(2022年2月21日 アルツハイマー型認知症の診断から約15年)
*スーパーのフルーツ事情
立春の頃から、スーパーの果物売り場はオレンジ色が眩しいです。
4月に入ってさらに種類が増えたように思います。
おママの好きだった清見オレンジはまだ見ませんが、伊予柑、デコポン、不知火、せとか、はるか等々、さまざまな品種が賑やかです。
それでいて、値段が下がってきたイチゴや林檎、定番のキウイ、パイナップルも有って、実家へ行く度に何にしようか迷ってしまいます。
果物が色とりどりに店頭に並んでいるのを見ると、平和だなと思います。
それを、買い物客が気軽にカゴに入れている。
こんな普通の事がとても有難いと感じるこの頃です。
*柑橘類は見るだけでも好き
今日ご紹介するのはそんな今にぴったりの貼り絵です。
「お題方式の貼り絵」です。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
(↓)この日、私が用意したお題。
実家へ来る途中、乗り換え駅の新宿で貰ってきた「くまもとデコポンフェア」のチラシです。
おママは柑橘類が好きだから、すっかりその橙色に魅せられておりました。
<おママが文字を読む動画>
2022年2月21日 14:42〜(33秒)
何のことはない、認知症の高齢女性が文字を読むだけの動画です。
一生懸命に読んでおります。
マ「く、ま、も、と、ってね。」
チ「熊本ね、じゃぁこれは?」
マ「で、こ、ぼ…こん?」
『でこぼこん』というのも何だかかわいい音ですね。凸凹んかしら?
チ「でこぼこん?」
マ「で、こ、ぽ、ん、えぁ〜っていうのね。」
チ「フ、フェア。」
マ「ふえぁ〜。」
チ「そうそう、フェア〜。」
その後、おママは切り始めました。まずはしっかり読む事ができた「デコポン」が気になったようです。
<おママの貼り絵制作動画①>
2022年2月21日 14:46〜(51秒)
おママはデコポンの写真を切り抜いております。果実の下に文字の残骸が残っていますが、おママはあまり気に留めていないようです。
特にカタカナの「ア」は最後まで残していたので、この赤い色がおママには重要なのだと私は思いました。しかし、この「ア」が後々問題になってしまったのです。
デコポンの写真は切り抜いたらそれで満足したのか、おママはハガキの上に載せたまま放置して、「デコポン」の文字の方に気を取られております。
(↓)「デコポン」を斜めに配置しました。
とても可愛らしい作品になりそうです。おママは昔小津和紙で買ったお気に入りの千代紙を使おうと考えています。最近、小津和紙のオンラインショップで見つけたのですが、この模様は「菱紋つなぎ」という名称でした。
<おママの貼り絵制作動画②>
2022年2月21日 15:02〜(3分24秒)
私はいい動画だと思うのですが、背景でジジが電話でケアマネジャーさんに確定申告の事であれこれ相談している音声がガッツリ入っていたので、泣く泣く無音声にしました。おママの話ている事は全編こんな感じでした。(^○^)
おママはハガキの画面をハサミで差し示しながら、どこに何を貼るかを吟味していました。
マ「どこから、こう?こっちを3つとかね、こっちを一つやって…。
そして、こことここなのよね。こうなるから、こうなって、これでしょう。」
おママは「菱紋つなぎ」をカットする側から配置していきます。
マ「もうひとつ、あれすればいいよ。」
そして長方形の小さなピースの角を落としながら、
マ「こことここよね。」
自問自答するように
マ「ここ、と、ここよね。」
(↓)そして最後に左上右下の角に赤い飾りをつけて、
(↓)はい❗️一作目の出来上がりです。
(2022年2月21日 アルツハイマー型認知症の診断から約15年)
さて、2作目が始まりました。
とはいえ、おママはあまり考えもなく、切ったままの写真をハガキ中央に貼ってしまいました。それでも周囲に何かを貼れば、それなりに仕上がりそうです。やはりこの写真が良いからですね。(^。^)
(↓)周りに友禅紙「波紋」の青を使いたいようです。
下の写真で、おママの右手の手元に見えている「ア」はやはりおママの計算だったようです。私はこの赤が結構画面上で効いているように思いました。
が、しかし❗️
おママは急に「これなによ、なんでこんなのにしたのよ❗️」と気になりだしました。
いえいえ、それは芙貴子さん、あなたがなさったことでしょう。
「いやだわ。」
と言われても、ご自分で貼ってしまったのですよ。
(↓)おママは必死に「ア」をむしり取ろうとしましたが、上手くいきませんでした。
結局、「ア」は残ったままになりました。
仕上がった作品を見て、私はこれはこれで良いのではないかと思います。
おママもなんとなく、納得しておりました。
今まで、シリーズ「連作の楽しさ」は3枚以上を連作と考えておりましたが、今年に入って、おママは一度に3枚制作は難しくなりました。
同じ材料を使って、同時に関連づけて制作された貼り絵なら、2枚でも連作と考えていこうと思います。
おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。