(2017年4月6日診断から約10年2ヶ月)
夕方6時、そろそろ帰ろうと2階の実家に上ってみると、おママが台所に立っています。
何やら片手鍋でお汁を作っているみたい。最近本当に頑張っていますね。
👏👏👏👏👏👏👏👏
おママが台所でやる気になるのは嬉しいのですが、手放しでは喜べません。
おママがガスコンロの前に立つと、私は非常に気になります。
火傷しないか?火を出さないか?危険はいっぱいです。
それで、露骨に見張るとおママも不愉快でしょうから、俎板を洗いながらチラチラ見ていました。
おママは人参、玉ねぎ、椎茸などを片手鍋で煮て、
鰹の削り節をバサっと投入しました。
(昔は削り節を沸騰させないようにしてだし汁をとり、丁寧に濾したものですが…。入れっぱなしにすると味が落ちると教えてくれたのはおママでしたね…。)
私が感慨にふけっていると、おママは探し物を始めるのです。
「ないわ〜。どこに行ったのかしら?」
「何を探しているんですか?」
「あれよ、あれ。あー、あれなのに。どうしよう。」
おママの探している「あれ」の検討はすぐつきました。
「お醤油ね。」
「そうそう。」
2人でしばらく探したら、醤油注ぎは食器棚に鎮座していました。
その後すぐに、私は御不浄(トイレ)へ行き戻ってみると、⁉️
台所には煮立った片手鍋だけで、おママの姿が見えない⁉️
(こりゃいかん❗️目を離した隙にいなくなったわ‼️)
おまけに耳の遠いジジはダイニングテーブルで新聞を読んでおります。
沸騰する鍋の音は聞こえません。取り敢えず、私は火を止めました。
案の定、おママは自分の作業机で貼り絵の続きをやろうとしていました。
「お母様、お鍋に火がかかっていましたよ。お汁を作ってしまってから貼り絵をなさったら?」
「はい、はい。すみません。」
おママが台所に戻り、私はホッとしました。
帰り支度をして、台所に戻ってみると、
前述の鰹出汁が真っ白になっているではないか。
「…⁉️」
キッチン台の上にはクリームシチューのルウがありました。
「お母さん。おつゆはシチューになったのですね。」
「そうなのよ。」
ちょっとの間に…。意外な展開になりました。
味見をすると、微妙なお味です。
本音で言えば、酷いお味です。
鰹出汁にクリームシチューのルウだけでなく、
少し醤油が足されているようです。(涙)
私はジジに言い置いて帰りました。
その①おママが台所に立ったら、直ぐ近くで見守ってあげて下さい。
危ないから。
その②今夜のお汁は大変なお味です。
でも、おママの前で露骨な事はしないでね。プライドがあるから。
飲まずに上手く残して、こっそり捨てて下さい。
ジジ、宜しくお願い致します。ねっ❣️(^-^)/