アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

弾丸❗️真夏の奈良ひとり旅(後編)

(制作年月日不明 アルツハイマー型認知症の診断前 2005年頃)

 

今回は前回の旅の記録の続きです。

harienikki.hatenablog.com

灼熱の西の京

私は今年還暦になりました。そのせいでしょうか?最近、昔の自分を振り返ることが増えています。

思えば、私は中学生の頃から歴史が好きでした。特に飛鳥時代から奈良時代の仏教伝来の頃に創建された寺社仏閣や仏教美術に興味がありました。和辻哲郎の『古寺巡礼』とか井上靖の『天平の甍』を読み、入江泰吉の奈良の写真に憧れていました。だから、中学の修学旅行で奈良の東大寺,興福寺、薬師寺や唐招提寺に参詣できた時はとても嬉しかったです。

今回の一人旅は、もう一度その原点に触れてみたかったのです。

14歳で初めて本物の仏像に接して、衝撃を受けるほど感動したのは法隆寺の百済観音と薬師寺の聖観世音菩薩立像でした。前者は飛鳥時代で後者は白鳳時代(大化の改新645年〜大宝律令制定701年)を代表する仏像です。今回は法隆寺までは足を運べなかったので、薬師寺は絶対に参詣したいと思いました。

おそらく、大学時代も一度拝観していると思います。でもそれ以来と考えたら、私は約40年ぶりの西の京散策となります。そんなノスタルジックな気持ちで近鉄西の京駅に降り立つと、

そんな気分も吹き飛びました。

歩き出すのも辛いほど、暑い 暑い 暑いっ❗️

しかも私以外、殆ど人が歩いていない❗️(°_°)

とりあえず、西の京駅から離れている唐招提寺に向かいました。徒歩約20分です。

もともと静かな道ではありますが、その間に私が目撃した人間はたったの2人。それも地元の方のようです。

「ここって,名所旧跡だよね。平日の昼ではあるけど、奈良公園には外国人観光客が溢れていたよね。なんで西の京に来ないんだ?」

それは釈然としませんでした。

ただ、正午前後ですから、太陽は一番高く日陰が少ない時間帯でもありました。地元の方も敢えて外出しようとは思わなかったのでしょう。カンカン照りのお日様の下、帽子と日傘という出立ちで歩きながら、私は思いました。

「夏の奈良はべらぼうに暑い❗️」

後で知ったのですが、2026年8月24日月曜日の奈良市の最高気温は38.1度だったそうです。

toshodaiji.jp

唐招提寺

お目当ての唐招提寺に着いても,人はまばらでした。多分暑すぎるからですね。(°_°)

でも境内を進み国宝金堂の屋根を見た時は、14歳の私がそうだったように、「あゝ、天平の甍」

と思わず呟いてしまいました。美しい,本当に美しいです。

参詣の人も少なかったので、実に綺麗な写真が撮れました。(↓)

唐招提寺は創建当時の古い建築が残っていて、伽藍を歩いているだけで歴史を感じました。そして各お堂には国宝・重文クラスの仏様が安置されています。寺宝を展示している新宝蔵は夏場は閉館中です。それだけは残念でした。

境内の日陰に入れば少し涼を感じて呼吸を整える事ができました。汗が少し和らぎます。そして、御朱印を頂き、売店を見てすぐに薬師寺に向かおうと思いました。

しかし、空腹のまままた炎天下を歩くのは命取りになりかねません。私は売店外のベンチに座って手持のお菓子類や簡易栄養補助食品などを食べ、水分をしっかり摂ってから出発しました。

唐招提寺の門を出て、又同じ灼熱の道を西の京駅方面に引き返しました。

そして薬師寺にたどり着いた時、時刻は13:20頃、私はこの日2本目の500mlペットボトルの水を飲み干していました。兎に角,暑かったです。朝のうちに購入していた塩昆布を少しづつ摘んで口に含んでいたのは正解だったと思います。

