アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

記憶について No. 35 勿体ない❗️主義

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(2019年3月31日 アルツハイマー認知症の診断から約12年1ヶ月)

 

5月12日日曜日は母の日でした。

不肖、私も一応世間的には「母」なのですが、

まだ親世代が健在なので、私自身は未だに娘気分が抜けていません。

(^O^)

総じて行事、記念日に興味のない私なので、今まで母の日は何もしてきませんでした。

でも、考えてみれば義理母のクレバァがボケ知らずなのを良いことに、不義理ばかりしています。

私はごくごく近所(歩いて40秒)に住んでいる嫁なのに、実家へばかり行く今日この頃。σ(^_^;)

多少気が咎めるので、私のお気に入りのチョコレートを差し上げました。

取り敢えず、喜んでくれて良かったです。(^O^)

 

前記事ではご心配をおかけして申し訳ありませんでした。

大きな偏頭痛の発作はこなかったのでホッとしております。

ブクマやコメントでお気遣いくださった方々、ありがとうございました。

m(_ _)m

 

 何をしているかと思えば…。(^O^)

4月のまだ肌寒い昼下がりに、ダイニングから妙な音が聞こえてきました。

ゴシッ、ゴシッ、ゴシッ、ゴシッ…。

何かと思って私がリビングテーブルに向かうと、おママが一心不乱に何かやっていました。音の主はおママだったのね。

それで手元を見ますと、おママはハサミを逆さに持って何かしていました。刃が上を向いているから危ないわ…。

持ち手を私の残り少なくなったハンドクリームのチューブに押し付けて、下から上へ強く擦っているではありませんか❗️(°_°)  ⬇︎

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「おママ…。」

「あ、これね。こうしないとね。ダメなのよ。」

要するに少なくなった中身のハンドクリームを出し口の方に押し上げて無駄なく使えるようにして呉れました。

そして、おママは真っ平らになったチューブを下から折りたたんで、止めるものを探すために辺りを見回しました。

「クリップか洗濯バサミを持ってくるわ。」

「あら、いいわのよ。大丈夫だから。」

するとおママは手近にあった輪ゴムを使ってそれなりに止めてしまいました。

⬇︎こんな感じ。

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やっぱり器用ですね。

それに、おママはおママなりに良く考えたと思います。(^O^)

 

でも、その直後には自分でやった事も、ハンドクリームが何かも分からなくなり、駒のように回して遊んでいましたとさ…。( ^ω^ )

 

骨の髄まで?

 この時は、おママの行動が面白かったので写真を撮りました。

それをタブレットで眺めていると、「あれっ⁉️」と思いました。

私が子供の時から、よく見た光景です。

チューブに入っているものが少なくなると、おママはこれをよくやっていました。

 

まずはチューブをしっかり擦って中身を口お方へ寄せる。

そして下からクルクルとしたから丸めて、洗濯バサミやクリップ・テープで止める。

 

歯磨き、マヨネーズ、からし、わさび、コンデンスミルク。

セメダインや糊、ファンデーション、や日焼け止めなど…。

 

現在、アルツハイマー認知症のおママは、物の名前も自分の習慣も、記憶から抜け落ち始めています。

ところがこの日は、私のハンドクリームを見て、

(勿体ないから、最後まで使い切りたい)

という、昔ながらの精神に根ざした行動をとりました。

 

おママさん。「勿体ない!」は忘れないのですか?

それとも、戦中戦後の食糧難と物不足の時代を生き抜いた世代なので、

骨の髄まで「勿体ない!」が染み込んでしまったから、

脳の中でも記憶とは関係ないところで、「勿体ない!」を発動したのかも知れません。ほとんど本能レベル。

 

オネコに言わせれば、

「根が勿体ながりで、最後まで使い切らないと治らないという意識が強いから、自然とやってしまったのではないかしら…。」

そうかも知れない。そうなら無意識でやっているの?

おママの「勿体ない!」主義はどこまで記憶と関係するのかしら。

そんな事をあれこれ考えていたら、私の頭が混乱してきました〜。(^◇^;)

 

切るんです。

私のこのハンドクリームはカバンに入れて持ち歩いているものです。

(正直、おママに切られなくてホッとしたわ。)

 

私が20歳頃でしたが、冷蔵庫を開けると、残り少ないマヨネーズの容器が真ん中からバッサリ切られ、その半分だけラップに包まれているのを見つけました。

その時、私はちょっとびっくりしました。

「これって⁉️」

おママに訊ねれば、得意顔で笑っています。お友達の家でやっているのを見たのかしら?

以後、残り少なくなったチューブは擦ったり、下から丸めても出なくなったら、真っ二つに切られて、スプーンで最後の最後まで掻き出されるようになりました。

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⬆︎のようなケチャップはカットした後、上下それぞれにお湯を入れてソースやスープに使われました。

 

オネコはおママに習うまでもなく、結婚後は残り少なくなると、チューブを切っていたそうです。オネコも相当な「勿体ない!」主義ね…。(^。^)

私はその後おママの影響(⁉️)で、この「CUT方式」を踏襲しました。

 

そう言えば…、昨日の朝(5月12日)。

私は自宅の洗面所でこんなのを見つけました‼️

⬇︎

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洗顔剤のチューブをカットして執念深く最後まで使い切ったのは、アズキ(私の娘)の仕業です。

おママ…。あなたの「勿体ない!」はしっかり孫にまで受け継がれていますよ。

 

本日アップの貼り絵

花模様の赤い四角は、おママが昔から持っていた千代紙から切り出したようです。

銀色の菱形は包装用の銀色の平紐です。

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。