(2021年4月4日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年2ヶ月)
*転んじゃった
7月2日金曜日
この日の明け方、ジジはトイレに行こうとして転んだそうな。
この夜3度目のおトイレでした。
「脚がもつれて、後ろ様に倒れたんだよ。
頭を打ったし、身動きが取れなくて、
暫く倒れたまま床に転がっていたんだ。」
「えーーーー。」
勿論、トイレには行けなかったので、リハパンツと尿パットにしっかり吸い取ってもらったそうです。
「起き上がれて良かったよ。でも、なんで転んだのかが問題だよ。」
夜は小さな常夜灯だけにしているようです。
ジジはその薄暗がりに中で、歩行器を頼りにトイレまで歩くのです。部屋から廊下へ出る辺りで転んだのですから、暗くて足元が見えなかったのではないでしょうか?
「トイレまで行く時は電気を点けて下さいよ。暗くっちゃ、私だって転びますよ。」
実は、弱視一歩手前の私より、ジジの視力は随分いいです。
ジジが電気を付けないのは、寝ているおママを刺激したくないと思ったのでしょう。
私にギャンギャン言われて、ジジも萎れ気味でした。
「まぁ、目は見えている。でもこれからは電気を受けるようにするよ。これまでは大丈夫だったのに、問題はなんで脚がもつれたか?」
ジジは脚がもつれたのは、
(脳が原因ではないか?)
と思ったそうです。脳の機能が弱まって、バランスを崩して体勢が取れなくなったという印象なのです。
しかし、私からすれば、ジジは全身の筋肉が衰えています。体幹筋が減って身体を支えづらくなっているのだと思います。
「床に転がっている時に、もう、このままダメになるんじゃないか?と思ったよ。」
でもね、なかなか人間簡単にダメにはならないのです。
もしかしたら、このまま一巻の終わりになった方が楽かも知れないけど、
そう、上手くはいきません。
下手すりゃ寝たきりです。
幸運にも起き上がれたので、現状のジジの置かれた環境も変わりませんでした。
「どっちにしろ、楽じゃないわね…。」
「そうだね…。」
*楽をしようよ
こんなひどい転び方をして、骨折しなかったのは本当に運が良かった。
しかしご当人にしてみれば、身体より精神的なダメージの方が深刻でした。
明け方に転んで、ベットに戻り、気がついたら午前9時だったそうです。
慌てて燃えるゴミを出してから、おママを起こし、朝ごはんの支度と息つく間もなかったのです。
「本当に、今日は朝ごはんを作るのが辛いと思ったよ…。」
そうでしょう…。
そうでしょうよ。ジジは朝ごはんを頑張りすぎているもの。
93歳、足弱のジジが頑張る朝食は…。
鍋に御飯(又はうどん玉)を入れて、玉子2個と冷凍の野菜やお肉、そして納豆も入れて雑炊にするのです。
栄養的には全てを網羅するような一品ですが、
食後は鍋や小丼を洗わなければなりません。それだってジジがやるのですから、その体力的精神的な負担は半端ない。
「後片付けだって大変じゃない。もう鍋使うようなことはやめて、ロールパンと電子レンジで温めた牛乳とチーズくらいでいいじゃないの。特にデイサービスがある日は時間的に余裕がないでしょう。」
「うん…。でも、自分一人だったらそれでも良いけど、
おママにも食べさせなきゃならないから…。」
なんというか…。
まるで超真面目な専業主婦的発言です。
この責任感がジジを頑張らせていたとも言えます。
「でもさ、ジジよ。おママがそんなに手の込んだ朝食を、ジジに食べさせてくれたかな?」
私は物心ついてから実家を出るまでの二十幾年の朝食を思い返していました。
おママは低血圧で、朝は苦手でした。
朝食はトースト(各自でパンをトースターに入れる)とチーズとお紅茶牛乳、そして果物でした。そこに野菜やお肉といった食材が入り込むことはあり得ません。
「だから、そんなにジジが頑張っておママに朝ご飯を作らなくても良いんじゃないか?」
「そうか…。楽をするか。」
確かに、栄養が付きにくい体質のジジには、良い朝食だったと思うけど、
それを作るのが辛いなら、楽をとってほしいと思うのです。
デイサービスのある日は、そこでバランスの取れたお昼ご飯が出ます。
夕食にはコープデリのお弁当を完食。
デイのない日で私が実家へ行く日は、栄養のバランスを考えて昼夜2食作ります。
土日はオネコが届けてくれるし…。
これまで本当によく頑張ったと思う。
生活スタイルは年齢と体力とを勘案して、その都度変えていくのが良いと思います。」
でも、ジジ、もう頑張りすぎないで、
少し楽をして下さいね。(^O^)/
*本日アップの貼り絵
4月4日は日曜日で、私は実家にいない日でした。
取り立てて「お題」もなかったのです。
おママは残り物を集めて、貼り絵をしました。
(↓)この作品の残り物も見つけたのでしょう。
harienikki.hatenablog.com 薄〜いペーパーナプキン
黄土色の紙片は(↓)この時の切れ端ではないかと思います。
淡いブルー系のお花は、この時、久しぶりに現れた感じがします。
この後、こちらにも使われています。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。