(2020年3月11日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年1ヶ月)
*マーブルペーパーの興味深さ
今まで、私は漠然とマーブルペーパーは面白いな…と思ってきました。
特殊な糊の上で揺らぎ踊る絵具や染料を移し取った模様。
それは偶然が生む必然でもあります。
手染めのマーブルペーパーは色調や技法は同じでも、一枚として同じ物はありません。
その瞬間を瞬間を映しとった奇跡でもあります。
そんなマーブルペーパーは、綺麗なもの好きのおママの感性にバッチリ嵌ったのだと思います。
おママは舶来のマーブルペーパーを幾枚も買っていました。
50代から60代にかけて、自分でマーブル染めを実践していた事もあり、ヨーロッパの染色職人の技術に敬意を持っていました。
そのため、自分で染めたマーブルペーパーは惜しげもなく使いましたが、購入した殆どのマーブルペーパーは未使用でした。
使っていても、遠慮がちに端っこが切られている程度でした。
1枚のマーブルペーパーを広げてみると、職人の技術力と人智を超えた偶然性という、相反する世界が凝縮されていて圧倒されます。
だから、おママは大好きでも、なかなか使う決心がつかなかったのかもしれません。
(でもさ…、折角、買ったのだから、少しでも使ってみようよ…。)
そうは思ったものの、私だってハサミを手にしたまま、大きなマーブルペーパーの前に立ちすくんでしまいましたわ。(^◇^;)
でも、ある程度、小分けにしてあげないと、今のおママには手に負えません。
*「お題」
今回ご紹介したおママの貼り絵は、「お題方式の貼り絵」です。
「お題」の写真は撮り忘れたのですが、(↓)で使われた残りがそれに当たります。
細かく規則的な模様のようなマーブルで構成されたマーブルペーパーは直線的に切り分けてもいいと思います。しかし、今回のような大きな流れがあると、悩んでしまいます。
それでこのようにカットして(↑)分割してみました。
ここまでは2020年3月月版の「月末企画❗️今月のイチ押し‼️」と同じです。
今回アップした2枚の作品の主要部分に使われたのは、左半分です。
どのパーツがどこだったのか?
見比べると目が疲れます面白いです。(^◇^;)
拡大図(↓)
(おママ、ここをこう切ったのか…。)
そう思いました。
他にも小津和紙の千代紙が使われています。
赤系の四角はチェック柄の折り紙でした。
*無心で…。
「(マーブルペーパーの)どこを切って使ったらいいのか分からないわ。」
最初はおママもハサミを持ったまま固まっていました。
でもじっと見つめているうちに、マーブルがうねるようにして生まれた曲線がいくつも見えてくるようです。
「ここからこうしても良いのかしら?」
「良いと思います。」
「やっちゃおうか。」
「やっちゃって下さい。」
おママは次第に見えてきた曲線のカーブに、ハサミの刃を添わせていきました。
マーブルの中に、おママだけが見えてくる形や線を、無心で切り進めています。
この見えてくる形や線は人によってまったく異なるのだと思います。
こう切ろうかな?
こっちの流れから見えてくる形が面白いかな?
それがマーブルペーパーの醍醐味なのでしょう。
「えっ、そんなに細かく切っているんですか?」
「………。」
ほぼチャーコを無視。
(↑)ある程度、切るのに満足したら、構成に入りました。
(↓)また、他の紙を切り始めました。(^O^)
(↑)おママはU字型の複雑な形を切り取りました。
おママが取り組み始めて2枚が完成するまでは、約1時間半。
この日は体調も気分も良かったのだと思いますが、
おママは十分にマーブルペーパーを堪能したようです。(^O^)
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。