(2021年2月23日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年)
*集中力
おママは認知症歴14年です。
4.5年前から娘たちの名前はおろか存在すら認知できないのですが、
まだ一人でトイレに行きますし、食事も箸を使って自分で食べます。
認知症の症状は緩やかに進行してきました。
いまだに上手く勧めてあげれば、貼り絵も楽しんでおります。
昔から、おママは集中力がありました。
結婚前は染色、中年期からは革工芸、皮革を使ったヨーロッパの伝統的な製本技術であルリユール。
いつも何かの手仕事に集中してきました。
記憶力が落ちてきた70歳くらいから、今も続けている貼り絵を始めました。
ハガキ大の紙に好きな紙を切ってコラージュしていくこの貼り絵は、おママの感覚に合っていたのだと思います。
始めると、30分から1時間は集中しております。
自宅では貼り絵ですが、デイサービスで最も集中して取り組んでいるのはジグゾーパズルだそうです。
ジジの話では、最近、小さい20ピース以下のジグゾーパズルがお気に入りとか。
黙々とパズルに向かうおママの姿が目に浮かびます。
その集中している最中に、事件は起きました。
*おママさん、それはいかん❗️
これは5月の初め頃の事です。
このジジと二人で一緒に通っているデイサービスは基本的に個々のやりたいことを尊重してくれます。
でも、体操の時間は全員参加。
そのため、スペース作りのために机をずらして移動させたりするようです。
この時、おママはジグゾーパズルに熱中しておりました。
誰だって、集中している時に、それを阻害されるのは嫌ですものね。
体操の時間が始まるので、男性のスタッフさんが
「芙貴子さんもやりましょう」と誘ってくださいました。
当然、おママはパズルを続けたい❗️
「私はいいです」
おママは拒否しました。
でも、その机だって、ずらす必要があります。
「体操が終わったら又やりましょう」
と言われても、もちろんおママはその意味がわからない。
しかも、せっかくパズルをやっているのに、やめろと言うのは理不尽に感じたのでしょう。
「私は(体操は)やりません‼️」
おママはキッパリ拒絶しました。
その堂々巡りをした後で、
「パズルはちょっとこちらにずらして置いておきますから、又すぐ出来ますよ」
とスタッフさんが少々強引にパズルの置き場所を変えようとしました。
その途端、おママは
「そんなのダメ‼️」
と声を荒げた上で、
「やるかぁー‼️」
と、拳骨を振り上げたらしい‼️(°_°)
いつも穏やかなおママなので、皆さんびっくりしたそうです。(°_°)
でも、スタッフさんも慣れたもので、笑顔で「まぁ、まぁ、落ち着きましょう」と拳の手首を押さえてくれたとか。
こんなふうに怒ってしまうと、おママはもう、テコでも自分の欲求を曲げません。
そのため、ジジがスタッフさんに「パズルを続けさせた方がいい」と耳打ちしたそうです。
斯くして、おママは体操の時間もパズルを続けたとさ…。
*感情を抑えられるか?
でもまぁ…、集中しているのに、中断させられたら、誰だって嫌よね。
タイミングが悪かったのでしょう。
それでも、以前のおママなら、「後で続きができます」の言葉が理解できたから、従えたのでしょう。
「ちょっと最近怒りっぽくなったね…」
ジジは少し心配していました。
でも、自宅にいる時に、さすがに拳はあげませんが、気に入らないとジジに食って掛かる事はありますから、決しておママは大人しくて穏やかな面ばかりではありません。
ただ、他所では自己制御が効いていたと思います。
言語の理解力が落ちると、どうしても感情を抑えられなくなるでしょう。
こうゆう事って、これから増えていくと覚悟した方が良いのだと思いました…。
ここ数年、おママの症状は比較的安定していましたが、
もしかしたら、変化が起き始めている。
そんな気がします。
(↓)ジグゾーパズルが完成して喜ぶおママ。こういう時もあります。
*楽しく通所しています。
それでも、こんな事はあれきりだったようです。
先日は、掌に乗るくらいの小さな草履のキーホールダーを作ってきました。
結構、細かい作業もあって苦労の跡が見え隠れしていますが 、可愛く仕上がって良かったです。
ご指導くださったスタッフの方々、ありがとうございました。
*本日アップの貼り絵
今年の2月中旬から半月ほど、私は自宅の引越しなどで、実家へ行かれませんでした。
その間、おママが貼り絵に取り組めるように、私は「お題パック」をたくさんこしらえておきました。
(↓)今回ご紹介した貼り絵日記使われた写真があります。
(↓)何度か登場していますが、こちらのパンフレットから写真を切り抜きました。
(↓)恐らく、2月15日に私がセットした3つの「お題パック」から、おママは使う紙片を選んだのだと思います。①②③でしょう。(^O^)
2月23日のおママ、は朝早くから貼り絵に取り組んでいたそうです。
デイサービスのお迎えの時間が近づいても完成はしていませんし、止める気配もありません。
そこで、ジジはおママに言いました。
「続きはデイサービスでやろうね。」
この時は素直に聞き分けてくれました。
珍しいことですが,おママは「お題パック」を持参して、デイサービスでこの作品を仕上げました。
聞き分けられる、聞き分けられないの境目は何なのでしょうか?
やはり、その日の気分や体調にもよるのかも知れませんね。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
おママの貼り絵を見てくださり。ありがとうございます。