アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

もの足りない‼️

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(2020年1月29日 アルツハイマー認知症の診断から約12年11ヶ月)

 

まだ寒い1月の末のことでした。

2020年、正月が明けたと思ったら、うっかり5月中旬になってしまいました。 

1月29日におママが制作した貼り絵をご紹介します。

 

思えば…、

この頃は中国武漢新型肺炎が流行しているというニュースは聞いていましたが、まだ多方の日本人は現実的な問題として捉えていませんでした。

ある意味…、対岸の火事だったのですね。

そんな時期の作品です。

とは言え、おママに新型肺炎の事など理解も記憶も出来きないでしょう。

 

1月29日の午後、

私は机の引き出しに仕舞い込まれた折り紙サイズの千代紙を出して、

「一緒に遊びましょう」

と、声をかけました。

 

おママが選んだのは深い色合いのグリーン系と扇紋などのの赤系の千代紙です。

「これ、いいわね。素敵よ。」

おママは特にグリーン系の方が気に入ったようです。

「どんな風に切りましょうかね。このままだと大きくてハガキには収まりませんもの。」

「えーっ❗️折角なのに、切るなんてイヤだわ。」 

 

そこでおママが始めたのは、折り紙用の千代紙1枚を丸ごと葉書にベタッと貼る事でした。ちょいと斜めに配置したのは、おママの直感でした。

 

こんな感じです。(↓) 

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 グリーン系の千代紙の周囲には大小4つの直角三角形が出来ました。

そこをおママは赤系の千代紙で埋めてみようとしました。

千代紙同士が重ならないように、ピタッと付き合わせるのは几帳面な性格のなせる技です。

少し大きめに切った赤系の千代紙を隙間のないように貼り、はみ出した部分は裏面に折り返し、しっかりと糊付けしています。(↓)

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 まだ、このくらいの作業はおママにとって、お茶の子さいさいです。

「できた❗️」

グリーン系の千代紙の周りに赤系の千代紙をピッタリ貼り合わせて、おママはとても満足そうでした。

「出来上がりですか?」

「出来上がりました。」

私としては物足りないのですが…。

おママが確信を持って「出来上がり」と言うのですから、完成なのでしょう。

 

おママは気が付いた…。(^◇^;)

私はおママに、その日(1月29日)の新聞を手渡しました。そして、第1面に記載された日付欄を見ながら、貼り絵の裏面に制作日を記入してもらいました。

おママは新聞紙の上で、再び貼り絵の表面を見た時、

「あら、真ん中に何か貼りたいわね…」

と、急に言い出したのです。

あ、おママ❗️気付いてくれたのね。

「何を貼ったら良いかしらね…。」

おママが切れ端の在庫を探していたら、机の引き出しから平安貴族が出てきたのです。

 

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 そして、ハサミで平安貴族の形を整えてから、ドンと中央に貼り付けて、(↑)

ようやく完成しました。(^O^)

 

因みに、平安貴族はこちらの包装紙から切り取られたものです。(↓)

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 和菓子の紀の国屋さんの包装紙です。

www.wagashi-kinokuniya.co.jp

 

(↓)お仲間です。恐らく、この2020年1月29日に制作した貼り絵の平安貴族は、

3年前の貼り絵に使った包装紙の残りと思われます。

harienikki.hatenablog.com

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おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。