(2021年2月7日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年)
*今年もこの時期がやってきた
「そろそろ年度末で締め切りが近いから、来週あたり天気だったらね。」
3月に入って暫くした頃、私はジジに言われました。
これで全てが理解できる私を、誰か褒めて…。
「そうね。じゃぁ、天気なら15日の月曜日とかね。」
実家のある自治体では年に一度、最寄りのかかりつけ医で長寿健康診断を受ける事ができます。申込票を兼ねた問診票は毎年夏には郵送されます。期間は到着後から年度末までです。
500円ほどで尿検査、レントゲン、心電図、血液検査が受けられます。
有難いことですから、ジジとしてはやらない理由はありません。
この健康診断ですが…、毎年それなりに騒動がありまして…。
私は過去2年これをネタにブログを書いております。
しかしですよ❗️
今年ほどひどい目に遭ったことはなかった❗️❗️❗️( ; ; )くっそぉ〜。(涙)
*しっかり者?のチャーコ
私がジジとおママの健康診断に付き添うようになったのは一昨年からです。
過去2度の付き添いの経験が私にはあります。
毎回、それなりに失敗や反省点もあるのですが、それを踏まえて私は万全の準備をしました。
まず、おママが着ていく服装チェックです。
心電図を撮る場合、裸足になって足首を出さなくてはなりません。タイツを履いていくとそれまで脱がなくてはなりませんから、スパッツやレギンスがいいです。
出かける前に、おママの足を確認しました。いい具合にソックスを脱ぐだけで裸足になれそうです。おママがその日に履いていたのはジジの冬用のズボン下です。
おママ…。
ジジの下着を履くなんて。(^◇^;)
よくある事だから仕方ありません。
そして、出掛けに律儀にトイレに行こうとするおママを、私は静止しました。
「お母さん、お医者さんのところでオシッコを取って検査するから、今はしないでね。」
「なんでぇ…。」
何でもへったくれも、ありゃしません。
「今はダメなのよ。」
そうして、準備のできたジジと一緒にいざ出陣❗️目指すはクリニック❗️
*事件は突然に
健康診断はまずかかりつけ医の問診から始まります。
血圧測って、血液取って、それから尿採取と心電図、レントゲン、もう一度診察を受けて終了です。
ジジは言われたことは理解できますから、どんどん先に進めます。しかし、おママの場合は血圧測るのも血液取るのも誰かが付き添わないと全てが滞ります。
「尿を取って下さい。」
看護師さんに紙コップを渡されたので、私はおママとトイレに入りました。
「すみませんね。オシッコを取らなければならないので、私もご一緒します。」
尾籠な話ですが、私はしゃがんだ姿勢で向き合い、おママが放尿中それをコップに受けるのです。
おママを便座に座らせて、私は手にコップを用意。
「はい、準備はできました。おしっこ出ますか?」
「え………。何だかわからないわ。」
戸惑うおママ。
しかし、それは突然始まったのです。
人の尿とは思えないほどの勢いの水がコップに溜まりました。
しかも、尿は止まる気配もありません。
コップの中を覗くと無色透明の液体が入っていました。
(これは……尿じゃない。)
明らかに少し温かめの水でした。
なぜ?
ふと私は気がついて、便座の右サイドを見ると、おママがしっかりと何かに捕まっています。それはウォシュレットの操作ボタンのついたプレートでした。
おママはそれをしっかりと手で押し続けていたのです。
「あーーーー!お母さん!手を離して!」
私がおママの手を払い除けて叫んだのをきっかけに、おママは逆上して立ち上がりました。
「もういや!こんなのは嫌です。びしょびしょだわよ!」
そうでしょう。こんなのはお嫌でしょう。私も嫌です。
水が止まったので、私はおママの前でしゃがんだ姿勢のまま、
仁王立ちになったおママの濡れたお尻を綺麗に紙で拭いてあげました。
「大変でしたね。お疲れ様です。これで、もう濡れたところはないと思いますよ。」
「ほんとよ、もう、何なのよ。」
おママは口を尖らせておこってきましたが、それでも少し治ってきました。
「おしっこは、これから出ますか?」
私は懲りない性格です。10秒ほどしたら、おママはこの嫌な記憶を無くすでしょう。
あわよくば、ご機嫌で尿採取に協力してくれると思ったのです。
「じゃあ、ゆっくりと座れますか?」
便座の前にしゃがみこんでる私は、おママを見上げました。するとおママはゆっくり前屈みになりました。
が、その瞬間!
なぜか、おママの股座の間から洗浄水が吹き出して、私の顔面を直撃したのです。
な、なぜ?
おママったら!
座ろうとした時に、またウォシュレットの操作ボタンを掴んで押していたとは。
なんたる事でしょう。
ひぇーー(涙)
私が悲鳴を上げながら自分のミニタオルで顔を拭いていると、おママは流石に気の毒に思ったのか、「どうしたの」と心配顔になりました。
そして、間髪入れずに、おママはオシッコをするではありませんか‼️
私は左手で自分の顔を拭きながら、右でコップを持ち、受け取る事ができました。
悲しいほど器用な私。誰か褒めて下さいませ。
トイレから私の叫びが聞こえたのでしょう。私たちがトイレから出ると、看護師さんが目の前にいました。私が事情を説明すると、彼女は個室の様子を確認しました。
「床は濡れていませんでした。全部娘さんが被ったんですね…。」
「そのようですわね、」
そして一言。
「本当に、よかったです。顔にかかったのがオシッコじゃなくて…。」
私は腰が砕けそうになりました。
よくないよ。私は全然良くないよ。
洗浄水だって、納得できないよ‼️(T_T)
なんとか彼女にコップを渡すと、
「あ、富貴子さんは取れたんですね。実は太郎(ジジ)さんは出掛けにお家でして来ちゃったから出ないんですって。」
嗚呼、私はジジの事はノーチェックでしたわ。
ジジよ、迂闊だったわね。
(迂闊だったのは私の方か…。)
私はまだ顔や頭を拭きながら反省しました。
それにしても、精神的ダメージが半端ない。
嗚呼、水も滴るいい女‼️
じゃなくて、トイレの洗浄水でびしょ濡れのオバハン❗️
待合室の椅子に崩れ込んだ私の横で、
おママは何事もなかったように笑顔を振りまいてくるのでした。
(次回に続く)
あゝ無情 レ・水ラブル
*本日アップの貼り絵
今日の水のテーマに合うかと思い、選んでみました。
制作日は日曜日なので、私のいない日におママが一人で取り組みました。
元はティッシュボックスです。
もしかしたら、おママはこの1年以上前に切った残りを見つけて貼ったのかしら?
(^O^)
クリネックスの箱はおママのお気に入りです。
このシリーズの色違いも何度となく貼り絵に使われてきました。
(↓)過去の作例です。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。