アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

月末企画❗️今月のイチ押し‼️(2020年3月版)過去と現在のおママ共作❗️

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(2020年3月6日 アルツハイマー認知症の診断から約13年1ヶ月)

 

コロナウイルスによる新型肺炎(COVID-19)の感染は終息するどころか、これからピークがやって来て、日本でも感染爆発をするか否かの瀬戸際だと言われております。

昨夜は東京都知事による2度目の緊急記者会見もありました。

今感染を広げないためにも、一人一人が予防を念頭に置いた行動をとるしかないように思います。

本当だったら30日月曜日に親戚達と行くはずだったお墓参りは、中止にして良かったと思いました。

 

そして、コメディアンの志村けんさんがCOVID-19のために亡くなりました。

私は小学生の頃からテレビで志村さんを見てきました。そして、その訃報を聞いた時、言葉が出ませんでした。

ご冥福を申し上げます。

 

これまでにCOVID-19によって亡くなった方々のご冥福をお祈り致します。

そしてご遺族の方々にお悔やみを申し上げます。

 

本当に対岸の火事ではなく、足元に迫ってきたと言う感じがします。

 

『月末企画❗️今月のイチ押し』とは…。

 このシリーズはその月におママが制作した貼り絵の中で、私やオネコが1番気に入った(面白いと思った)作品をご紹介するものです。

「月末企画❗️今月のイチ押し‼️」というカテゴリーがあるので、もし、ご興味があれば、他の月の「イチ押し」もご覧下さいませ。m(_ _)m

 

おママは今月3月30日現在で25枚の貼り絵を制作しました。

その中から「今月のイチ押し‼️」を選ぶ判断基準は⬇️こんな感じ…。

 

①綺麗もしくは興味深い作品。

②制作エピソードがある。

③制作途中の写真があれば尚良し。

④おママの独自性が強い作品 

 

今回は①②③④に該当します。久しぶりの全部…。(^O^)v

 

一応、この作品も「お題方式の貼り絵」(注)に該当します。

制作日の3月6日に、私はおママ秘蔵のマーブルペーパーをカルトンから出してきて、一緒に切り分けました。

この時に分割したマーブルペーパーはその後の「お題」にもなっています。

言わば「お題」をおママと制作したことになりました。

  

 (注)「お題方式の貼り絵」とは…。

昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時が増えてきました。それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 

今月はとても綺麗な作品が多かったので、オネコとの「イチ押しミーティング」の時も少し悩みました。そして、このマーブルペーパーから何枚もの綺麗な作品が出来上がったと考えれば、「イチ押し」に相応しい気がします。

 

それだけでなく、この作品は過去のおママと現在のおママの共作でした。

これが「イチ押し」の決め手であります。

 

3月6日金曜日

 昼下がりに無気力なままロッキングチェアーに座って謝罪なくしていたおママ。

 久しぶりに秘蔵のマーブルペーパーを漁ってみましょうか…。

それで、私が取り出したのはこれ。たまたま手に触れて、適当な大きさだったからです。

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 ↑このマーブルペーパーを広げてみますと、既に一部分使われた形跡があります。

四隅の一つが削れている。所々、クラフトパンチで抜かれている。

そして、不思議な雲型の穴…。(^◇^;)

「これどうしたのかしら?

あなたが持ってきてくださったの?きれいね〜。

なんか、穴が空いてるわね。」

 

どうしたも、こうしたも、おママさんよ。全部あなたの仕業でしょう。

 

「きれいね。勿体ないから、あなたもっておかえりなさいよ。」

「いえ、切ります❗️」

 

おママは大きいままでは勿体ながって絶対に使いません。だから、私が心を鬼のして、マーブルペーパーにハサミを入れました。

しかし、手染めのマーブルペーパーは個性があり、そのうねるような波に気持ちが持っていかれそうになります。

このマーブルペーパーは写真より実物は迫力があり、ハサミを入れる時には、とても勇気が要りました。

 

そして、私はこうして分割しました。↓

おママに今回使ってもらうのは左側。右側の纏まった部分は、またカルトンにしまいました。

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今回の貼り絵には、もう一種類、きれいな紙が使われています。

これは2017年の春頃、オネコがどこかで見つけて買ってきてくれた唐草模様です。

おママは大層気に入って、2017年には何作か貼り絵に使いましたが、それ以後、長らく行方不明になっていました。(^◇^;)

最近になって見つけたので、おママも喜んで切り分けていました。

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おママもハサミを入刀❗️

おママが最初に興味を示したのは、穴の開いた部分でした。

「どうして、ここが、ないのかしらね。」

「それはね、昔、お母さんが切り抜いたのよ。」

「私はそんな事はしません。」

まぁ、怒らしても仕方ないので、私はもう言いませんでした。

それでも、おママは葉書の大きさに収まるように、何処からどう切ったものか、かなり思案しておりました。

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 それでもまだ、右上が飛び出します。

「どうしようかしらね…。」

「バチッて直線に切り落としちゃえば。」

私が迂闊に返事をしたら、おママは仏頂面をしました。それで、私は台所に退避…。

 

そして、おママはこだわり抜いてこう形を整えました。↓

穴を含めて美しい造形です。

この先、おママは穴をどうするのでしょう。

 

私が興味津々で見ていたら、おママは手近に有った赤い唐草模様を穴の上におきました。

「えーー、穴が塞がっちゃうよ。せっかくの穴なのに。」

「いいんです❗️これで❗️」

いつもより、おママの拘りが強かったので、私はハラハラしながら見ていました。

流石におママ自身も、少し唐草模様の形を整えようと思ったらしい。

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結局、過去のおママが何かの為に、

カッターで切り抜いた穴です。

おママが好きなように埋めたらいいのです。

 

(切り抜いた部分はどうしたのかな?もしかしたら、過去の貼り絵に使われていたのかも?)

私はふと思いました。

余程、切り抜いた部分は魅力的だったのでしょう。

どんなだったか、見てみたいです。

 

おママは認知症と診断される数年前から貼り絵制作をしていました。

既に収納ファイルは二十数冊。1冊200枚収納としても4000枚…。

今の私には、ファイルを1ページづつめくって、それを探す事は出来そうにありません。

 

30分ほどのオヤツ休憩の後に制作再開です。

案外、いい具合に穴が塞がっていますね…。

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最後に小津和紙の千代紙を加えていました。

赤系に緑系を合わせると、反対の色味だから画面に緊張感が生まれる。

緑の色味を手にしたおママを見て、ちょっと感心しました。

認知症になっていても、この色彩感覚が残っているのは不思議です。

 

いつか、十数年前のおママの貼り絵から、この穴の主が見つかったら良いなぁと思います。

そんなこんなで、この過去と現在のおママが共作した貼り絵を、

今月のイチ押しに決定‼️

👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏

 

唐草模様を使った過去作品です。↓

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

 

おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます