(2020年8月10日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年6ヶ月)
*いつから包まれたのか、想像もつかん。(°_°)
これは暑い夏の昼時の事…。
私は実家で昼食の用意に追われていました。
ダイニングテーブルの上をおママがゴソゴソと片付けている(ほとんど平行移動するだけ)と謎の物体が見つかりました。
「これ何かしら?」
「また、あなたが紙で包んでおいたんでしょうが…。」
「私は知らないわ。」
「知らないったって、あなたがやったんですよ。」
「えーー、私じゃないわよ。」
そんなおママとジジの不穏な会話を耳にして、私は様子を見に行きました。
ジジが一生懸命「あなたでしょ‼️」といったところで、おママに記憶がないからどうしようもありませんわ。
長さ6〜7㎝、太さは2㎝くらいでしょうか。
白い紙で何かを巻いて輪ゴムで留めてあります。なんでしょう?(°_°)
私は恐る恐る開いてみますと、魚のイラストが印刷された紙から、赤いアクリル絵具が出てきました。
お魚の紙は既に一部をハサミで切った痕跡があります。
(デイサービスでもらった紙なのかしら?)
使いかけの赤いアクリル絵具は、おママが皮工芸をしていた頃に買ったのかも知れません。
20年以上前のアクリル絵具と、ここ数年デイサービスに通っていて貰った紙。
年代が違いすぎます。
包んだのはおママです。おママがいつ?
何時、この紙でこのアクリル絵具を包んだのか、私は全く見当もつきませんでした。
(°_°)
私はそっと隠れるようにして、赤いアクリル絵具のキャップを 開いたら、固まってはいませんでした。その赤い色が毒々しい。
(これは…ヤバイ。万一おママが舐めたら大変だ‼️)
私は危険を感じて、サッと絵具をゴミ箱に投げ入れました。
*おママ、激昂❗️
ところが、この私の行動をおママはしっかり見ていました。
「ちょっと‼️あなた‼️何やってるの‼️」
おママは眼を三角にして私を睨んでいました。
「どうして‼️人の物を、そんな、勝手な事をするのよ‼️」
これは私の大失態。おママが触ったらいけないと思う余りに、捨てるタイミングを間違えてしまいました。
おママからしたら、自分の物を勝手に捨てられては、怒るのも御尤もです。
そうは思っても、こちらもおママに絵具を持たせる気にはなれません。
それに「絵具」と言ってもおママには理解でないでしょう。
「手に付いたりすると危ないから、古い物だから、もう使えないので捨てました。」
「勝手に捨てないでよ❗️ちゃんと見せなさい‼️」
おママの怒りは収まりません。
私は仕方なくゴミ箱から絵具を拾い出しておママに渡しました。
「古いお薬なので、もうダメになっています。手に付くと危ないので捨てました。」
おママ私の話に耳を傾けることもなくアクリル絵具のキャップを開けました。
すると、赤い絵具がほんの少しチューブの口から出てきました。
おママは「あ…❗️」と言いながら、その赤い膨らみを人差し指の腹で掬い取りました。
その赤い指をどうしたものか…。おママも困惑気味です。
「ほら、赤いでしょう。危ないから捨てますよ。
その手を洗いましょう。舐めないで下さいね。」
「なめないわよ‼️」
私、再びおママを怒らせてしまいました。(^◇^;)
でも、赤い色は危険な雰囲気を醸します。
おママもドキリとしたのか、今度は素直に捨てさせてくれましたわ。
ふと、思いました…。
私も絵具を持っています。岩絵具や顔彩や水彩絵の具などなど。
歳をとって、絵具を絵具と認識できなくなった時、すっかりオバさんになった娘のアズキに怒鳴られるかもしれませんね。
「なめたらいかん‼️」
明日は我が身かも…。(^◇^;)
*本日アップの貼り絵
赤い絵の具は捨てましたが、それを包んでいた紙は残しました。
広げてみたら、魚類のイラストが可愛いのです。(^O^)
早速、これをお題にしようと決めました。
まずは、こんな感じに細分化していました。
それから、おママに使いたいイラストを選んでもらい、切り抜き作業です。
この動画は魚を切り抜く様子です。
おママはかなり几帳面に切ろうと、一生懸命試みています。
横で撮影しながら、「魚の尻尾が落とされる❗️」
と冷や冷やしている私の姿をご想像くださいませ。(^◇^;)
大きなピースだけで構成されていますから、糊付けは楽しそうでした。
結局、お魚さん達だけでは物足りなかったようで、赤みが追加されました。
歌舞伎座の袋です。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。