(2021年3月24日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年1ヶ月)
今回は完全なる番外編です。
*会期初日にGO❗️
私が東京国立博物館の平成館で『鳥獣戯画』の展覧会がある事を知ったのは、会期の始まる1週間前でした。
最近、いかにこの手の情報に疎くなってなっていたことか。(°▽°)
早速、娘のアズキに打診してみると、二つ返事で「行くっ」とな。
彼女の平日休みのスケジュールを勘案しますと、「初日しかないじゃん」となり、
速攻でネット予約をしました。
「おや?昨年夏の着物展を予約した時と勝手が違うな…。」
今回は「アソビュー!」という会社が代行していて、その会員登録やらありました…。
一度は間違えて「無料招待券を持っている場合」で申し込んでしまいました。クレカ払いにしたのですが、決済0円。流石におかしいと気が付いて、キャンセルの後に予約の取り直しをしました。
少々煩雑ですが、いまのご時世、ネットでの日時予約は必須であります。
仕方ない…。
それで、会期初日にで行って参りました❗️
特別展 国宝鳥獣戯画のすべて
日時が予約制になったので、館外に並んで待つことはありません。
4月13日13:00〜14:00入館指定だったので、13:10分に館内に入りました。
ただ、すぐに会場に入れるわけではなく、館内で少し入場制限があります。10分ほど並びましたわ。
それでも、コロナ前に開催されていた東博の大規模特別展は、まぁ〜、炎天下でも雨でも館外に長時間並びましたから、それに比べれば体力の消耗が少ないです。
館内の見学者の人数も過密な状況ではないし、鑑賞しやすい体制でした。
申込は面倒だけど、コロナ後もこのネット日時予約はいいシステムだと思います。
観終わって買い物をした後、外に出たのが14:54でした。
1時間以上、じっくり鑑賞できて満足。
平日の午後ですから、上野公園も空いていましたね。(^。^)
私達の展覧会鑑賞が「不要不急のお出かけ」だと言われれば、否定できません。
少し、罪悪感はあります。しかし、観たいものを我慢するのは辛いものです。東京国立博物館もコロナ対策をしています。
良い展覧会だったので、マスクをして、会話を控えて、間隔を取って、鑑賞していただきたいです。
*今回の鳥獣戯画展の見どころ
◉4巻すべて観られる。
今まで、私は「国宝展」などで何度か『鳥獣戯画』を観たことがあります。でも、大抵開いているのはごく一部分でした。
絵巻を完全に開いてすべて鑑賞できるのは画期的だと思います。しかも会期中の展示替えはありません。
実は、私は日本美術史をかじっていたのですが、『鳥獣戯画』が4巻あるとは知りませんでした。
一番有名な「甲巻」は、いわゆる兎と蛙と猿の群像劇です。
「乙巻」は動物図鑑です。馬や犬などの身近な動物だけでなく、麒麟や象もいました❗️
「丙巻」の前半は様々な遊戯をしている人物戯画、後半は兎、蛙、猿の動物戯画です。
「乙巻」は人物の祭礼行事などの様子。
完全に開かれた状態の絵巻を端から順に観ることが出来たので、とても楽しかったです。
◉「甲巻」は動く歩道で快適鑑賞
展示会場に動く歩道というのも珍しいと思います。しかし、これがとても良かった。
速度も速からず遅からずのちょうどいいテンポでした。個人的には他の巻も動く歩道があれば良かったかも。(^。^)
しかし、動く歩道は一列に並んで鑑賞するものです。鑑賞者が多いと、並んで待たなければならないのです。融通は効きませんね。
他の巻は通常の展示です。
最前列で観たい人は1列に並んで順番を待つし、他の人の迷惑になるから歩きながら鑑賞する必要があります。
2列目から見たいところだけ鑑賞する人は時間を短縮できます。それに、2列目なら立ち止まってゆっくり鑑賞できる。目の良い人ならその方がいいかも知れません。
◉平成21年度から24年度にかけて平成の解体修理と調査がありました。その時の調査と研究成果を展示に反映させています。
高山寺以外で所蔵されている断簡や東福門院の修復以前の模本との関係性から失われた場面を埋めて、本来の「甲巻」の全貌をみることが出来たのはとても良かったです。
*図録を読んで勉強してみたよ(興味ない方は飛ばして下さいませ)
平成の解体修理で判明した事、最新の研究などが掲載されています。その中で私が興味を持った所をいくつか、忘備録的に書いてみようと思います。
①紙の材質
平成の解体修理で、使われている料紙(大きさはおおよそ36センチ✖️48センチくらい)が杉原紙(すぎはらし)だと判りました。これって絵巻物や絵画に使う紙ではなく中世には広く流通していた文書用の料紙だそうです。
絵巻物や大和絵に使う紙は打紙や雲母引きなどの加工がされた平滑な紙。それに比べて杉原紙は滲みや掠れが生じやすい。しかし、その身近な紙に作者は墨でほぼ一発描きをしています。よほど高い技量でないと、こうは描けません。
この料紙の問題は作者が誰なのかにも関係してきます。
②誰が描いたのか?
