(2017年9月7日 アルツハイマー型認知症の診断から約10年7ヶ月)
*お昼時の定番行事
「お昼どうするの?」
いつも、11時を過ぎたあたりから、おママはそんな事を言います。
「大丈夫。昨夜のご飯があるし、おかずは買ってきたわよ。」
「そうなの?知らなかったわ。」
つい、10分前におかず代をおママに貰ったのよwww。
忘れてしまっても仕方ないか。
「心配しないで。」
「そうなの?じゃぁ、お汁を作らなきゃ。」
そんな事を言いながら、おママは台所とリビングを行ったり来たり。
「すみません。なんだか、今日は私はダメなの。頭がこうね…。がーんと鉛のように固まるっているの。」
やりたくないな…。出来ないかもしれない…。
そんな時は必ず頭が痛くなるのですね。
*野菜を感じる
おママがお昼ご飯に野菜スープを作らなくなったのは、ちょうど1年くらい前からです。それまでは毎日同じ具沢山の野菜スープを作っていました。
包丁で野菜をトントン切っていたのに、
それが、出来なくなった…。
考えてみれば、その頃から急に記憶障害が進んできたようです。
今日、私がまな板の上にキャベツ、玉ねぎ、人参を用意していると、
おママがにじり寄ってきました。
「じゃぁ、お母さん、切って下さいな。」
「えーっ、わたしがやるの?」
断ったのに、台所に居座る不思議なおママ。
私が人参を細かく切っていると、微かにその香りが立ちました。
おママは深呼吸をしてから、笑って言うのです。
「あ、良い匂いがする。」
人参独特のほのかな甘味のある香り。
それを敏感に感じ取ったのは、長年台所を取り仕切ったおママの本能かしら?
その時代の記憶が有るのか無いのか…。
その野菜が人参という名前だと覚えているかいないか…。
定かではありません。
どちらにしても、何処か懐かしい香りだったのかも知れませんね。
唐草模様はこの紙から⬇️切り抜きました。
過去にもこんな仲間がありました。⬇️
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます、