3作目(2019年12月4日 アルツハイマー型認知症の診断から約12年10ヶ月)
* 少しでも使って欲しいです。
認知症になる前、おママは製本や革による装丁を習っていました。
西洋の伝統的な装丁技法で、マーブルペーパーは本の裏表紙に使われることもあります。
それで、おママはマーブルペーパーに興味を持ち、自分でも染めていました。
「やっぱり、ヨーロッパの職人さんが染めたものには敵わないわ。」
「職人さんはどうやって、マーブルを染めたんだろう。」
なんて事をよく言っていたものです。
おママはヨーロッパから輸入されたマーブルペーパーを何枚も購入していました。
参考にしたいと思ったのでしょうが、本当のところ、舶来のマーブルペーパーの美しさに心奪われ、染色職人さん達の技術を尊敬していたからだと思います。
十数年にわたる貼り絵制作の中で、おママはそれら舶来のマーブルペーパーを材料として使ってきましたが、全く手をつけていないものもあります。
おママが好きで購入したマーブルペーパーです。
これから後、おママはどれだけ貼り絵制作を続けられるか分かりません。
少しでもいいから、おママに使って欲しいと思います。
2019年12月4日
そんな気持ちで、私は↓この3種類の大判マーブルペーパーを出してきて、おママと一緒に一部分を切り取りました。↓
*1作目
まずはグリーン系のマーブルペーパーをその模様の流れに沿って切断中です。↓
マーブルペーパーの模様には流れがあるので、どう切るかはおママ次第です。ぶつぶつ呟き悩みながら切っております。↑
この緑のマーブルに和紙の赤い千代紙を合わせるらしい…。↓
でも、割と合うかも知れません。
↓ 1作目が 完成しました。
*2作目
1作目を作った時に余った緑のマーブルに何を合わせるのでしょうか?
印象の違うマーブルペーパーのようです。
↓2作目です。
中央のパーツは不思議な形ですね…。マーブルペーパーは直線的に切っても素敵なのですが、おママは白いストーンに沿うように切るのも楽しかったようです。
この作品でも手近に有った千代紙を合わせています。
*3作目
1作目、2作目は緑のマーブルペーパーを細かく切り分けて貼りましたが、今度はドカンと塊で使おうという計画でした。
「元々が綺麗なマーブルペーパーだから、それも良いね。」
「そうなのよ。」
この感じでいくと、3枚目もすぐに出来上がりそうだから、私はダイニングで貼り絵に熱中するおママを放って、夕食の支度を始めました。
13分後、ダイニングの様子を見てみると…。
(あの中央に鎮座していた美しいマーブルは何処に⁉️)
結局、幾つかの小さいマーブルに分割されていました。(^O^)
そして、別のマーブルペーパーを手にしていました。
模様の中にあるストーンや流れに沿うように、おママは無心でハサミを動かしていました。
切れば切るほど形は不思議になっていきます。それが面白いようで、独り言を言いながら、おママは更に10分ほど作業を続けました。
「ここがあぁだから、ダメで、こっちにするとあっちに抜けられるから…。」
↓ この形になって、ようやく納得したようです。
「 さぁ、構成が決まったら、貼り進めましょう。」
3作目はもうすぐ完成です。(^O^)
私が大きなカルトンから大判マーブルペーパーを取り出したのは15時過ぎです。
怒濤の連作が終了したのは17時40分ごろ。
これだけの時間、おママが取り組めたのは、大好きなマーブルペーパーの個性と魅力のお陰のように思います。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。