アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

番外編 武者小路実篤記念館・実篤公園

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 (⬆️  調布市 武者小路実篤記念館でいただいたリーフレットです。)

ちょっとお出掛け…。

  今日は番外編です。

とても素敵だったので、おママの貼り絵とは関係ないのですが、書いてみました。


  紅葉の季節にジジとおママと一緒に深大寺に行こうかと計画中です。

それで、下見を兼ねて出掛けてみました。(11月5日)

新国宝に指定された白鳳時代釈迦三尊像が特別公開されていて、境内は賑わっていました。
しかし、紅葉はまだですね~。11月下旬かしら?12月の初めが見頃かしら…。

深大寺京王線つつじヶ丘の駅北口からバスで15分ほどです。


  今回はもう一箇所、訪ねてみました。友人から勧められていた調布市  武者小路実篤記念館です。

  こちらはつつじヶ丘駅南口から徒歩10分ほどの閑静な住宅地にあります。(実篤公園の入口からですと京王線仙川駅からの方が近いです。)

 

武者小路実篤記念館
  明治の末から大正、昭和にかけて、文学や美術、演劇、思想など幅広い分野で活躍した武者小路実篤(明治18年1885年~昭和51年1976年)は、晩年を調布市入間町(現若葉町)で過ごしました。

  そして、実篤没後に遺族から敷地、自宅建物、原稿、美術品、愛蔵品などが調布市に寄贈されました。その後、昭和60年邸宅の隣接地に武者小路実篤記念館がオープンしました。
季節ごとにテーマを設けて、実篤の活動や交友を紹介する展示を行なっています。
今は⬇️こちらの展覧会が開催されていました。

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(⬆️企画展のチラシです。)

 

実篤公園
  武者小路実篤記念館を出て地下トンネルを抜けると、

隣接する実篤公園があります。

 

 「武者小路実篤は70歳から亡くなる90歳まで、ここで夫人と2人で暮らしました。晩年を過ごす土地を探すに当たって、実篤には3つの条件がありました。
まず、空気が綺麗なこと。
そして良い湧き水があること。
土器が出ることでした。」


これはボランティアガイドさんのお話です。

(そりゃあ。難しい注文だわ。)
私はそう思いました。


  昭和30年頃の事ですから、現在とは比べ物にならないほど東京は自然が残っていて、空気も綺麗だったと思います。しかし、良い湧き水と土器の出土とは…。東京都下、歴史のある武蔵野広しといえども、見つけるのは難しかったと思います。
それだけ、ここは稀有の地だったのでしょう。

 

  敷地面積5000㎡の中に2つの池や湧き水と四季折々の樹木に囲まれて、平屋建ての旧実篤邸があります。
  今回はボランティアガイドの方と一緒だったので、解説を聞きながら園内を巡ることができました。私1人だったら、ただ池の周りを散策するだけだったでしょう。
植物や樹木まで説明していただき、とても良かったです。


私は写真が下手であまり良くないのですが…、一応アップします。お恥ずかしい…。

 

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⬆️下の池  水面のさざ波と浮かんだ落葉が印象派の絵のようでした。

実篤はお孫さんが小さかった時、この下の池にボートを浮かべ、お孫さんを乗せて自ら漕いで楽しんだそうです。

 

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 (⬆️下の池にて)

  手前にカラスウリが実っています。遠景に赤いブドウの房のようなイイギリが見えて、青空に映えていました。最寄りの仙川駅は学生さんが多いお洒落な街です。外と園内は時空が異なっているのか…?

 

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(吉祥の花  )

  白い茶花、吉祥、ツワブキは見頃。

  柚子と柿は実っていました。ガイドさんによるとこれらの木々は当時植えられたものだそうです。武者小路実篤が亡くなってから約40年。今はとても高くそびえるように成長していますが、実篤の住んでいた頃は手が届くところに実がなっていたのかも知れない。そんな事を想像しながら庭園を巡りました。

 

 

 上の池 には湧き水があり、神秘的な光景でした。

(良い写真がなくて申し訳ありません。)

私が見学したときは湧き水がコポコポと軽妙な音を立てて湧き出していました。ガイドさんによると、その時の水量にもよって、音がしない時も多いとの事です。

 

  周辺の舗装された道路や住宅地から考えると、実篤公園は別世界です。

昔の緑豊かな武蔵野の面影を残して、今まさに稀有の地だと思いました。

マイナスイオンを感じるような公園です。

 

旧実篤邸
  旧実篤邸は土日祝日のみ内部を公開しています。(11:00〜15:00)


今回はボランティアガイドさんの案内があったので、台所など居住空間も見学できました。(ガイドのないときは仕事部屋と客間のみ公開)


  邸内の全体的な雰囲気は和風です。広い玄関から邸内に足を踏み入れると、広く天井の高いロビーがあります。壁面と造り付けの戸棚の上は展示ができるような拵えでした。私は御遺族から寄贈された調布市が、保存と展示のために整備したものと思いました。しかし、ボランティアガイドさんによると、
「いえいえ、住んでいた時の状態をほぼ保っていますので、実篤夫婦が住んでいた頃すでに、展示できるようなスペースだったのです。」
描いた書画や収集した美術品を自ら、そして来客にも楽しんでもらうために、玄関ロビーをギャラリーに設えていたのですね。オシャレですね〜。

 

  仕事場は実篤が午前中に執筆し午後は絵を描いたり、来客への対応をした部屋です。当時の様子そのままの感じに再現されています。隣の茶室を兼ねた客間もそうですが、開放的な窓はテラスから燦々と差し込む光を透して明るく、庭の自然の息吹が感じられる造りです。

 

  昭和30年当時の建築では造り付けの戸棚や家具というのは先進的で、まだ一般的ではなかったと思います。それは仕事場だけでなく台所の食器棚やカウンターにも応用されています。雰囲気は木製で懐かしさを感じさせるのですが、考え方はシステムキッチン。

現代にも通用する機能性を追求していた事に驚きました。


  旧実篤邸はとても素敵です。

全体的に古き良き日本家屋の中に、昭和30年当時最先端の機能性が見事に調和した建築美を感じました。

 

見学あれこれ
  充実した見学のために、ボランティアガイドはおススメです。
ガイドの方は土日祝日の午後1時〜2時半まで受付ているそうです。

ただし、毎週開催ではないとのことです。ご希望の場合は武者小路実篤記念館にボランティアガイドの日程を確認した方が良いと思います。


  ガイドさんによると、春は桜、秋は紅葉。季節ごとに風情のある景観と自然の美しさが楽しめとの事。


ちなみに紅葉の見頃は11月末から12月初旬だそうです。

 

www.mushakoji.org

  公園内はアップダウンがあるのでシルバカーのジジには難しいかな〜。

どうかな〜。

 

  お近くにいらっしゃる機会があったら、是非いかがでしょうか。