(2017年10月19日 アルツハイマー型認知症の診断から約10年8ヶ月)
*久しぶりの国立劇場
これは10月の話です。
夏はお休みしていたお姉子とおママの歌舞伎鑑賞。10月は片岡仁左衛門さんを目当てに出かけました。
2人とも楽しめたようです。
「おママとてもよい調子で居眠りもせずよく見てたわ~。
エスカレーターもノンビリ止まらずさっさと登っていっちゃって元気。」
そんな話を聞くとホッとしますね。
来年も観劇できますように。大丈夫そうかな…?
*席を譲られる人
終演後は国立劇場からターミナル駅まで直通バスが運行されます。
この日は雨だったので、オネコはおママを気遣い利用することにしました。
でも、バスは混んでいて、おママは座れません。
するとご親切な方が「どうぞ」と席を譲って下さったそうです。
それに対して、おママは素直に会釈をして座りました。
この時点で、おママは83歳です。しゃんと歩けますが、見た感じも高齢女性です。
席を譲って頂けて、オネコもホッとしたことでしょう。
実はこの日は往きの電車でも、おママは席を譲られておりました。
*席を譲る人
それから2人はターミナル駅から電車に乗り換えます。
始発駅からなので、今度はちゃんと座れました。
夕方の時間帯、満員電車ではありませんが、立っている人も多かったそうです。
ふと、おママの視界に3歳くらいの男の子を連れた若いお母さんが入りました。
その2人は立っている。
いつものことですが、おママは小さいお子さんがとても気になります。
「あら、大丈夫かしら?」
席を立って譲ろうとするから、オネコは慌てました。
「お母さんは座ってて。」
それで、オネコが立ち上がって男の子に席を譲りました。
しかし…。それで終わりにはならなかったのです。
「あら、やっぱりお母さんも座った方がよいわ」
おママはそう言って、すっくと立ち上がりました。
そして、オネコが驚く光景が繰り広げられたのです。
「そしたら、そのお母さん、25才くらいかな、ありがとうございますって、さっと座っちゃったの!」
後日、オネコの話では…、
おママが席を譲った若いお母さんはお元気そうで、大して荷物も持っていなかったそうです。
うーむ…。
私やオネコには80代の人間が若い人に席を譲るという感覚はありません。
譲る方も…、
譲られる方も…です。
*若い気分
ほんの30分くらい前には素直に席を譲られていたおママが、
今度は席を譲る側になる。
考えてみれば面白いことだと思います。
30分で気分がかなり若返ってしまったか?
というより、普段のおママは自己認識年齢が10〜20歳くらい若いのです。
若いお母さんと小さな子供を見たら、それは気遣うべき対象になるのでしょう。
(お母さんも座った方が、お子さんも安心よ。)
ただその思い一点です。
自分の歳なんて意識に上らず、目の前の事象だけに没頭してしまう。その時に思った事を実行に移しただけですね。
あれこれ考えると、
若いお母さんも、すっと座って下さって良かったのかも知れません。
電車の中で座る座らないの押し問答になるのはお互い辛いですし…。
それとも気の若いおママですから、見た目も若く見えたかな?(笑)
あとで、オネコはこんな事を言っていました。
「席を譲ってもらった時も、おママは本当は不本意だったのかもよ〜。」
そうかも知れません。(笑)
おママは歳を取った記憶がないのですものね。
若い気分のままね。(^。^)
おママの貼り絵を見て下さりありがとうございます。