(2021年11月7日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年9ヶ月)
*おママの貼り絵
私の目の前に15冊以上のファイルがありました。
その中には色とりどりの紙片を軽妙に貼り付けたハガキが約200枚。
200枚×15冊と考えると、少なく見積もって3000枚はあるでしょう。
それは私の母、おママが認知症になる前からやっていた貼り絵です。
思う形に紙を切り、色合わせをしながら平面構成をして、納得したら貼る。
何か意味があるわけではありません。
おママが認知症になっても貼り絵を続けられたのは、ただ好きだからです。
やっていると楽しいから、その思いだけでしょう。
娘たちも家を出ていますから、極たまに実家へ帰った時だけしか見ません。
たった一人,夫であるジジだけは毎日見て誉めてくれたでしょう。
認知症になった自分の母親が、
他所の人が見るわけでもなく、誰かから評価を受けるわけでもなく、
ただ黙々と白いハガキの画面に貼り絵を続けながら、10年近い歳月を送ってきた。
その事実にはたと気がついた時、私は頭を殴られるような衝撃を感じました。
これって、私にできるだろうか…。
今後,私が何かを始める時、きっと無心に貼り絵をし続けたおママを思い出すでしょう。
おママの貼り絵を誰かに見てもらいたい。
その一心で、2016年12月の私はこのブログを始めました。
*見守りたい
このところ,1年がとても早いです。だから5年もあっという間でした。
2016年の12月には風前の灯だったおママの貼り絵制作も、それから3年半は自発的に続いていました。
「自分で紙を選んで制作する。」
それが出来なくなったのは2019年の夏頃。
本来なら、ここでおママの貼り絵は終わりにしても良かったのかもしれません。
しかし、私が提案した紙に興味を持つと、おママは楽しそうに切ったり貼ったりしています。手先を使う作業が大好きなおママから、楽しみや出来る事を奪うのもどうかと思いました。
そこで私が思いついたのは「お題方式の貼り絵」と「お題パック」です。
現在,おママはまだ貼り絵を続けております。
ジジやオネコと私の(出来る事はなるべく続けてほしい)という思いが、おママの背中を押しているのは確かです。でも、1枚完成した時のおママの笑顔は、当人の心が充足している顕れでしょう。
いつまで続くか分からないおママの制作ですが、今後も見守っていきたいです。
*見つけていきたい
ブログをやって良かったと思うのは、ネタ探しです。
ほんの些細な会話や、小さな出来事を私なりに汲み取って、記事にしてきました。
介護という場面で、笑いや面白さって有るのかと思われるかも知れません。
しかし、これも人の営みです。悲喜こもごもです。
私はその中からなるべく喜びの方を感じ取って文章にしていこうと思いました。
老いていく両親とのあれこれの中で、小さな発見や喜びを見つけられるようになったのは大きな収穫だったと思います。
(↓)これもそんな喜びの一つでした。
自分でも、「割り箸を割ってうどんを啜る」それだけで記事にするんかい‼️
そう思わなくもなかったです。(^◇^;)でも、おママは認知症歴14年ですから、充分に言祝いでも良いかなと思いました。
果物を切ったり、おやつを食べたり、時にはトイレ問題もありますが、ほぼ些細なことばかりのブログですが、これからもこのスタンスで続けていきたいです。(^O^)
どうぞ、今後も宜しくお願い致します。
(2016年12月29日 アルツハイマー型認知症の診断から約9年10ヶ月)
*本日アップの貼り絵
クリスマスに雰囲気の漂う作品です。
これは「お題パック」を使って、おママが一人で取り組んだ作品です。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
(↓)「お題パック」はこちらです。
セットする時に、(クリスマス向きの作品ができるんじゃないか?)という下心が私の胸にありました。
おママが殆ど紙片を切らないで貼ったとしても、色の感じでクリスマスですもの。(^◇^;)
でも、出来上がりは私の想像の上をいっていました。
「おママ‼️こう来たか‼️」
おママさん,頑張っていますね。(^O^)v
関連作品です(↓)
おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。