(2017年3月6日 アルツハイマー型認知症の診断から約10年1ヶ月)
*ついに年度末
皆様、年度末のしかも最終日です。
「光陰矢の如し」と申しますが、私は正月からここまで「あ❗️」という間でした。
恐らく、ゴールデンウィークはすぐ過ぎるでしょう。そしてお盆休みになります。
それから秋は怒涛のよう終わりを迎え冬になるのです。おママが「おどこども
ええ、私の経験則では、年度末が来たら、年末はすぐにやって来るのです。
嗚呼、くわばら、くわばら…。
*「今月のイチ押し❗️リターンズ❗️」とは
おママが特別養護老人ホームに入所したので、もう、新しい貼り絵作品は生まれません。
昨年まで、「月末企画❗️今月のイチ押し❗️」は当ブログの月末恒例行事でした。
オネコと私は「イチ押しミーティング」をして、特に印象に残る作品を選んできました。
それはすぐに意見が一致することもありましたが、紛糾する(大袈裟です)こともしばしば…。
しかし、それも出来なくなりました。寂しいものです。
「今月のイチ押し」は今見ても素敵な作品が多いです。当時を思い出して、今、感じることもあります。
そこで考えたのが「リターンズ❗️」。
6年間72枚の中から、私が特に好きな作品を再びご紹介する企画です。
*珍しい作品
おママの貼り絵は幾何学的で、その時の気分と感覚だけで制作されます。
私が制作を見守った直近6年間では、具象的な作品は見当たりません。
それどころか、何かのイメージを抽象化する事さえめったにありませんでした。
それ以前の認知症の症状が軽い頃は、必ずしもそうではなかったようです。
「女の人」など、おママの頭の中にある具体的なイメージを貼り絵にすることもありました。
症状が進むにつれ、頭の中のイメージを2次元にデザイン化するより、目の前の綺麗な紙を気の向くまま切り貼りする事の方が楽だったと思います。
それがおママの貼り絵の楽しさでもあります。そして、おママ自身が独りの時間と心を満たし、癒されていたのではないかと思います。
この作品は、ほぼ完璧な左右対称です。シンメトリーを好んだおママらしさが溢れていますね。
そして、高度に図案化されていますが、これはおママが具体的なイメージを表現した稀有の作品です。
制作の翌日、おママとファイルを見ていた時、突然おママは言い出しました。
「これはね〜、踊る子供なの。踊っている様子を思って作ったのよ。」
「ほぅ〜。確かに❗️」
「動きを出したかったけど、上手くいかなかったかしらね。」
「見えるわ。手も足も踊っていますね。」
「ほんとう❗️」
6年後の今、この作品を見直して、おママが「踊る子供なの」と言った時の笑顔が思い出されます。
当時のおママは、既に認知症歴10年。だいぶ記憶力は失われていたけど、自分の作品を見ると、少し制作時の事が蘇ってきたのでしょう。
私にとっても印象深い作品です。
*使用した紙など
2017年3月版では全く使用した紙について触れていませんでした。
この時期はまだおママは自分で貼り絵に使用する紙を身の回りから見つけて、独りで制作していました。そのため、元は何であったか分からない事も多かったです。
メインの太陽のようなピースと紫の三角形は元は同じです。恐らくお菓子が入っていた紙箱だと思いますが、何を包装していたかは不明です。
左右に配置された青い三角形は(↓)こちらです。
仙台の親戚が送ってくれた笹かまぼこの包装紙です。今現在は包装紙はリニューアルされているかもしれませんね。(↓)関連作品です。
おママがよく好んで使っていた緑系の四角紋も見えますね。
小さい赤い三角形は(↓)この作品で使われた紙と同じでしょう。
小さな紙片を貯めていた箱に長らく入っていました。
「踊る子供」では小さいからよくわかりませんが、これもマーブル模様です。購入した紙だと思います。
好きな紙、気になる紙を切り抜きながら、白いハガキの上に載せていく。
それが「踊る子供」になるまでどんな変遷を辿ったのか見てみたいです。
まだ経過写真も少なく、私は動画を撮っていない時期だったので残念です。
(おママは中央上の太陽のようなピースを乗せた時から、「踊る子供」のイメージが広がったのかもしれない。)
でも、そんな想像をするのも楽しい作品です。
おママの貼り絵を見て下さり,有難うございます。