アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

その一歩が重いこともある

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(2017年8月11日  アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月

 

    買い物の時間帯

  私が実家を出るのは、たいてい夕方6時より少し前。

最近、おママの入浴援助をしていますが、帰宅時間との兼ね合いで、それは5時前から始めたい。

時間を更に逆算すると、

ジジとおママのお買い物はその前という事になります。3時半くらいから。

 

おママはなぜか午前中には買い物に行きたがりません。

 

この午後の時間帯、今の季節は暑いですね。

特に先週のような酷暑では、アスファルトがたっぷり熱を含んでいて、歩くのも辛い。

私が一緒に行っても良いのだけど、入浴援助の準備や自分の体力を考えるとキツイかな〜。

それに何気におママはジジと行きたがります。

 

それで先週水曜日の午後の事。

ジジは暑さバテしておりました。

降り注ぐ太陽の熱気とアスファルトの照り返しにシルバーカーを押す歩みも重くなりました。

すると、元気なおママは言うのですって。

「いつもは話しながら歩いているのに、今日はどうして何も言わないの?」

ジジは暫し返答に窮したそうです。

「私は暑くてあまり身体の調子が良くないんです。それで歩くだけで精一杯だから、話はできないの。」

なんとか言い返してみたものの、

「ふ〜ん」

とおママは分かったような分かってないような…。

 

やはり買い物の時間を見直そうか。

  この話を聞いて、陽気の良い季節は兎も角として、暑い時期の買い物時間帯は考え直したほうがいいと、私は思いました。

 

   昨年くらいまで、ジジとおママは夕方5時〜6時頃に買い物に行っていました。

それは夜でも入浴拒否がなかったからです。

そして、夏場は日が陰ってから出掛けた方が楽だと説明すれば、なんとなく分かってくれたのです。

しかし、最近は午後3時になる前から、

「買い物に行かないと、困っちゃうわよ、どうするのよ」

と落ち着きがなくなりました。

こういう些細な点に認知症の進行を感じます。

 

「買い物の時間を遅くするしかないね〜。」

「遅い時間にしようと思っても、おママが納得するかは分からないよ。」

私が提案しても、ジジは懐疑的ですが、ジジだけでなくおママだって体力を消耗しますもの。

 

それにしても、

「いつもは話しながら歩いているのに、今日はどうして何も言わないの?」

この発言にはビックリです。

おママに「いつもは……」という記憶があるとは思えません。

アルツハイマー認知症になってからこのかた、

ジジとおママはずっと一緒に買い物に行っていました。

それで、漠然と残っているイメージがおママのこの言葉を生み出したのでしょうか?

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。