(2019年7月22日 アルツハイマー型認知症の診断から約12年5ヶ月)
前回に引き続き、私のダンナの母、私にとって義母にあたるクレバアの話です。
今回は「何故、クレバアと私達が抗がん剤治療をやめたか…?」について書いてみようと思います。ほとんど、私の忘備録です。m(_ _)m
*QOLを目指したいのに…。
8月9日にクレバアは入院していた大きな総合病院の腫瘍科を受診しました。お供はダンナ、義姉、私でした。
まず、先生は今まで診断された病状について説明した後、
「治療の目標は何か」というお話をされました。
それは、癌の進行を遅らせて、なるべく良い状態を保てるようにしましょう。
つまり、QOL(クオリティ オブ ライフ)、元気な状態で延命をはかる事です。
実際、クレバアの望みは、まさにQOLなのです。
クレバアの場合、遠隔転移のあるステージ4ですから、大元の胃にできた癌細胞だけを手術で取り除いても癌自体は失くなりません。
先生のお話ではステージ3までは治癒を目指す治療を行うけれど、ステージ4は既に全身の病気として考え、根本治癒は目指せないのだそうです。
この状況で、治療の考え方は2種類あります。
①癌と戦う →→→ 抗がん剤を用いた全身治療
この問題点は、本来QOLが目的なのに抗がん剤の副作用の影響が必ずある事です。それなのに個人差があり、絶対に効果が期待できるとは言えない。(°_°)
②癌の苦痛のみを取り去る →→→ 緩和ケア
こちらの問題点は、抗がん剤を使わないと、どんどん進行してしまいます。(°_°)
*抗がん剤治療の原則について
先生のお話では、この原則は「患者の状態が副作用に耐えうるか」です。
その目安は4つあります。
①元気さ →→→ 80台の場合通常の生活がおくれている。
②主要臓器の機能が維持されている。(骨髄、心臓、呼吸器 等)
③持病が良好な状態でコントロールできている。→→→ 副作用で体調が悪くなると持病も悪化する恐れがある。そのため、抗がん剤治療の前に持病が良好である事が大事。
④本人に治療に対する意志や意欲がある。
入院中とこの日に採血した検査結果を踏まえて、先生はクレバアはこの原則を満たしていると考えていらっしゃったようです。
そして、こんなお話もありました。
「最近、歯の治療をされてますか?抗がん剤治療の前に歯周病や虫歯がないかはのチェックを受けてください。治療を始めると、白血球が減るので、歯周病や口内の細菌が増えて余計に悪くなる可能性がありますから。」
*副作用について
主な副作用として、服用薬のゼローダには次の症状が見られる場合があります。
手足症候群、悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、口内炎、神経毒性(末梢性感覚ニューロパシー、末梢性運動ニューロパシー等)、疲労。
この中で私は手足症候群がよく分かりませんでした。
「手のひらや足の裏の感覚が鈍くなったり過敏になる、赤くはれ上がる、痛み、皮がむける、水ぶくれ、ただれ」などです。
手のひらや足の裏の感覚が鈍くなると、転びやすくなったり、手に持った物を取り落すこともあるようです。
先生によると、ゼローダはあまり抜毛は酷くはないようですが、やはり抗がん剤の常として、頭髪は抜けやすくなるそうです。
上記の口内炎についてですが…、これが先生のおっしゃった「事前に歯科で歯のチェックを受ける必要性」と関連があるのです。
翌日8月10日にクレバアは同病院の歯科に予約を取り受診しました。
それでチェックを受けたところ、歯周病は大したことはないけれど、過去に虫歯の治療を完全に行なっていなかったので、歯茎の中の歯根が残って細菌が目立つところが3カ所あり、歯科の先生によると、
「抗がん剤治療を始めたら1週間か10日くらいで口内に粘膜炎がおきます。残っていた虫歯が酷く痛んだり腫れたりする可能性が高いです。そうなると、食事が摂りにくくなりますね。抗がん剤治療をなさるなら、歯茎に残っている歯根を3ヶ所全て抜歯したほうがいいです。
抗がん剤治療を早く始めた方がいいので、1日で3ヶ所いっぺんに抜歯することも出来ます。」
(え…⁉️3ヶ所いっぺんに⁉️歯茎を切開して抜歯するのに⁉️)
お供をしていた私でさえ、かなりビビったので、クレバア本人は相当怖かったと思います。
⬇︎ゼローダについて
*決断
クレバアは悩み家族で話し合った結果、抗がん剤治療をやらないと決めました。
「まず、副作用に耐えられると思えないのよ。タダでもフラフラしているんだから、その上余計に食欲がなくなったら、かえって駄目になりそうだわ。」
そして現状、痛みもない歯の治療はしたくない。
「もう84歳だから、癌でなくてもいつお迎えが来てもおかしくない年齢だから、無理して抗がん剤治療をするのはイヤ。」
クレバアの現状は食欲こそあまりないけど、痛みもないし家の中で家事をしたり、近所への買い物くらいなら出来るのです。
今現在のクレバアのQOLは意外に悪くないのです。
そのQOLがいつまで続くか全くわかりませんが、
「抗がん剤治療を始めたら副作用の影響は出て、今の生活は完全に損なわれそうよ。」
これがクレバアの決断理由でした。
緩和ケアは近所の掛かり付け医にお願いすることになりました。
本当にこれで良いのか?それは正直なところ、わかりません。
でも、御当人の思い通りにするのが正解なのだと思います。
少しでも長く、現状が保てますように…。
*本日アップの貼り絵
何度か登場している紙を使っています。
⬇︎ハワイ土産のマカデミアナッツチョコレートの包装紙。
おママはこの包装紙がお気に入りです。使い方も上手いなぁと思います。
⬇︎こちらも何度か登場している歌舞伎座(場内)でお土産を買った時の袋や包装紙の柄です。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。