(2019年3月25日 アルツハイマー型認知症の診断から約12年1ヶ月)
*おママ、単語が出てこない…。
のんびりとした昼下がり、ジジとおママはダイニングでテレビを見ておりました。
手近なところにお煎餅の袋を出しっぱなしにしていたものですから、
おママはいつものように「何かしら?」なんて言いながら手に取り、お菓子と認識した途端、袋から出して食べようとしました。
そして、これもいつもの事ですが、1枚のお煎餅を半分に割って、片方をジジに差し出しました。
「ほら、お兄ちゃん、これ食べてよ。」
あらーー。
おママは夫であるジジを、10年くらい前に亡くなっている「お兄ちゃん」だと思ったのかしら?
単純にいつもジジを呼ぶときに使っている「お父さん」とか「パパ」という単語が出てこなかったのかしら?
認知症歴12年のおママですから、
これは私達にとって、さほど珍しい事ではありません。
それでも、この日はジジと私は顔を見合わせて、ほぼ同時に呟きました。
「お兄ちゃん⁉️」
すると、おママは「あっ」と声を上げて、自分に何らかの間違えがあったのだと、気が付きました。
でも、大してバツが悪そうでもなく、直ぐに言い直したのです。
「おにょうちゃん、これ食べてよ。」
お、にょう、ちゃん⁉️ (╹◡╹)
おとうさん O to-san
お兄ちゃん O ni-chiyan
上の2つを混ぜると、「おにょうちゃん」になるのも頷けます。
おママ…、「お父さん」という単語が出てこなくて、折衷案で造語したのね。
なんだか、面白いやら、可愛いやらで、私は思わず笑ってしまいました。
それで、お煎餅の半分をジジにお裾分けする(押し付ける)問題ですが、
「お腹すいてないから要らない」
と、素気無く断られていましたわ。(⌒-⌒; )
*お兄ちゃんを覚えていますか?
今回の様子では「お父さん」という単語の代わりに「お兄ちゃん」が出て来たように思います。
今のおママは「お兄ちゃん」という単語は出てきますが、どのくらい伯父さん(私からみて)の事を覚えているかしら?
明らかにジジを「自分の兄かも知れない」と考えている事もあるのです。
そんな時のおママは、小さい頃からお嫁に行くまで一緒に暮らしてきた「お兄ちゃん」と、年をとった今でも一緒に暮らしているという感覚なのかしら?
これについては、私にもよく分かりません。
もしかしたら、おママが思い描く「お兄ちゃん」は晩年の姿ではなく、若い頃の姿かも知れませんね。なにせ、おママは自分の年齢を実際より若く考えていますから…。(^O^)
この日はこんな事があったからでしょう。
私は伯父さんを思い出していました。
そういえば、まだ伯父さんが結婚する前の事だけど、子供だったオネコと私を遊園地に連れて行ってくれたっけ。懐かしいなぁ。
⬇︎おママがお兄ちゃんの夢を見た話です。
⬇︎おママが「お兄ちゃん」が今どうしているか気になった話です。
*今日アップの貼り絵
おママの作業机に、お菓子の箱に切り抜きが埋もれていました。
ワッフルみたいな格子模様のクッキーです。
私はそれをおママの目に付くように、作業机の上にポンと出しておきました。
そうしたら、おママは他の切れ端たちと合わせて構成したようです。
ママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。