アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

おママの現在 家庭訪問がありました

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(2021年5月14日 アルツハイマー認知症の診断から約14年3ヶ月)

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2021年5月14日 アルツハイマー認知症の診断から約14年3ヶ月)

 

デイサービスの家庭訪問

ジジとおママが二人で通っているデイサービスは3ヶ月から4ヶ月ごとに家庭訪問があります。昨年からはコロナのこともあるので、もう少し間隔が空いているかしら。

家族は通所者が施設でどんな様子であるか、スタッフさんから聞けますし、要望があれば伝えられます。

逆に、スタッフさんは通所者が家庭ではどんな様子なのか、最近の体調や症状の変化などを確認できます。

通所を初めた頃(4年前)は「家庭訪問なんて…」と面倒くさく感じました。

しかし、おママの認知症の症状が進み、ジジの足腰が弱くなってくると、こういう機会は本当に大事。

勿論、当のジジとおママも同席して懇談するし、ケアマネさんも一緒にみえるので、情報共有ができて助かります。

 

ジグゾーパズルに全集中

昨日(2021年6月18日金曜日)の家庭訪問は、新しく異動してこられた施設長さんが来て下さいました。

「最近、母は施設でどんな様子ですか?」

私は5月に入ってから、おママの症状が進んだと実感しています。

ジジから様子は聞いていますが、一応、スタッフさんからのお話が聞きたかったのです。

「そうですね。最近、大きな声を出す事が多くなったようです。

「先日は帰りのバスの時間になってもジグゾーパズルが終わらず、『今、まだやっているのにー』というお気持ち分かるのですが…。」

 

ああ…やっぱり。

ジグゾーパズルがらみの事ですね。

集中している最中に帰りの時刻になってしまったら、おママはそれなりに拒絶して、抵抗したでしょう。

5月はこんな事もありましたし…。(↓)

harienikki.hatenablog.com

この一件以来、体操の時間になっても、おママはジグゾーパズルを続けさせてもらっているようです。

「とりあえず、午後は帰りの時間にかかりそうだったら、母にはジグゾーパズル以外の事をやらせて下さい。」

こちらからはそうお願いするしかありません。

 

すると施設長さんはこんな事を言って下さいました。

現在、デイサービスでおママが取り組んでいるのはA4サイズ程度の大きさで約20ピースだそうです。

「芙貴子さんはジグゾーパズルが上手だと思います。もう少ししっかりしている方(おママより認知症の症状が軽い通所者)より、ずっと早くできるんです。やはり形や色を合わせるのは得意なのですね。」

 

 これを聞いて、私はふと思いました。

おママの貼り絵って、

おママにとってはハガキサイズの小さなパズルなのではないか。

様々な色と形を組み合わせて1つの絵を作り出すような、

ジグゾーパズルとはちょっと趣が違いますが、

パズル感覚の面白さがあるのかも知れません。

 

わかるのか?わからないのか?

このような家庭訪問の時は、おママもたいてい同席しています。

ほぼ、話の内容はおママの事なのですが、おママは「そうなのね」「そうね」と、

他人事のように笑顔で相槌を打ち、話に参加している体で居るのです。

 

しかし、昨日のおママは話の途中から、だんだん疲れて眠くなっていくようでした。

そして、急に立ち上がり、

「わたし、上に(2階に)やる事があるので…」

と笑顔で中座してしまいました。

 

これをジジは、

「おママは話が自分の事ばかりだから、居づらくなったんじゃないか?」

と考えました。

 

でも、私はちょっと違うかな。

「最近は特に言葉が理解できなくなっているでしょう。他の人達の会話についていけないし、頭の中で処理できない。だから会話が意味不明な雑音のようになってしまって、聞いているだけで疲れてしまうんだと思うよ。」

 

ケアマネさんとデイサービスの施設長さんは、私の考えに近い印象を持ったようです。

この頃のおママを見ていると、会話の不毛さを感じます。

私の掛けた言葉も、もしかしたら、ただの雑音になってしまう日が来るのかも知れません。

 

(↓)昨年のことですが、実際、おママは家族の話に混乱をきたしていました。

harienikki.hatenablog.com

 

忘備録ですが…。

今回の家庭訪問で、(↓)この件はお話ししておきました。

harienikki.hatenablog.com

 

 本日アップの貼り絵

harienikki.hatenablog.com

 最近の私、「お題」作りに窮しております。

この日はあれこれ考えたのですが、以前私が友人からもらった折り紙の中から、

これを選んでみました。

和柄で分割しやすい線があるので、おママにも取っ付きやすそうです。 (↓)

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 *「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について

一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。

 

(↓)切り始めました。

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(↓)おママは分割して、こんな風に2作品にするようです。

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www.youtube.com

<制作動画①>

2021年5月14日 15:34〜

 動画の冒頭は小さな蝶を切り抜いています。

その後、おママはどうやら白い余白に他の紙を使おうと思い立ちます。

私が神がたくさん入ったクリアファイルを渡すと、おママは迷うことなく選びました。

それはサーモンピンク?の本の帯。なぜこのファイルに入っていたのかは不明です。

おそらく、これより以前におママは自分で入れておいたのでしょう。

私は最初(なぜ、本の帯?)と意外に思いましたが、

よく見ると千代紙の模様の中に似たような色があるのです。

それを瞬時に選んだおママ…。

(理解できない言葉が増えた昨今、

それでも、まだ暫くは貼り絵が出来るかも…。)

撮影しながらそう感じた、印象深い動画です。

 

それで、(↓)こんな感じになりました。

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www.youtube.com

<制作動画②>

2021年5月14日 15:53〜

おママは三角の上に小さな蝶々を重ねて貼っています。

 

(↓)二枚目に突入。

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(↓)1枚目は調和を重視していたようですが、2枚目はもっと自由な感じに構成したかったようです。

「これいいかしら?」

「大丈夫ですよ。」

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 (↓)切り始めると、おママのこだわりが発動します。

超絶カット中。本当に細かい…。

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(↓)切ることに没頭し始めると、誰もおママを止められません。

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おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。