかどうか、これから皆んなで(貼り絵を)やってみましょうよ。」

 

  オネコも私も、
あ〜〜っ。そこまでの時間はないかな〜。

 

  オネコは
「私はお母さんのように上手には出来ないわ」と言い、
私は
「それほど時間がないの」
と断ってしまいました。

おママはちょっとがっかりです。

でも、どうしようもない。仕事が終わらなければ、今日出社した意味がないもの。

 

  本当は一緒に出来れば良かったな…。
そうしたら、おママのモチベーションも上がったかも知れない。

 

  胸に小さな悔いが残った。そんな午後のひと時でした。