長年、作者は鳥羽僧正覚猷(高名な画僧)とも伝えられていますが確証は全くありません。ただ、身近な料紙を使っているところから宮廷絵師より画僧、仏絵師の方が可能性が高いようです。
しかも「甲巻」は前半後半で紙の質感や筆致が違うので、異なる時期に異なる人物が描いています。そして「乙巻」「丙巻」「丁巻」ともに画家は違うのではないか?
③驚きの真実
「丙巻」は前半が人物戯画、後半は動物戯画からなります。
しかし、平成の解体修理で、元々は1枚の料紙の裏表に人物戯画と動物戯画が描かれていたと判りました。昔の和紙は今のように薄くありません。厚みがあるので、表と裏に別の絵を描いてもあまり映らないのでしょう。
古文書の世界でも中世の行政文書などは、一度、表面に書いて、その文書が必要なくなると裏面に別の文書を書いたりしています。これを「紙背文書」といいます。
まさに「丙巻」では両面に絵が描かれたのです。それを「相剥ぎ」と言って料紙の厚みの真ん中から裏面、表面を剥いで2枚に分けていました。それを繋ぎ合わせて1巻の巻物に仕立てていたそうです。
この「相剥ぎ」されたのはいつの時代なのでしょうか?
④制作年代 いつから現在の形態になったのか
制作年代は平安後期から鎌倉時代か?「丙巻」がもしかしたら一番古いかも。
そもそも高山寺で描かれたものではなく仁和寺系の僧侶が関わって制作され、のちに高山寺に移された可能性もあるようです。
戦国時代に高山寺は戦乱で被害を受け衰退しました。江戸時代の初期には『鳥獣戯画』も「七二枚」と表記される状態でした。おそらく巻から剥がれるものもあったのでしょう。
慶安三年から延宝六年(1650〜78)頃、東福門院(徳川秀忠五女)が後水尾院とご覧になった後に、修復を決めたそうです。これにより現在と同様の四巻になりました。
絵巻物の状態ではない断簡は、この修復より以前に流出したもののようです。
*購入品は…
(↓)図録とハガキを2種類合計4枚描いました。〆て3600円(税込)です。
買って良かった図録❗️
全巻丸ごと収録。眺めているだけで楽しいです。
ウサギさん、カエルさん、おさるさんだけでなく、植物や簡略化された風景も興味深いです。いつか墨と筆で和紙に模写したいなぁと思うような白描画。資料としてもアリです。
解説文や論文も比較的読みやすかった❗️
でも、分厚くて重たい。鑑賞後購入予定の方は御覚悟召されよ。(°▽°)
税込3000円だから安くないです。でも、私としては満足かな。
可愛いグッズがたくさんあって、欲しいものもあったけど、私は全部我慢して図録を買って良かったと思っています。
とても楽しかったです。『鳥獣戯画』は本当に面白い。
「観に行かれて良かったね。」「それな❗️」
タブレットで模写しました。だから線を削ったり加えたり出来て、このていたらく。(TT)
どなた様が『鳥獣戯画』を描かれたかは知りませんが…。本当に天才❗️私は1000年勉強したってムリ❗️
*本日アップの貼り絵
『鳥獣戯画』に因んでカエルさんの貼り絵を選んでみました。
「お題方式の貼り絵」です。
「お題パック」はこちらでした。(↓)
おや?「お題パック」にカエルさんはいませんでしたよ。
おママは今まで切りためた紙片を入れた箱から自分で見つけて貼ったのですね。(^。^)
私が実家にいない時の作品なので、制作途中写真はありません。
カエルさんは当ブログでも何度も登場している青柳総本家の「カエルまんじゅう」の包装紙です。今回は期間限定品の「チョコあん」でした。
美味しいです。私の個人的な好みではオーソドックスな「こしあん」が一番好きかな。
一昨年の12月に伊勢神宮へ行った時のお土産でした。
その時、おママは楽しそうにカエルさんを切り抜いていました。
カエルが たくさん❗️
今回久しぶりに登場したカエルさんはこの中の一人(一匹)でしょう。
2019年12月23日、おママは早速カエルの貼り絵を制作しました。
(↓)この時の作品です。
(2019年12月23日アルツハイマー型認知症の診断から約12年10ヶ月)
(2019年12月23日アルツハイマー型認知症の診断から約12年10ヶ月)
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。