(2015年3月30日 診断から約8年2ヶ月)
前記事の続きです。長くなってすみません。
*この言葉はやはりキツかった。
「う〜ん。実はよく分からないの。でも、お母さんと呼ぶから…。娘かな…?」
私は少なからず動揺しました。
しかし、診断から年月が経っているので、おママに『あなたは誰?』と聞かれても、それは想定内のことです。心を占めるのは悲しみより、深い諦観ばかりでした。
しかし、この言葉は私の親子関係の概念を崩壊させるものでした。
お母さんと呼ぶから、娘ならば…。
おママと全く関係のない女性が「お母さん、お母さん」と親しげに呼べば、その人も娘になってしまうのか⁉️
現に夫の顔が分からない時もあるのです。おママは娘の顔も確信が持てないハズ…。
おママに徘徊の症状は出ていませんが…。
もし見知らぬ場所に1人で行き着いたとします。そこで、知らない人に「お母さん」と声を掛けられ、付いて行ってしまったら、即席の擬似親子が出来上がる可能性もあります。
考えると恐ろしい話ですね〜。
同時に、オネコや私だって、頻繁に「お母さん、お母さん」と声を掛けていなければ、おママにとって、私達は娘でなくなる…⁉️
ひぇ〜。想像するだに怖すぎ。
私はこの日から次の事を心掛けました。
頻繁に「お母さん」と声掛けする事。
私を他人だと思っている時にビックリするといけないから、なるべく丁寧に優しく話しかける事。
ここまで認知力・記憶力が落ちると、後は真っ逆さまに症状が悪化するのではないか?
この頃(2015年5月)の私は不安に思いました。
(意外にそうでもありませんでしたが…。)
*一方、オネコは…。
ジジや私が目の当たりにしたおママの悪化を深刻に受け止めても、我が事として実感してはいませんでした。
おママがお友達との会食の時、オネコはお店まで送り迎えをしていました。(今も。)
それで、お迎えに行くと、お友達に言われたそうです。
「『オネコちゃんが迎えにくるわよ』と言ったら『オネコって誰だっけ?』と言ったのよ。」
オネコは名前だけでは娘がピンと来ないのだと思ったそうです。
明日に続きます。
読んで下さり有難うございます。