薬師寺

薬師寺は以前の私の記憶にある薬師寺とは様変わりをしていました。何故ならこの40年の間に西塔、大講堂、回廊などが綺麗に再建されていたからです。

古寺の伽藍では長い歴史のなか、失われてしまった建築物はいくつもあります。それを復元再建すれば、創建当初からの時代を超えてきた風合いの建物と、見た目に差ができてしまいます。

薬師寺の場合、東塔(白鳳時代)と西塔(昭和56年)が良い例でしょう。

この新旧混在する状態を違和感と感じる人がいても不思議ではありません。実際にウチのダンナは許容出来ないそうです。

私はと言うと、創建当初の伽藍を再建する試みは良いと思っています。日本の古代建築の再建には発掘を含めて大規模な学術調査が行われます。そしてその結果を踏まえての大事業です。これは古代史・建築史にとっても有益な事だと思います。

それに私は侘び寂びも好きだけど、創建当時に近い五色で彩られた絢爛な伽藍も好きです。

でも、40年の時を経て再訪したら、古くなるどころか創建当時の白鳳時代のように新しい状態になるって、

「時間の不可逆性に反している?」

そんな錯覚を覚えて不思議な気持ちになりました。

そして暑さのせいでしょうか。綺麗な回廊を歩きながら自分が白鳳美人になった気分になれましたわ。(^◇^;)

(↓)薬師寺も人物が殆ど写り込まないので、建造物は綺麗な写真が撮れました。

そして、お目当ての聖観世音立像(国宝)を拝観しに東院堂に向かいました。ここは御堂自体も鎌倉時代の建築で国宝です。内部は別にエアコンがあるわけでもないのに、不思議と心地よい涼風が吹いているではありませんか。

堂内で私は暫く聖観世音立像の前で座り込んでしまいました。疲れもあるのですが、やはりなんといっても観音様の神々しさと美しさに心を奪われていたからです。

やはり良いものは歳をとってから観ても良いです。

この聖観世音菩薩に感動して、すっかり魅了されてしまった14歳の私の眼力を

還暦の私は褒めてあげたいと思いました。

(↓)こちらでご覧いただけます。

yakushiji.or.jp

東院堂の堂内を歩いていると敷物のないところがありました。そこを静かに歩むと足の裏に浅く小さな感触を覚えました。

「これが中世の以前の床板なんだわ。」

古人もこの床を歩き、聖観世音菩薩の前で跪いたのでしょう。

因みに中世以前の建造物の床板は槍鉋(やりかんな)を使って平らに成形していました。これは近世から現代に伝わっている一般的な台鉋が普及する以前の削り道具です。

槍鉋を使って平らに削っても、完全な平にはなりません。歩くと小さな細波のような微妙な凹凸を感じるのです。

www.shimz.co.jp

薬師寺では伽藍を全て見学し、東僧坊で御朱印を頂きグッズなどを見る時間を入れてたっぷり2時間かかりました。

その後、西の京駅から急行で京都駅に向かいました。これで1泊2日の奈良旅行は終了です。

8月23日は12665歩、24日19391歩ですから,暑い中をよく歩いたと思います。

(↓)かの有名な高松塚古墳石室西壁の女性像を参考にして2019年に描いたイラストです。こんな万葉美人?が往時の薬師寺の伽藍を歩いていたのかも知れませんね。今見直すとツッコミどころ満載の絵ですが…(^◇^;)

三婆(おママ、オネコ、私)を一様に若くして万葉美人にしようと思ったのですが、やっぱり元が三婆だからか⁉️ 限界がありました。(๑˃̵ᴗ˂̵) 

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本日アップの貼り絵

制作年月日不明 アルツハイマー型認知症の診断前 2005年頃の作品です。

この作品もおママはクラフトパンチで型抜いたピースを上手に配置していますね。和風なようで西方のイメージもあり、白鳳時代や天平時代の雰囲気に合うかなと思って選びました。

おママに貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。