(2017年11月13日 アルツハイマー型認知症の診断から約10年9ヶ月)
*珍しく台所で右往左往
最近、台所に立つ気もなくなってきたおママ。
あ、おママだけではありませんね。私もです。
しかし、おママは元々食いしん坊だから、アルツハイマー型認知症が進んできた昨年の夏頃までは、率先して昼食も夕食も野菜たっりのスープを作っていました。
それを思うと、寂しいものです。
昨日のおママは珍しかった…。
「何か、やるわ」と言いながら、昼食の準備をしていた私の後ろをウロウロしておりました。
すでに私はデザートの林檎を切ってむいていおりまして、白いお皿に盛り付けていました。
「これ、どうするのかしら?」
「あ、これをテーブルに持って行ってくださいな。」
「あっち?」
「はい、お願いします。」
「あー、これ、これ、何だっけ、あっちにやるのね。」
今年はおママの頭に中から、沢山の単語がこぼれ落ちたように思います。
せめて林檎くらい言えて欲しいです。私は無常感に襲われました。
*クイズ
それで、酷だとは思うのですが、
私は林檎の盛られたお皿を両手で持つおママに
「これは何でしょう?」
と聞いてみました。おママは案の定、答えられません。
「あー、これはあれでしょう。ほら、あれあれ。」
そうです。あれですわ。ヒントを差し上げましょう。
「これって、ご飯かな?お菓子かな?果物かな?」
するとおママはピンときたようです。
「くだもの!」
そして、少し間を置いて「りんご!」と答えたのです。
「あたり!」
おママは「私って、しょうがないわね〜」と言いながら。嬉しそうに笑いました。
*でも…。
忘れていたのに、おママはよく導き出せたなと思います。
手掛かりがあれば、このように記憶の回路がつながる事もあるのかも知れません。
でも、でも…。
今回は、たまたま運良く単語が出てきたから、おママもスッキリしたと思います。
出てこなくても、おママはその事もすぐに忘れるとは思います。
しかし、やはりモヤモヤした不快感は残るでしょう。
忘れたものを無理に掘り起こさせる事は、おママを混乱させるだけかも知れない。
あまり考えもせずに、クイズもどきをしてしまいましたが、
どんなもんだか…。
私はちょっと反省してみたり、考えすぎだと思ってみたり…。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。