アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

脅し戦法 ちょっと反省

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(2019年12月18日 アルツハイマー認知症の診断から約12年10ヶ月)

 

美容院に行きました。

3月23日月曜日。おママを美容院に連れて行きました。

もうこれは忘備録のようなもので申し訳ありません。最近、私は自分で書いたブログの記事で、何時おママが髪を切ったのかを確認しております。

前回は昨年の11月27日ですから、実に4ヶ月近く経っているのですね。

(どうりで……。)

おママの髪の毛は伸びて纏まらないどころか、風に吹かれでもしたら……。ライオン?(^O^)

 

大概、美容院に行って髪を切りましょうと誘えば、「私はいいわ。大丈夫です」などと拒否されるのですが、今回はちょっと違いました。

なぜなら、私…、イケナイ事をしました。

子育てにおいても、これは禁じ手だと思い、極力やらなかったのですが、遂にやってしまいました。

脅し戦法です。

 

「そんな事をしていると◯◯◯みたいになっちゃうわよ。」

「そんな事をしていると、怖い鬼が来て食べられちゃうわよ。」

 

ダメですね…、実によくない。悪いわ〜〜。でも、やってみました。

 

「お母さん、髪の毛が伸びてボサボサだから、美容院に行って切りましょう。」

「そうね…。でもいいわよ。たいした事ないわ。」

「お母さん、伸び放題で、まるで安達原の山姥(やまんば)のようよ。」

「ハハハハハ❗️そうかしらね…。」

「他の人から山姥みたいに思われたら悲しいわよ。行きましょう。」

「はい、行って切ったほうがいいわね。」

 

『安達原の山姥』は歌舞伎が好きだったおママならイメージし易いかな?

そう思って言ったのですが、おママが正確に思い描いたかは定かではありません。

でも、なりたい姿ではないようでした。(^O^)

 

『安達原の山姥』は『安達原の鬼女』とか『一つ家の鬼女』とも言われます。

彼女自身に悲しい身の上があってのことですが、旅人を泊めて、夜になると食べちゃう鬼女。能や歌舞伎の演目『黒塚』の題材になっています。

enmokudb.kabuki.ne.jp

 

怖そうなものに例えて、脅して連れて行ったのですから、罪悪感が澱となって私の心に沈んでいきました。

 

実際問題として、おママ自身は髪が伸びていても大して不自由はなかったのです。ちょっと襟足が鬱陶しいくらいだったかも。

私が、ライオンや山姥のようになったおママの頭を見たくなかっただけでしょう。

 

(今日は天気がいいぞ。来週はお墓参りで親戚に会うぞ。

見映えが悪いから、おママの伸びた髪の毛を何とかしたいぞ❗️)

 

これは私の都合だし、ちゃんとやってますとアピールしたいと言うエゴでしょう。

それで、私は怖い物を例えにして、脅し戦法でおママを美容院に連れて行った?

 あれこれ考えると、私って随分ひどいではないか…。

でもでも、綺麗になるのだから、おママにとっても利があるよね。

なら、私の一方的なエゴでもないか…?

 

「あなたの為を思って、こうするのよ❗️」

と言うのは毒親のセリフのようですが、私は毒娘の候補生でしょう。

でも、絶対に介護の中で、生命や衛生に関わる点では背に腹は変えられない時がある。

その時は、おママが抵抗しても私は怯まずエゴにも鬼にもなるぞ。(^O^)

 

たかだか美容院に連れて行くだけで、脅し戦法を使ったために、私はあれこれ考え過ぎたようです。(^◇^;)

 

おママは順調に美容院に行ってくれたし、ご機嫌でカットとシャンプーをしてもらっていました。

サッパリとした髪型になったおママを見て、私としては結果オーライかなと思いました。

 

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おママここまでボサボサじゃなかったね。隈取を描くのがとても楽しかったです。


 

harienikki.hatenablog.com

 

 本日アップの貼り絵

お題方式の貼り絵」です。

「お題」でおママは貼り絵を1枚作り、その「お題」の残りでまた1枚。

同じ「お題」の残りを又「お題」にする私も芸がないようですが、おママが何を選んでいくのか興味深いです。

 

「お題方式の貼り絵」 とは…。

昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時が増えてきました。

それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 

最初の「お題」はこちら↓

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いつかは不明ですが、過去におママが自分で切り抜いてセットしていた紙片のセットです。

私としては、鳥が飛んでいる着物をおママがどうするのかが見たかった…。

 

そして、出来た貼り絵はこちら↓です。

まずは美しい刺繍の花柄を選んだのですね。

着物は裾の方の花模様だけ使われたようです。(^◇^;)

harienikki.hatenablog.com

 

昨年12月16日の再「お題」↓

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 そして、その日のうちにおママが制作した作品はこちらです。↓

harienikki.hatenablog.com

 この時も、着物は使われませんでした。↓

紅白の細長いラインに心奪われたようです。

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そして2日後の12月18日に制作したのが、一番上の貼り絵です。

遂に鼠色で鳥が飛翔している着物がメインで登場しました。でも、毛色の違う何かが組み合わされています。

この作品は私が居ない時に作られました。だから正直言って出来上がりを見た時に、

(何だこりゃ⁉️)

 と思いました。でも、よく考えてみたら、チョイスの箱の一部分だったのですね。

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左上のネズミさん達も同じチョイスの箱からでした。

おママ…。私は「あけくち」「差し込み口」まで取っていたとは知らなかったわ‼️

上の写真にも無かったし…。

私はその衝撃的な組み合わせにビックリしました。

でも、眺めているうちに、これもアリだなと思えてくるから不思議です。(^O^)

 

 

 

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。