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(2018年9月27日 アルツハイマー型認知症の診断から約11年7ヶ月)
*おママの目
9年か10年前の、アルツハイマー型認知症の診断から間もない頃、おママは眼科に行く機会がありました。おそらく物もらいとか、結膜炎みたいな事だったと思います。
「白内障は始まっていて、もしかしたら緑内障もあるかも知れませんが、詳しく検査しないと分かりませんが」
その時、眼科医にこう言われました。
当時の私は
と他人事のように考えていて、まさか自分が50代前半で白内障の手術を受けようとは思いもよりませんでした。(^O^)
眼科でそう言われても、当時の私達は積極的におママを眼科に通わせませんでした。なぜなら、その頃のおママは記憶力が落ちているだけで、料理などの家事や日常生活は問題もありませんでした。
それに日々、実にバランス感覚に優れた貼り絵を制作しています。外出時には電車の吊革広告や、建物の看板などもしっかり読めているからです。
この状況は現在もあまり変わりがありません。
(流石に昨年末あたりからは、認知機能の衰えが進んで家事も難しくなりましたが。)
ただ、傍目で見る限りは問題がなさそうなのですが、10年近く経っています。
時々、「ぼんやりとしているわ」と言います。おママの目に周囲はどう見えているのか?。結局、おママにしか分からないのが悩ましいところです。
今回、自分が白内障の手術を受けてみて、あくまで仮定の話ですが、
(もしおママの白内障が酷くなったら、手術も検討できるのか?)
少し考えてみました。
*おママは白内障の手術を受けられるか?
まだ軽度の認知症の方なら出来るかも知れません。
認知症が軽い段階なら、視力が回復する事によって、生活の質(QOL)・日常生活機能(ADL)が改善される可能性は高いと思います。
(下記の『認知症患者への白内障手術による QOL 向上』PDF資料より)
しかし、結論から言いますと、
アルツハイマー型認知症歴11年のおママには難しいと思います。
◉手術を受け入れられるか?
「お母さんは目が悪いから、よく見えるようにするために白内障の手術をしましょう。」
そう言ったら、おママは絶対に拒絶するでしょう。だって怖いもの。私だって随分怯えてましたから。激しく抵抗しそうです。
おママは拒絶してもすぐ忘れます。
何度も説得を試みれば、
「説明」➡︎「恐怖・拒絶・抵抗」➡︎「忘却」➡︎「説明」
のループにはまってしまうでしょう。
おママに説明しないまま、手術台に乗せてしまう手もあります。これは本人が望んでいない手術だし、目や身体を動かしてしまう危険性もあります。全身麻酔でないと出来ないと思います。実際そういう場合は全身麻酔になるようです。(下記の『高齢者の白内障手術の難易度』のPDF資料より)
白内障が悪化したり、他にも差し迫って手術が必要な疾患であれば、おママもやらざるを得ません。
ただ、本人が自覚症状を訴え生活に支障が出ない限りは、白内障の手術はできそうにないかな…。
しかし、白内障はあまり悪化してからだと難しくなってくるらしく(下記の『高齢者の白内障手術の難易度』のPDF資料より)、軽いうちも、悪化してからも、踏み切れなくなりそうです。
◉もし、おママが白内障の手術をしたとして…。
なんのかんのと手術ができたとしても、術後は心配が絶えません。
白内障の手術の後って、ほとんど痛みはありません。それでも、最低1日は入院してもらうでしょう。しかし、痛みがない分、身体は元気いっぱいですから
「なぜ、私はここにいるのですか?」
「どうして私に何も相談せずに、目の手術をしたのよ❗️」(°_°)
「家に帰ります」
「なぜ、目薬をさすの?」
と看護師さんや私達に繰り返し訴えるでしょう。説明しても説明しても繰り返され、紙に書いてテーブルに貼っておくと、「勝手に手術をされた」と怒りそうです。
痛くない分、鬱陶しくて眼帯を外してしまうかもしれません。(°_°)
帰宅しても、家族が四六時中おママに張り付いていない限りは、目を擦りそうです。
基本的に3本ある目薬を1日3回、5分間隔で点眼していくのも、現在のジジに管理させるのはきついと思われます。(°_°)
ここまで書いてきますと、自分でも「出来ない!」言い訳ですね…。(^O^)
しかし、
認知症歴が長くなり、記憶障害が進み認知機能の低下が見られるおママに、白内障の手術は難しい…。
これは理屈ではなく、家族の感じる体感として難しい…。
自分で手術を体験して、そう思いました…。m(_ _)m
老年医学会HP ⬇︎
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/update_2014.html
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/clinical_practice_51_4_321.pdf
高齢者の白内障手術の難易度⬇︎
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/clinical_practice_51_4_326.pdf
*本日アップの貼り絵
お馴染み、こちらのティッシュボックスのピンクバージョンを使っています。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。