(2021年2月8日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年)
*20代の太もも?
ジジは96歳。それなりにボケてます。
でも、頭より足腰の方が衰えております。外出は車椅子、家でも歩行器がなければ歩けません。
とは言え、昼間は歩行器でトイレに行き、自分で用を足しますし、夜中は寝室に設置しているポータブルトイレを使います。介護する側としては、排泄の自立が保たれている事はありがたいです。本当に助かっています。
時々失敗をして、ズボンから全て取り替える羽目になると、私も手伝います。
そんな時、ジジの足を見ると、筋力も落ちて衰えを感じるこの頃。
(これじゃ歩くのきついよね。)
ところがですよ❗️
ジジの目がおかしいのか。
いえ、人の脳はその人が見たいように歪曲して見せるのでしょう。
「自分の脚を見ると若々しくて20代かなと思う」
とジジが言った時、オネコさんは我が耳を疑ったそうです。それで聞き返しました。
「お風呂の時に見て、そう思うの?」
「いやトイレで自分の太ももを見たら、シワもなくて若々しいから、歳とっているとは思えない」
と嬉々として曰わったらしい。
多分ですが、便座に座ると太ももが座面に載って、立っている時よりシワシワが目立たないからだと思います。
それを20代とは畏れいりました。これが5月の下旬の話でした。
*シワシワ
その直後にジジ専用の電子レンジが壊れてしまいました。
これまでジジが自分で朝食に作っていた「牛乳と卵とパンとお菓子のどろどろ」が作れなくなりました。(↓)これです。
電子レンジ対応の蓋付き鍋に卵を2つ割り入れ、牛乳を投入(400ccくらい)。
よく混ぜてからバターロールを2個浸します。
そこにスーパーで買ったカット野菜の千切りキャベツを少々入れます。
更にジャムなどを加えて、電子レンジで加熱します。
昨年末頃からは、これにおやつに買っておいたチョコパイやブッセまで投入して電子レンジで加熱していました。
ジジはこのため結果的に朝飲んでいた250CCほどの牛乳を摂取できなくなりました。
「朝,自分で冷蔵庫から牛乳を出して飲んでね。」
娘達にそう言われても、冷蔵庫から出したてではジジは冷たくて飲めません。
毎朝、娘達が実家へやってきて、ジジのために牛乳を温めてあげれば良いのですが、
基本的に別居介護ですから、そうもいきません。(^◇^;)
1週間ほど、ジジの朝食はコンビニのパンと常温のペットボトルのお茶だけでした。
するとジジは曇った顔で言ったのです。
「最近牛乳を飲まないから,太ももが痩せてしまったよ。このままではどんどん衰えてすぐに死んでしまうだろう。せめて朝、牛乳が飲みたい。」
うーむ。
確かにジジの言わんとする事は分かりますし、尤もな意見でもあります。
ただ、デイサービスの昼食や栄養バランスの取れた宅食弁当を食べているのですから、「すぐ死んでしまう」事はないと思うのですよ…。(^◇^;)
因みに、ジジ専用の1階の電子レンジは買い替えておりません
*ネットで買ってみた
そこで、オネコさんがネットで調べて200mlのロングライフの常温保存牛乳を買ってみました。
「ロングライフ常温保存牛乳の中では美味しいらしい。」
気がかりなのは、ジジが自分でパックに表面に付いているストローを外し、穴に差し込んで牛乳を無事に飲めるかです。
試しに私がいる時にジジに飲んでもらったら,ストローを外すのと伸ばすのが難しいようでした。それでも味は「美味しい❗️牛乳だ❗️」と喜んでます。
それで現在のジジの朝食はこんな感じです。(↓)パンは一例です。
牛乳のストローは前の晩に取り外し、伸ばして添えて置きます。
やはりと言うか,日によってはジジは「ストローで吸う」という仕組みが理解できないこともあるようです。
ストローを刺した状態でマグカップに移し替えようとして牛乳をこぼしたり、
一口、二口飲んだだけで飲み終わったと思ったり、
ちゃんと全部ストローで飲める日もあります。
私の印象では平均して1日100mlくらいは飲めているのではないか?(๑˃̵ᴗ˂̵)
*ぴちぴち再び
これは先週の事ですが,ご機嫌なジジが言いました。
「最近、トイレに行った時に、自分の太ももを見ると実に若々しく、ぴちぴちしているんだよ。これなら、
まだあと20年以上は生きられると思うんだ。」
あ,そう…。(°_°)
20年経ったらジジは116歳です。それこそ長寿日本一になりそうです。
ええ,オネコさんは83歳,私は78歳。
おママが73歳で認知症と診断された事を考えると、姉妹2人とも要介護状態なのではなかろうか。
「ま、頑張って下さいね…。」
私は遠い目をしながら、かろうじて相槌を打ちましたとさ…。
*本日アップの貼り絵
2021年2月8日の作品です。
(↓)おママは同じ日にこの貼り絵も制作していました。
(↓)おママは細かくハサミで切り抜くのが好きでした。この当時はまださほど緑内障による視野欠損が酷くなかったのだと思います。
(↓)このマーブルペーパーは、おママが認知症になる前に、ルリユール(ヨーロッパの伝統的な製本技法)を習っている時に自分で染めたものです。
(↓)型絵染のような文様の友禅紙です。小津和紙で購入しました。
おママは20代の頃、銀行勤めの傍ら、芹沢銈介先生の工房に型絵染を習いに通っていました。そんな下地もあって、このような模様は特に好きだったように思います。
おママの貼り絵を見て下さり有難うございます。