アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

ソウルの土産

 

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(2017年10月5日  アルツハイマー認知症の診断から約10年8ヶ月)

 

本日の貼り絵について

  おママのハサミの技術?が冴えている作品です。

これも、とにかく切抜きたい一心だったのでしょうかね。

この赤い唐草文様を見ると感慨深いです。


かれこれ11年前

  11年前といえば、まだ、おママはアルツハイマー認知症の診断を受けていませんでした。しかし、ジジと私達姉妹は小首を傾げながらおママの様子を気にしていた頃です。

   おママは既に盛んに貼り絵の作成をしておりました。

 

  ちょうど韓流ブームの頃でした。実は、私もお友達とソウルに行ったんですよ。

出発前に旅行の事を話したら、おママは言うのです。

「あら、気を付けて行ってらっしゃいね。もし、向こうでキレイな紙があったらお金は上げるから買ってきて欲しいわ〜。」

 

  何となく、おママの事は気掛かりでした。貼り絵のように好きな事があるなら続けて欲しい。

(是が非でも、韓国的な感じの良さげな紙を見つけて来なきゃ。)

そう思いながら羽田空港から飛び立ちました。

 

日本では和紙ですが、韓国にも伝統的な韓紙が有ります。

私の印象では和紙の千代紙より少し薄手です。でも、韓紙も趣のある紙です。

 

  そこで私はソウルで韓紙の専門店に行きました。(方向音痴で記憶力の悪いので、今では場所もお店の名前も分かりません。)

流石に専門店だけあって、扱っている韓紙の千代紙は膨大で見ていて飽きません。

しかし、私は韓国語が殆ど理解できなかったので、1枚の値段も今ひとつ聞き取れません。💦

それで、店員に何度も聞きながら、ちゃんと聞き取れてお財布に見合う韓紙を購入しました。やはり、華やかで金や銀の入ったものは値段が高かったように思います。

こちら⬇️

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(右側の文字の方は今だに使われておりません。)

 

反応はイマイチ

  帰国して実家に韓紙を持参しましたが、おママは喜んでくれました。
「面白いわね。キレイね。」

そう言ってくれたのですが、

「私が全部もらったら悪いわ〜」

と言い張るではありませんか。それで、大きいので韓紙を半分ずつに切り分け、私と半分こにしました。そしておママは自分の分を勿体無がり、すぐに巻いて引き出しにしまい込んだのです。

(気に入らなかったのかな。)

以来、この韓紙を見る事はありませんでした。

貼り絵の材料に使われる事もなく、私は内心がっかりでした。

 

敗者復活

  今年の夏に、我が家で片付けをしたら、私の分が出てきました。

それで、実家に持っていき作業机周辺に置いておきました。

しかし、それでもおママは使う素振りもありません。


(やっぱりおママの好みと違ったんだなぁ〜。)

そして、あの時のほろ苦い思い出が蘇りました。

 

でも、分からないものですね。

私が実家に行かなかった10月5日に、おママは急に韓紙を手にしたようです。

オネコが目撃した時は、ハサミで唐草模様の細かい線までも切り抜こうとしていたそうです。⬇️

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(2017年10月5日オネコ撮影)

 

この日突然おママの興味を引いたのですね。


11年の時を経て、ようやく私のお土産は日の目を見ました。

 

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おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。