(2019年10月30日 アルツハイマー型認知症の診断から約12年8ヶ月)
*誰でもなる可能性がある
自分は認知症にはならない。
そう思っていらっしゃる方も、きっといるでしょう。
私はおママに接していて、自分も認知症になるだろうと予感しています。
発症前の頭の良し悪しは関係ないし、
手を使う趣味を持って活きいき活動して、読書を愛し古典講読に参加し、家族や友人に囲まれていてもなるのです。
おママは認知症歴12年。
発症前のおママと同じように、クレバア(チャーコの義母)は読書好きです。しかしこれといって趣味もなく、友人は少なくて家に篭りがち。それでも頭はキレッキレなのです。
誰がなるかどうかなんて、
「分かんないなぁ〜。」
というのが私の心境です。
高名な小説家だって認知症になるようだし、ましてや、認知症を長年研究してきた方でも認知症になる…。
1月11日土曜日にNHKスペシャルで、このドキュメンタリーが放送されました。
私は番組自体を把握していなかったので、録画もできませんでした。
でも、見て良かったかなとは思います。1月16日(木)午前0時55分~1時44分(15日深夜)に再放送があります。ご興味のある方は是非!
*認知症の自覚がある…。
おママは恐らく自分が認知症である事を理解していないと思います。
診断が下った12年前でも、一定の時間が経過すると、おママの記憶はコロッと消滅していました。だから、私は自分が認知症であることを深く理解している認知症患者というのがピンとこないのです。
しかし、長谷川先生はご自分が研究してきた認知症に自分がなった事を早期の段階で深く自覚なさったのですね…。
自分が認知症であると自覚を持って生きるのも、かなり辛いことだと思います。
認知症の自覚があって、日々進行していく我が身の状態と向き合う。
全く認知症の自覚はないが、出来ることが少なくなり、なぜ分からない事ばかりになるのか理解できないまま暮らしていく。
自分だったら、これって、どちらがまだマシだろう。
どっちもどっちか…。
⬇︎この記事を読み返すと、診断から間もない頃のおママは、短期間なら自覚が続いていたようです。
忘れる→また現実を突きつけらる→忘れる→また現実を突きつけられる
このループの中でこの頃は辛かっただろうなぁ。
*心に残った言葉
認知症研究の第一人者が認知症になって語る心境。これは興味あります。
でも、人は千差万別。必ずしも長谷川先生の言葉がおママに当てはまるとも限りません。でも、とても心に残った言葉があるので、書き留めておこうと思います。
「確かさがあやふやになる」
なんと的を射た言葉でしょう。
恐らくおママが感じてきた不安感の元はこれに違いないと思いました。
だんだん時間や、季節もよく分からなくなる。
しまいには身近な家族もよく分からなくて、しょっちゅう現れるオバサン達が娘とも知らず、老いた夫を時として自分の父か?「家にいるお爺さん」としか認識していない。
ここが自分の家かと自問自答しようとすれば、本当のところ自信がない。
確かなものは、段々おママの中では失われてしまったのでしょう。
「確かさがあやふやになる」おママはずっとこの不安と共に暮らしてきたのかも知れない。
⬇︎診断から11年も経った「確かさがあやふやになる」事例。本人も諦観を滲ませておりました。
「医者の時はデイサービスに行ったらどうですかとしかいえなかった。」
介護する家族の負担軽減のためにデイサービスを推進してきた御本人が、実際デイサービスがつまらないと感じた時の言葉。
「何がしたいですか?と聞くことから始めて欲しい。」
なるほど…。つまらないのですか…。人によったらそうかも知れません。
もしかしたら多くの高齢者は家族のためにガマンして行っているのかも。
でも、そうでない方々もいると思いますわ。
現におママはわりと喜んで行ってます。と思います…。確信は無いが…。
何より私は長谷川先生に言いたいです。
デイサービスで救われている家庭は多いです❗️
「死にたくなった」
おママも言ったことがあります。
⬇︎この時の事…。
ショートステイにて、
「我慢。早く帰りたい。自分の戦場に戻りたい。戻って戦場で戦いたい。」
戦場とは御自宅の書斎だそうです。長年、その書斎で論文を書いてきた仕事場なのですね。
自分の場所で、自分のやる事をやっていきたい。
これは誰しもそう思っている事だと思います。
今考えれば…この12年、もうすぐ診断が降ってからおママは13年になりますが、
おママに貼り絵があって良かったと思います
「ひとつひとつの事に笑っていくことが大切だと思います。」
本当それ❗️笑顔が大事❗️
誰しもそうですよね。おママは笑えているかな…。
ちょっと考えてしまいましたが、なんかこの言葉が嬉しかったです。
*本日アップの貼り絵
「お題方式の貼り絵」です。
お題はこちら⬇︎
久しぶりにキラキラ光る紙を見つけて、おママは直ぐに作業机に向かいました。
見る角度を変えると、キラキラ‼️
「お題方式の貼り絵」とは
昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時の方が多いのです。
それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
ママの貼り絵を見てくださり、ありがとう御座います。