(2018年11月16日 アルツハイマー型認知症の診断から11年9ヶ月)
*子供好き
これは昨年、晩秋の頃の話です。
昼過ぎに私はおママとおつかいに行きました。
商店街へ向かう細い坂道をダラダラ下っておりますと、向こうから小さなお子さんを連れた若いお母さんが歩いてきます。
ベビーカーを押すお母さんの側にには2、3歳と思しき女の子。それが飛んだり跳ねたりはしているのですが、きちんとお母さんの横におりました。お母さん自身も娘があまり離れないように気遣っている様子でした。
だんだんその親子が近づいてくると、もう、おママは軽い興奮状態になりました。
「あら、可愛いわね。こっちに来るわ。」
「ねぇ、本当に可愛いわね。」
いつもの事なんですが、小さいお子さんを見ると、おママは愛情が溢れかえってしまうらしい。
(幾つになっても、幼子を見れば「かわいい」「守りたい」という母性が芽生えるんだね…)
そんな85歳で認知症のおママを見ていて、私は胸が熱くなりました。
人間の根源に横たわる、小さき者を慈しむ心は失われないのだ。
冷たい風に吹かれながら、私はちょっと感動しました。
ちょうどすれ違う時に、おママはその女の子に声をかけました。
「可愛いわね〜。頑張って歩いてね〜。」
すると女の子は恥ずかしそうにお母さんに身体を寄せながらニッコリしました。
そしておママが、
「さよなら〜」
と手を振ると、その子も振り向きながら笑顔で手を振ってくれたのです。
おママは彼女達が角を曲がるまで手を振りながら見送っておりました。
*何を言い出すやら。(^O^)
その親子の姿が見えなくなっても、おママの中ではまだ終わりません。
「いいわね、ほんとうに、かわいくて❣️」
「そうね。」
「わたしも…。」
おママは言いかけました。私もあんな可愛い子が欲しいわ。そう言うのだと思いました。ところがおママったら…。
「わたしも、あんな風に小さくて可愛くなりたい❗️」
(そ…、そうくるか⁉️)
私は軽く殴られたような衝撃を覚えました。
「そりゃぁ、無理ですわ。」
おママは少々仏頂面をしました。
「どうしてかしら? くやしいわ。」
あのですね〜。おママよ、あなたは85歳よ。(°_°)
すると、おママは急に膝を抱えて道端にしゃがみ込んだのです。
「どうしたの⁉️」
お腹でも痛くなったのか?
「こうやって、小さくなってやるーー❗️」
マジか⁉️ (°_°) 我が母ながら、呆れちゃうわ。
でも、私は可笑しくて可笑しくて笑ってしまいましたよ。
「お母さん、一度大きくなったら、もう、小さい子供には戻れないのよ。
しゃがんで小さい子のふりをしたってダメよ。」
すると、おママも諦めて立ち上がりました。
「やっぱりダメなのね…。」(¬_¬)
「ムリ、ムリ…。」(^_^;)
おママはちょっと肩をすぼめて微笑んでから、また一緒に歩き出しました。
おママ…。本気で小さな子供に戻りたかったの?
それとも、これはジョーク?
本気のようにも思えるわ…。(^。^)
*本日アップの貼り絵
たまにクラフトパンチを出して、おママと型抜きをしてみます。
そういう時は、おママの貼り絵の停滞期。
パンパンといい音を立てて型抜きすると、その音の刺激と形が出来る楽しさに、おママは創作意欲を掻き立てられるようです。
以前も登場したTWGの包装紙を使ってみました。
⬆︎中心にするパーツが決まりました。後は周りをどうするかですね。(^。^)
⬆︎⬇︎この包装紙はリバーシブルです❣️
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。